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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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晩餐会 壱

閑話前のお話の続きになります。




大きな扉の前でユリネさんが止まる。

扉の前にはドレス姿の女性が一人。


「こちらになります。私は給仕等がありますのでここで失礼します。 ここからはアリア様にお任せ致します」

「任された」

おーアリアさんのドレス姿だ。すごい新鮮。剣は持ってるし動きやすそうなドレスではあるけど…。


「アリアさん凄くキレイですね。ドレスがよくお似合いです」

「そんなっ…アスカ様達に比べたら。  …ありがとうございます」

なんか未亜ちゃんに脇をドスドスとつつかれてるけどなにかな?

いや目を合わせないよ?私学習した。今の未亜ちゃんは絶対目が笑ってない。


なので。未亜ちゃんの手を私の腕にかけて、腕を組んだ状態にした。

これでつつけないでしょ。

「あ…ぅ」


「では、ご案内いたします」

「お願いします」

どうしよう…すっごい人が沢山いたら逃げていいかな…。

腕を組む未亜ちゃんからも震えが伝わってくる。

…私がしっかりしなきゃ!


「未亜ちゃん、傍にいるから大丈夫」

「うん」



アリアさんが大きな扉を開く。

そのままエスコートされるように中へ。


あれ?確かにそんなに人はいないな。

アリアさんのように剣を持ったドレス姿の女性が数人。

後は品の良い、少し年配の男女が二組。


それ以外は忙しく動いてるメイドさんや、きっちり武装した騎士様が壁際に数人。

それから、いかにも魔術師! って感じの服装をした人。

後はやたらキラびやかな真っ白いローブを着た女性。

ねぇ…これなんの集まり?


「アスカ様、暫くしたら陛下が入室されます。その後お客様に紹介されるとの事なので、ここでお待ちください」

ひぃぃ…こういうの何度やっても苦手なんだよ。

やだぁ〜お部屋帰るぅ。


「お姉ちゃん、大丈夫?」

「はっ…う、うん。こういうの苦手だけどね」

もっと人が多い中での凱旋パーティとかもあった。それに比べたら…。

うん、大丈夫。未亜ちゃんもいてくれるし。



そんな葛藤をしてたら国王陛下に、王妃様。王女様にあるある王子がホールへ。


一段高いところに並んだあと国王陛下が話し出す。

「待たせてすまないな。とはいえ今日は身内同然のものしかおらぬ故、そう畏まることもないのだが…。数人、客人を招いておるので紹介させてくれ」


「アスカ様、未亜様ついてきてください」

「は、はい」

アリアさんに促されついて行く。


その後、国王陛下によって紹介された。

曰く、魔道具の発展に尽力した。

曰く、王女の魔力不調を改善させた。

曰く、ギルドに蔓延る悪を成敗し、今日また消えゆく命を救った。

もう許して…。顔を抑えてしゃがみ込んでしまう。


「陛下、それくらいで…アスカちゃんが限界よ」

「う、うむ。そうか…、後は各々歓談して自己紹介してもらうとするか」

「そうですわね。それがよろしいかと」



「アスカ様お疲れ様です。大丈夫…じゃなさそうですけど、おそらく挨拶に皆さん来られますので、もう少し頑張ってください」

「うぅぅ…」

国王陛下のばかぁ… (魔王のなのに笑)



