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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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再訪



ドラゴンの里で、一つおめでたい事があったとルナシアさんから聞いた。

それは、他所の里からこちらの里に嫁いでこられたウインドドラゴンの奥様が妊娠されてると。

今はご自宅でゆっくりされているそうで、もう結構お腹が大きいのだとか。


ルナシアさんみたいに卵じゃないんだなーと思ったけど、原因は私だった。 (ママが改装したから)

そう。洞窟だった家が人として住みやすい環境になったから、今は人の姿のまま過ごすドラゴンが増えてて、その影響らしい。

人の姿になってるとはいえ、ドラゴンの妊娠期間は人より短いそうで、近いうちに生まれるみたい。

王妃様もイレギュラーだったけど、普通の妊娠期間より短かったのはドラゴンの影響か…。


私がリアと出会い、事件を経てドラゴンが人との共存を考え、友好宣言をし…。

その過程で出会ったドラゴンのお二人が結ばれ、お子様が産まれる。

色々な縁が重なって”今“があるんだなぁと思うと感慨深い。 (だいたいママが関わってる)

…言わないで。良くも悪くも影響与えてしまってるのは自覚してるから。 (悪くはなってないし)

だといいのだけどね…。


ルナシアさん経由で渡してもらえるよう、フィアの時に作ったのと同じベビーバスケットとクッションを預けておいた。

角を貰ったおかげでアクシリアス王国の船ができたのだから、お祝いは渡したい。

デリケートなタイミングで私がお邪魔するのは避けたいからね…。



フィアとニレの学校へ行く話は、長老様達と相談するそう。

どちらにしろ学校もまだ始まってないし、慌てる必要もないだろうから。



ルナシアさん宅をお暇し、みんなが集まってるという子供たちの遊び場へ移動。

アルフィーがアスレチックをかなり気に入ったようで、遊び回ってる。

ここにしかないし、新鮮なんだろうなぁ…。

グリシア王国のお屋敷にも用意してあげるといいかも。アキナさんの学校にも置いたら子供たちが喜ぶかな。


「アスカちゃん、ここだったのね」

「王妃様、ご用事は終わられましたか?」

「ええ。ご挨拶といくつか報告があっただけだもの。 それにしてもこれ、すごいわね。間違いなくアスカちゃんよね?作ったの」

「…はい」

こちらには無いものだからバレても仕方がないか。


「うちにも遊具作ろうかしら…」

「お城にですか?」

「ううん、街によ。子供たちが遊べるものって本当に少なくて…」

確かに異世界って遊べるものが極端に少ない気はする。 でも…

「こういった遊具はケガの原因にもなりますから…。これはドラゴンの子基準のものですし」

「確かに高さとかかなりあるものね」

「ええ。ドラゴンの子はまずケガをしたりしないのでいいですけど、人の子が遊ぶには保護者が必須ですね」

「そうなの? じゃあアルフィーも…」

「基礎的な身体能力とか防御値が人とは桁が違いますから」

「確かにそう聞くと納得だわ、あの子もステータス高いもの」

「人の子基準にするのなら高さを抑えて、落下しても危なくないよう対策もしつつ、保護者が見ておく…それくらいしていても怪我をする可能性は無くなりませんから。子供って何するかわかりませんし…」

「ええ、最近身を持ってよーくしってるわ。うちは上の二人が大人しかったから余計に…」

なるほど…。アルフィーやんちゃしてるのね。 (それはもう)

元気が一番だけどね。


遊ぶみんなを見ながら、もしアクシリアス王国に遊び場を作るのなら…って話で王妃様と盛り上がった。



そんな事があったドラゴンの里も午後にはお暇して、グリシア王国のお屋敷へ。

幼い子達は遊び疲れてうとうとし始めたから…。

これは、アキナさんの学校でもお昼寝時間は必須かもしれない。 (ママが先生目線に)

