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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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伝える側



ちょうど仕上げも終わったタイミング。

部屋をノックする音に返事をしたら、顔をのぞかせたのは聖さん。


お屋敷にいる時はメイド仕事もしたいと言って、ノアが見てくれてるはずだけど…。

あっ、魔力循環に関してかな。

私が屋敷に帰って直ぐはメイドとして忙しそうにしてたから、こちらも用事を済ませておこうと思って後回しになってた。


「もうよろしいでしょうか…?」

「うん、ごめんね。ちょうど手も空いたから、試してみようか?」

「は、はいっ!」

聖弥くんに先んじてっていうのもどうなのか悩んだけど、あちらはユウキに任せたんだし、タイミングはユウキに任せるつもり。


聖さんと両手を繋ぎ、床に座る。

魔力循環について、方法や結果どうなるか、そういったものをしっかりと説明をして、魔力循環開始。

一応、遠いとはいえ親戚だから魔力の質に似ている部分があるのがわかる。

「ふぁぁ…っ…んっ…アスカさまぁ…っ…」

これだけはどうにもなんないのが困りどころ。みんな必ずちょっと見てられない感じになるのよね…。 (R18)

誤解を招く言い方しない。そこまでではないでしょう! (馬車のママは?)

ティー、それはもう忘れようね?いい子だから。 (は、はいっ!)


魔力循環後、気を失ってしまった聖さんを念の為鑑定…。 (どう…?)

「もうホントなんなんだろうねこれ…。全魔法適性、魔力総量の大幅増加…」 (しゃーなし)

それ以外に不都合は………。 見てない。私は何も見てない。 (なに!?)

………。 (おーしーえーてー!)

内緒にしといてよ? (あい!)

称号に、魔王の親戚。 魔王を愛したメイド。 魔王の寵愛を受けしメイド。  (普通だった…)

これが普通なもんですか!! (効果は?)

まず親戚のほうね。こっちはステータスにバフ効果。婚約者に比べると少ないけどね。 (メイドは?)

こっちは聖さんが嬉しい効果かも。どちらもメイドとしての技能が上がる。 (おー! お料理美味しくなるかな?)

多分ね。どちらも基礎に対してバフ効果は割合だから、料理にしても元のレベルが高くなるほど効果も高くなるね。 (ノアとかユリネさんが妬きそう…)

だから言えないのよ! いい?秘密だからね。 (あいあい)


ユリネさんは既に婚約者でバフ効果はついてるけど、メイドとしての矜持があるだろうし…。

ノアに関しては召喚獣ってのもあって私の力の影響をそのまま受けてはいても、多分それで納得はしないと思うから…。

下手したらストレリチア様達も対抗心を持ちかねない。 (メイド戦争だー)

怖いこと言わない。 (ピナさんは?)

忍びメイドとしては私に付いてくれているけど、アキナさんの奥様なのだから大丈夫と思いたい…。



………

……



中々起きない聖さん。

不安になって再度鑑定したら、魔力が更に増えてる。

どうやら馴染むまでの間は増え続けてるっぽいな…。鑑定をかけたままにして確認してみたけど、案の定徐々に増えてる。

少しずつ増える量が減ってきたな、と思ったら聖さんが目を覚ました。

「んんー…。 あら…わたくしは何を… あっ…/// アスカ様…」

思い出したように真っ赤な顔して名前を呼ばないで。誤解を招きそうだから…。


「聖さん、体感で違和感はない?」

「は、はいぃぃ…アスカ様に包まれるような安心感と幸せは忘れられません…」

「誤解されかねないから大きな声で言わないように! どこか痛いとか変な感じはしない?」

「えっと…そういうのはありませんわ。 あの…上手くいきましたのでしょうか…?」

「うん、魔力は跳ね上がったし、全魔法への適性も手に入れたからこれからはどんな魔法も使えるよ。だから、学園できちんと学んで、安全に魔法を使えるようになろうね。もちろん私も協力するから」

「ありがとうございますわ! これでわたくしも皆さんと同じように学べます!」

嬉しそうで何より。私はこれから見守るという責任がまたひとり増えるけど、この笑顔が見れたのならよしとしよう。


メイドの称号に関しては取り敢えず聖さんにも黙っておいた。

本人が頑張っているのに、称号のおかげで上達したなんて思ってほしくはないから…。

「あ…どうしましょう…」

「うん?どこが違和感でもあった?」

「いえ、そうではなくて…。わたくしだけこのように魔法を使えるようになってしまっては、聖弥は…あの子に申し訳なくて…」

「それに関してはごめんね。 聖さんの聖魔法適正をカモフラージュするためとはいえ、私の独断で決めてしまったからね」

「そんな! アスカ様には感謝しておりますわ!」

「聖弥くんの修行は弟のユウキに任せてるから…。聖さんも弟がいるならわかってくれるかな?と思うけど、一度任せたのに横から口出しをしたくはないの」

「勿論それはわかりますわ! わたくしもあの子が始めると決めた事を応援はしても余計な口出しはしないつもりですし…」

「うん、だからね。二人が”今だ“っていうタイミングで話を持ちかけてくると思うから、それを私達は待とう?」

「はいっ!」

多分ユウキも聖弥くんも、私達が今回決めた事を理解してくれると思うし。

羨ましくは思われるかもだけど…。ただ、まだ幼い聖弥くんには慎重になる必要があるから…。


大人が道を踏み外すのは自己責任だけど、幼い子の道を踏み外させてしまった場合は、師や保護者の責任だから。

そうさせない為に私達は気をつけなくては…。とはいえ、ユウキの事だから厳しくしすぎたりもしないだろうし、近いうちに相談に来そうな気はするけどね…。








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