私の状態を気遣ってくれたのか最初に王妃様が王女様と王子を連れて来てくれた。

「アスカちゃん、大丈夫?ごめんなさいね。シルフィの事もあって、陛下は本当に嬉しかったみたいで。 許してあげてくれる?」

「大丈夫です、落ち着きました。 すみません失礼な態度になってしまって」

「いいのよ〜。アレはあの人が悪いわ」


「久しぶりであるな。我が友よ。元気そうで何よりである」

「お久しぶりです、王子様。あれからもうおかしな召喚はしてませんか?」

「うむ、最近は姉上と魔法の勉強をしているのである」

「それは良かったです」


「弟が姉を差し置いて先に話しかけるのはダメですよ?」

「我は親友なのであるから、姉上とはいえ、譲れぬのであるな」

「むー。私なんてアスカ様の魔力で…」

「王女様! ストップです。そのお話は…」

未亜ちゃんが止めくれてよかった。

魔力の循環の話はあまりしないよう王妃様に言われてるからね。


「はっ…つい。未亜様ありがとうございます」

「いえいえ。 えっと…王子様、私は未亜といいます。お姉ちゃ…アスカの妹です」


「これは、丁寧に痛みいるのである。我が名はジルス。アスカ殿の親友である」

「よろしくお願いします」

「こちらこそなのである」

あるある王子が前より健康そうになったし、元気そうだね。良かったよ。



「じゃあ、アスカちゃん落ち着いてるみたいだし、みんなに紹介するからついてきて。みんな身内みたいなものなのはホントだからあまり緊張しなくて平気よ」

「は、はい」

そうは言われましても…ね?




「まずは〜私の両親です」

王妃様に最初に案内されたのは…え?王妃様のご両親?

「あらあら〜。この子が貴女が話してた子ね?こんにちわ。セルフィのママです」

「は、はい。アスカです。よろしくお願いします。こっちは妹の未亜です」

「未亜です、よろしくお願いします」


「ワシはセルフィのパパじゃ! よろしくの」

「は、はいっ。よろしくお願いします」


ビックリした。すごく気さくでホントにビックリした。

少し話したけど話しやすくて穏やかなご夫婦だった。

優しい雰囲気は王妃様と同じだね。



「ごめんね、大事な人達を2番目にしちゃったから催促の視線がすごいわ。行きましょうアスカちゃん。 パパ、ママまた後でね〜」

「はいはい〜またね〜」


「うちの両親、パパ、ママって呼ばないと拗ねるのよ?」

「失礼かもですが…すごく気さくな方達で話しやすかったです」

「良かったわ。だから最初にしたのだけどね。うちの両親、堅苦しくないから緊張しなくてすんだでしょ?」

「はい。ありがとうございます」



となると次は予想できてるけど聞くのが怖い。

「次は先代の国王陛下と王妃様よ。と言ってもお優しい方達だから大丈夫よ」

「は、はぁ…」

ハードルが一気に上がった気がするのだけど。



お二人の前に到着するなり王妃様が詰め寄られてる。

「ひどいわ。セルフィちゃん! 私達を2番目だなんて。私も早くお話したかったのよ?」

「すみません、お義母様。アスカちゃんがまだ緊張していたので、うちの両親なら緊張せずに済みますから」


「あ〜。なるほど。 そうね、穏やかで気さくな方達ですもの。そういう事なら仕方ないわ。なら私も…。こんにちは、アスカちゃん。私が国王のママよ〜」

「え!? はい。アスカです。こっちは妹の未亜です」

「未亜です。よろしくお願いします」

「こんな感じの挨拶じゃなかったかしら?」

ビックリしたぁ…。

「ならワシも。国王のパパじゃぞ〜。よろしくの」

えぇー?!軽っ。


「アスカです。よろしくお願いします」

「未亜です。よろしくお願いします」

ほとんど同じ挨拶をされてしまった。


「どう?セルフィちゃん。似てた?似てた?」

「はい。ほぼそんな感じでしたわ」

そう言って笑い合ってる。仲いいんだね。


「ワシも似とったじゃろ?」

先代の国王陛下に突然振られてびっくりする。

でも気さくに話しかけてくださるおかげであまり緊張しないですむ。


「はい、びっくりしました」

「ほっほっ。まぁ先代とはいえ、今はただの隠居じゃ。そう緊張せずともよい。せっかくの美人が勿体ないからの。笑顔じゃよ」

「はい。ありがとうございます」



暫くお二人とお話したあと、王妃様に促され移動することになった。






今回予約投稿になりますので、次話が一時間後に上がる予定です。


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