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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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再留学



優先すべきことは済ませたから、次は子供たち用の設備かな。 (まってましたー!)

お屋敷の三階に空いてる部屋の一つをゲーム部屋にして、庭にはアスレチックを作成。

私達が学校に行っている間にアルフィー達が退屈しないようにしておく。

王妃様は外交も兼ねているから、お城へ行ったりとかでお屋敷を空けることも多くなるかもしれないし。

アリアさんは当然王妃様について行くだろうから、お屋敷の警備はチョコ達召喚獣が主軸になる。

会話のできるキャンディとノアは他のメイドさん達との仲介もできるから特に重要になるのは言うまでもない。


「ますたぁ〜学園には私達を連れて行ってはくれないの〜?」

「前みたいに一人だけは来てくれると嬉しいかな。召喚科にも行くからね。授業の内容によっては来てもらう子が変わる場合もあり得るから、そのつもりで居てもらえるとありがたいよ」

「わかったわ〜」

今はまだ召喚科で何をするかわからない状況だし…。もし直接召喚獣からの話を聞きたいとかだったら、こちらも会話のできるキャンディーかノアに頼む事になる。



空が赤らみ、時間的にもそろそろ学園が終わるから、モルチアナ達も帰ってくるはず。

屋敷にいるメイドさん達は夕飯の仕度を始めてるのか、いい香りが…。


私は一度、部屋に戻ろうかと屋敷内に入ったらロビーでシルフィーに呼び止められた。

「アスカ様、私はその…一緒のお部屋でもよろしいでしょうか…」

「うん、シルフィーがいいのなら大丈夫よ。お屋敷の敷地内なら安全は保証するからね。荷物、私の部屋に運ぶ?」

「はいっ、ありがとうございます! そういえばこちらも幼い子が働いてるのですね。先程可愛らしい子を見かけました。見習いですか?」

「幼いっていうと獣人の子かな? ちょっと色々あってね…」

移動しつつ以前の出来事をシルフィーに話してあげてたら、ちょうど話題に上がってた獣人の子がパタパタと走ってきて挨拶してくれた。

不便とかもしてないようで、メイドのみんなとも仲良くやれているときいて安心。


「本当に可愛らしいですね…。ですが、お手つきにしてはだめですよ?」

「あのね、シルフィー。私の事をなんだと思ってるの? 私から手を出した相手が今までにいる!?」

「……そう言われれば、アスカ様は常に受け身でした」

まったくもう! 風評被害もいいところだ。 (ママ激おこ)

そんな怒ってはないよ。凹んでるだけ。


グリシア王国のお屋敷で私達が使う部屋は、三階の一番大きな部屋。

室内は空間拡張をして、シャワールームや洗面所といった水回りに関する部屋の追加、各種魔道具も設置。みんなの使い勝手が良くなるように変更してある。

当然ベッドも多いし、大きな掃き出し窓の外には広々としたバルコニー。

そこにテーブルセットも設置して、お茶をしながら庭で遊んでいるうちの子達を見渡せるようないい部屋。


シルフィー専用の棚とベッドも用意して、しばらく滞在しても困らないように配慮。 (多分ベッドは…)

言わないで。どうせ巨大化してある私のベッドにみんな来るって言いたいんでしょ? (うん!)

ティーとリズもいるから大丈夫だろうけどね。

旅館の部屋に布団を敷き詰めて寝たのと似たようなものでしょこれ…。 (修学旅行!)



