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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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ドワーフ



ーーーー

ーー



「便利だよね、これ。あたしも一つほしいって言ったんだけど、アキナお姉ちゃんに却下されちゃった」

転移魔道具をトゥーナさんには渡してはいけないって事ですね、わかりましたアキナさん。


夕波城へ直接飛んでいいと言われていたから、以前に朱さん達と暴れた本丸前の広場へ来た。

「私はまず夕波陛下にご挨拶してきます」

「それならあたしも! 紹介してくれる?」

「お会いしてないのですか?」

「うん。前にハルナお姉ちゃんについてお城までは来たんだけど、商談だから待ってろって言われて、ずっとお茶飲んでた」

あまり会わせない方がいいのだろうか?でもお邪魔しているのに挨拶しないわけにもいかないし。



「アスカ様、陛下は本丸御殿でお待ちです。ご案内します」

ふっと現れたのは白さん。背が高くなったね…。前はリアくらい小さかったのに。

「白さん、お久しぶりです」

「その節は本当にお世話になりました」

「いえいえ。体調は大丈夫です?」

「はいっ! 体型もお母さんみたいになってきたんです!」

そう言って胸を張る白さん。つい目線をやってしまったけど、お母様でもある朱さんがどうだったか記憶してない…。 (でっかいよ! ママほどではないけど)

あ、はい…。


「すごっ…忍びってやつだよね!」

「は、はい! トゥーナ様のご来訪も陛下に伝えてありますので、ご一緒に」

さすが忍び。転移してから間もないはずなのに。


白さんと少し話しながら本丸御殿にお邪魔したら、入り口で夕波陛下が待っていてくれた。

「アスカ殿! よう来てくれた。どうぞどうぞなのじゃ!」

「ありがとうございます、お邪魔します」 


以前、食事会をした広い部屋に案内されて、陛下にトゥーナさんを紹介。

「ハルナの妹殿か…。ドワーフのゴタゴタを持ち込んだ本人じゃな?」

「そ、それは…すみません…」

「まぁよいのじゃ。 夕波王国としてもドワーフとの付き合いはあるし、あ奴らが揃って出てくるなんぞ、天変地異でも起こるんじゃないかと思っただけじゃから」

そう言って笑う夕波陛下。ドワーフどれだけ引きこもりなのよ…。


「今、ドワーフの人達はどこにいるのですか?」

「アスカ殿が来られるまでは客人扱いでここに滞在してもらっておる。じゃがあ奴ら、じっとしとれんタチなのか、ずっとなにやらやっておってな」

職人気質の弊害なのだろうか…。


夕波陛下は”アスカ殿も忙しいじゃろう?“と直ぐに白さんに命じてドワーフへ繋いでくれた。

本丸前の広場に出て待っていたら、厳ついおじさんがいっぱい集まってきた!! (むさくるしい…)

うん…申し訳ないけどちょっと外見の威圧感がすごいわ…。筋骨隆々で髭モジャのおじさんの団体は正直キツイ…。


「こちらがアスカ殿じゃ。 ドラゴライナ王国の王女じゃから無礼のないようにな。馬鹿な真似をすればすぐに報告が行くのじゃからな」

「小娘ではないか…」

「おい、トゥーナ殿! どうなってる? 俺達は職人を連れてきてくれと言ったはずだ」

「はぁ…。 この子で間違いないし、あたしの姪っ子でもあるんだから言動には気をつけなさいよ? 最悪、この子の母親でもある蒼白の巫女がドワーフの街を滅ぼすよ?」

「それはやめてくれ!!」

「じゃあ本当にこの娘が…?」

うちの母さんの扱いに疑問を感じるのだけど、今は聞き流しておこう…。 (暴れたら大陸すら沈めるので有名)

対魔王戦の話ね…。 (ママもやったよね)

そんな事もあったかな? (あったよ何回も)

忘れようねー。 (あ、あい!)

しかもあれは対話にもならない魔王が率いる魔族との戦闘の結果だからね。 (ママが最終手段を取るくらいだからよっぽど)



ヒソヒソと何やら相談していたドワーフは、代表の人なのか一人が歩み出てきた。

「じゃあこれで武器を作ってくれ! すぐに出来るか?」

ドワーフに渡されたのはミスリル鉱石と、これ、ヒヒイロカネ?また珍しいものを…。

「なにか希望があるのですか…?」

「任せる」

これは試されてるな。おそらく、それぞれの金属に適したものを作れって意味だろう。

いいよ、やってやろうじゃない。 (ヒヒイロカネって?)

これは日本にも伝承としてお話があるけど、私の知っている物は、赤みがかっててものすごく固く、加工が難しいってやつだね。これもそう。 (ほえー)

対してミスリルは魔力効率が高い分、強度は落ちる。基本は魔力を流して強化するのが前提。 (ティー達の魔刀はアスリルになっててカチカチ)

うん、私の魔力でこねくり回してたからそうなっちゃってるね。

普通、金属は硬いと切れ味は良くなるけど折れやすい。柔らかくて粘りがあれば折れにくいけど切れ味は落ちる。

刀はその二つの特性をうまく利用したものなんだけど、魔法のある世界ではその常識の範囲だけには収まらない。



だからここでヒヒイロカネを刃にしてミスリルで粘りを…なんて単純な事をしたら笑われかねない訳で…。 (じゃあどうするの?)

うん、少し考えてみる…。真似できなくて、驚かせられるもの…か。 (魔力ドームで作る時点で真似はできないと思うけど…ってママ真剣に悩んでて聞いてないや)








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