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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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晩餐会 弐



次は誰だろう…一番ハードル高い人達は終わった気がするけど。


「へぇ〜貴女が…ただの小娘じゃない」

突然横から話しかけられるからびっくりする。しかもなんか喧嘩腰。

黒いローブにフード。いかにも魔道士って姿の女性。顔はほとんど見えない。

私の事小娘って呼ぶ割にちっちゃいな…。年齢は上なのかもだけど。


「ちょっとミルフィ! 失礼でしょう?」

「でも、お姉さま!」

「でもじゃないでしょ、謝りなさい」

「嫌よ! こんな小娘より私のが、絶対すごい魔術師なんだから!」

そう言うと走り去ってしまった。 何?てか誰ですか?


「アスカちゃん、ごめんなさいね。あの子私の一番下の妹でね。一応王宮魔術師なの」

「王宮魔術師って…すごいですね」

「そうなんだけどね? 最近私達がアスカちゃんの話ばかりしていたから拗ねてしまって…」

あぁ…なんかごめんなさい。


「でもアスカちゃんが悪いわけじゃないから気にしなくていいわ、そのうち落ち着くから」

「はい…」

だといいけど…。



「ミルフィは相変わらずですわね? セルフィ、貴女が甘やかし過ぎなんじゃない?」

今度は誰!?


「誰かと違って可愛気があるもの。仕方ないわ」

「なんですって!?わたくしに喧嘩を売る気ですの?」

「私は“誰か”としか言ってないけど…自覚でもあるのかしら?」

「ぐぎぎ…」

リアルにぐぎぎとか言う人初めてみた。


「コレが一応聖女様よ。魔王討伐パーティのね」

あぁ…確かに服はそれっぽい。真っ白に金の刺繍で派手だし。


「コレってなんですの?一応じゃなくて正真正銘聖女ですわ!」

言動は聖女に程遠い気がする…。


「はじめまして、ですわね。今代の聖女シンシアですわ。特別に聖女様って呼ぶことを許しますわ」

うわぁ…キャラ濃ゆい。


「は、はじめましてアスカです」

「妹の未亜です…」

未亜ちゃんも引いてる。


「この子も最初は可愛かったのよ?聖女様って崇められて調子に乗り出して。魔王討伐が終わった後もちやほやされたものだからこんなことに…」

「聖女は偉いのですわ! ちやほやされて当たり前です」


「ね?こんな調子なのよ。無視していいわよアスカちゃんも未亜ちゃんも」

「きぃーーー! 言わせておけば…私が命令すれば神殿騎士が動くんですわよ?」


「…神殿への予算を打ち切る様に陛下にお話してみようかしらね。 こんな聖女じゃ神殿の信用問題だから見直すべきって」


「待って! それだけはやめて! 謝るからぁ…神殿なくなっちゃう…」

聖女様泣き出したけど!?


「ほら、それならちゃんと自己紹介しなさい。聖女様なんでしょ?」

「うっく…。シンシアです、さっきはごめんなさい」

「いえ…お気になさらず聖女様」

「うぁ〜ん…セルフィねぇさま、この子いい子だー」

「貴女も普段からそうやって素直にしてなさいな。昔みたいに」

何を見せられてるのかもうわからなくなってきた。


「聖女様も王妃様の妹様なんですか?」

「違うわよ。魔王討伐のパーティ組んだときにまだこの子かなり小さかったの。

聖女は一人しか選ばれないから小さくてもこの子が来るしかなかった。可哀想だけどね。それで私が姉代わり。妹や弟が何人かいるから小さい子の扱いには慣れてたのよ」

なるほど、じゃあさっきのは妹を叱るお姉さんだったんだ。



「紹介してない人はもういないわよね?うちの妹は…まだ戻ってないわね。本当はもう三人、魔王討伐のパーティメンバーも来る予定だったのだけど急用でね」

「あ、一人はギルドマスターさんですね」

「そうそう。あの子は脳筋だからこういうの苦手だけどね。他のみんなも紹介したかったのだけど仕方ないわ」

こっちもユウキがいないもんね。



「セルフィよ…ワシを忘れておらんか?」

国王陛下!?


「まさかそんな事無いわ。ただ陛下が原因でアスカちゃんが限界になっちゃったのよ?」

「それはすまぬ…」


「お久しぶりです国王陛下、またご厄介になっています。こちらは妹の未亜です」

「未亜です。はじめまして国王陛下…」


「うむうむ、久しいな。改めてだが、娘のシルフィの事本当に感謝する。誰も治せなくてお手上げだったからな…それにギルドでの事も聞いておる。

何か褒美を! と思ったのだがな?セルフィに止められてな…。この晩餐会を開催したのだ」

王妃様ありがとうございます。止めてくれて…。

「できる範囲の事をしただけですのでお気になさらないでください」

「そうか…。ならばせめて晩餐会は楽しんでくれ」

「ありがとうございます」


「お父様、アスカ様達を独占するのはダメです!」

「ははっ、すまぬなシルフィ。 ではな」

「はい」

国王陛下と王妃様はそのまま先代であるご両親の元へ。


「アスカ様、未亜様、今日はスイーツもたくさんあります、見に行きませんか?」

「はい、行きましょうか」

未亜ちゃんもスイーツ好きだし、いいね。



「王女様のお気に入りのスイーツ教えて下さい!」

未亜ちゃんも王女様にはだいぶ慣れたみたいで自分から話しかけてるし、安心だ。


「そうですね、これとか好きですよ」

「わぁ〜可愛いです」

「未亜様もどうぞ」

「ありがとうございます」

ビュッフェ形式だから二人は楽しそうにスイーツを選んで取り分けてる。


私も少しだけもらおうかな…。

種類が多いから悩むなぁ。

「お姉ちゃん、はい! コレ王女様のオススメ。美味しかったよ」

そう言って小皿に乗ったチョコケーキみたいなのを渡してくれる。


「ありがとう、未亜ちゃん」 

「うんっ」

私にケーキを渡したらまた王女様とスイーツ選びに戻っていった。


ほんとだ…美味しいこれ。チョコケーキにベリー系のソースが合っててすごく美味しい (いいなぁ…)



「ちょっと、貴女。ケーキなんて食べてないで顔貸しなさい」

ん?

あぁ、王妃様の妹の…。なんかめんどくさいことになる予感しかしないけど。

「聞こえないの?ついてきなさい」

やれやれ…。 アリアさんはっと。気がついてるね。 頷いてくれた。ならいっか。




晩餐会をしてるホールを出て、廊下をかなり歩いてる。

「どこへ行くんですか?」

「黙ってついてきなさい」

はいはい。


たどり着いたのは、これまた大きな扉だなぁ。お城ってどこもこんなだよね。

「ここよ。ここで私と魔法で勝負しなさい」

そんなことだと思ったよ…。






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