荷物の整理をするシルフィーを眺めてたらピナさんの気配。

「お嬢様、ドラゴライナ王国からのお客様の部屋は準備が終わり、ご案内させていただきました」

「ありがとう。一晩だけとはいえ、のんびり過ごしてもらいたかったから助かったよ」

お二人に付いてるメイドさんもピナさんの同僚だから、屋敷が変わったとしても慣れたもので手間もなかったそう。さすがプロ。


学園から帰ったモルチアナとサラセニアとも再会、また一緒に学園に通えると喜んでくれたから来たかいもある。

お屋敷にいる間はメイド仕事があるからあまりゆっくりはできないけど、会おうと思えばすぐに会える距離に居るのは嬉しいと言ってくれて、ノアとピナさんが不機嫌になるくらいには世話を焼いてもらってしまった…。 



翌朝、学園街のお屋敷に移動するサツキさんとシヅキさんを案内がてら、うちの子達と今回初めて学園に通う子達も一緒に学園街へ。

初めての子は入学の手続きもしなきゃいけないし、今日は学園にも顔を出す予定。


奈々達は馬車での移動中も学園街に入ってからも興奮しっぱなし。

アクシリアス王国とは趣も全然違うから無理もないか…。

因みに、ティー達ちびっこ組はお留守番。今頃ゲームでもしてるんじゃないかな。 (あたりー!)

ティーとリズがいるから、アルフィーも遊び相手に困らないし、王妃様も少しは休めるといいけど…。かなりお疲れの様子だったから。


事前にドラゴライナ王国からの留学生の為に用意されたお屋敷を教えてもらっていたから、まずはそちらへ。

以前私達が借りたお屋敷だから慣れたもので、魔道具の設置も楽だった。

メイドさん達からも是非にといわれて、シャワーなどの水回りやキッチン系に、ドライヤーなど一通り用意。

サツキさんとシヅキさんにはものすごく感謝されたけど、アキナさんからも頼まれてるし、これくらいなら手間でもない。


お屋敷でお二人とは一度別れ、学園へ。

先ずは学園長でもある王妃様にご挨拶するために学園長室にお邪魔した。


奈々達は扱いとしては私の身内として…、つまりドラゴライナ王国からの留学扱いになるのだけど、以前のように書類等の必要はなく、完全な顔パス。

「賑やかになって嬉しいわ。生徒のみんなも楽しみにしているから、あなた達も楽しんでいってね」

「ありがとうございます。既に制服まで用意して下さってたのですね」

「ええ。アスカちゃんみたいに大きな手直しが必要ってわけでも無いでしょう?」

その節は大変お手数をおかけしました…。 (谷魔どーん!)


学園長の案内で学園内を見て回り、何人か見知った生徒にも会えたし、奈々達は通う事になる魔法科を見学。

訓練場で生徒達が魔法を使う姿をキラキラした目で見てたのは可愛らしかった。

麻帆や聖さんも子供みたいにはしゃいでて、聖弥くんのが大人しかったくらい。 

むしろ聖弥くんはユウキにあれこれ質問するくらいに真剣そのもの。


「姉ちゃん、またレウィは一緒に来てもらうけどいいよね?」

「うん。本人もそのつもりみたいだから、任せるよ」

いざとなったら聖弥くんを乗せて…って対応も可能だろうし。当の本人も冒険者科に行くのを楽しみにしてたから。

もう召喚獣のフリをする必要もないから、今度こそ楽しんでほしい。


それにしても…やっぱり学園の生徒が使う魔法は不安定よね。危なっかしくて…。 (でも内緒でしょ?)

イメージに関しては王妃様と約束してるからね。でも安定させるくらいはいいんじゃないかなぁ…。 (なるほど!)

一度、学園長に相談してみるよ。 (うん!)


そんな事を考えていたら、一人の生徒が放った火の魔法が暴発、慌てて魔法防壁で覆って対処したけど、手を打たなかったら火傷しかねない状態だった。あの子…大丈夫か…? (魔法の規模が小さい分まだ…)

だとしてもだよ。ケガとかすると恐怖心で更に魔法の制御に影響が出かねない。

下手したら魔法が使えなくなるなんて事も起こり得る。 (え…)

魔法はイメージだから。恐怖心が先に来ちゃうと魔法として発動できなくなるのよ。 (あー…)


これは早めに学園長と魔法科の先生に話したほうがいいね。最悪の事態が起こる前に…。










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