本当に先生を任されるかはわからないけど、情報自体は多くても困る事はないからね。


ーーーー

ーー


グリシア王国へ転移後、私と王妃様は迎えとして待っていてくれたストレリチア様と一緒に一度登城。

私はまたしばらくお世話になるとご挨拶だけしてお暇したけど、王妃様はしばらく滞在されるそうなので、私は先にストレリチア様とお屋敷に戻る。

「学園を休ませてしまってごめんね」

「いえ! アスカ様も王妃様もお見えになるのですからお迎えするのは当然です」

「ありがとう。お世話かけちゃったね」

「とんでもないです! あの…今回は暫くこちらにいてくださるのですか?」

「そうですね。お話した通り、学園にもまたお邪魔したいので」

「嬉しいです!」

そう言ってくっついてくるストレリチア様。 (また馬車の中で…)

思い出させないで…。師匠のせいで変に身構えちゃう。

「アスカ様…?」

「はい!?」

「緊張されてます?」

「ええ…まあ…」

「ふふっ…力を持った方ですのに、お可愛らしいですね。なんだかいたずらしたくなってしまいます」

やめよう?本当にそういうのはまず心の準備をさせて…。 (わぁー!)


幸いだったのは、お城からお屋敷までが近かったことだろうか。

おかげでストレリチア様が暴走する前に到着。 (ちぇー)

そこ、期待しない! (またスクープかと思ったのに) 

やめなさい…。ゲーム置いてあげないよ? (それはずるい!!)

じゃあいい子にしてて。 (あーい)


ご挨拶もすませたし、お屋敷で先ずするのは… (ゲーム!)

申し訳ないけど、それはもう少し後。チョコ達を喚んであげたいの。 (おー。ティーはもうプリンと一緒!)

ドラゴンの里で喚んでたね。 (うん!)


お屋敷の庭で召喚したチョコ達とスキンシップ後、警備をお願いしておく。

幼いアルフィーもいるから万が一があってはいけないし…。

「ますた〜、私も〜?」

「そうね。ただ、魔道具で魔法防壁も張ってあるし、もしもに備えてて欲しいだけだから、みんな基本は自由にしてていいよ」 

「わかったわ〜」

「私はメイドをしていてもよろしいですか?」

「うん、ノアはその方が本来の力を発揮できるでしょ?」

「はいっ。ではそちらはお任せください」 

「お嬢様、我々も仕事にとりかからせていただきます」

「あ、ピナさん待って」

「はい?」

「ドラゴライナ王国から留学されたお二人は、明日学園街のお屋敷に行くことになってるけど、今夜はこちらで過ごしてもらうの。お部屋とかの準備を頼める?」

「では、そのように…」

「お願いね」

よし、後は王妃様の滞在場所だね。

こちらに関してはユリネさんとアリアさんに話しておかないと…。


みんなは庭の簡易フィールドでステッキを持って遊んでるし、今のうちに必要な事は済ませておこう。

「アリアさんとユリネさんには王妃様方の滞在される部屋を案内しておくね」 

「はっ」 

「大きなお屋敷ですね…」

「うん、だから部屋数は多いし、二人にも部屋は使ってもらうからね」

今回、使ってもらうのは二階の一角。

普段、二階部分はドラゴライナ王国からこちらに常駐しているアキナさんの奥様達に使ってもらっているのだけど、使われてない部屋のが遥かに多くて…。

アキナさんからもそこを使ってもらうようにって指示がでてる。


元々客間として作られてる部屋も多いから、隣には従者用の部屋もあって都合がいいし、水回りも魔道具等を設置して使い勝手は向上させてある。

勿論大浴場を使ってもらってもいい。 (ここ、大きなお風呂二つあるし!)

一応、男女で分けてるからそれだけは伝えておかないとね。


「王妃様とアルフィーで一部屋、シルフィーに一部屋。護衛や従者用の部屋は隣接してるから、そっちも自由につかってね」

「ありがとうございます。 しかし…おそらくシルフィー様は…」

「…うん、その場合は私が責任を持って護衛しておくよ」

多分、私達の部屋に来ちゃうと思うし…。 (アルフィーも来ると思うよ?)

ティーとリズもいるからね、それも考慮してる。


「キッチンは一つしかないから、食事はみんなで食堂でもいいし、お部屋に運んで貰ってもいいから」

「かしこまりました」

「他に何かわからない事とか大丈夫? 平気そうならそれぞれ担当の人達との顔合わせをするけど…」

「大丈夫です。お願いしたかったのはそちらでしたから…」

だよね、警備するアリアさんは特にだろう。

ユリネさんもメイドさん達に紹介しておかないと動きにくいだろうから…。










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