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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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ニューゲーム



うちの子たちが遊んでて賑やかになったから、当然アキナさん達も気がつくわけで…。

遊んでいる様子を見ただけでルールを把握してしまうのは流石としか言えない。


よし、じゃあ今のうちにもう一つのゲームも準備しておくか…。



こっちも床に映すタイプだけど、多分今までのゲームの中で一番難易度が高い。

ステッキを使う射的の派生みたいなつもりで作ったから…。

「お母様? これはなんですか? わぁ…床が夕波王国の海みたいなのです! お魚がいっぱい泳いでるのです!」

幼いリズがパッと見てそう判断してくれたのなら成功かな。


「そうだよーリズ。 一緒にやってみようか」

「はいなのです!」

「ステッキもってるよね?」

「どっちのですか…?」

「景品のステッキのが使いやすいと思うよ」

インジケーターがつけてあるし…。

「わかったのです!」

ゲーム自体が子供用だから当然、射的の景品でも遊べるし、うちの子たちならサバゲー用のステッキを持ってるからそれでも遊べるようにはしてある。


リズが持ったのは景品のステッキ。素直でいい子や…。

「じゃあ、お魚が泳いでいるところに向かって、いつもみたいに光を飛ばすイメージで撃ってみて?」

「はいなのです!」

さすがリズ。もうステッキは使い慣れてるからちゃんと水面に光が飛んで当たった。


「その光をよーく見ててね。光が水に沈むようにぴょこって動いたら、ステッキに魔力を込めて」

「はいっ…………きたっ!」

「上手いよリズ。そうしたら、水面の光の横に十段階のゲージが出てるの見える?」

インジケーターなんだけど、わかるかな…。

「積まれたブロックみたいなのですか?」

「うん。それそれ。 それが赤色に光ってるのわかるね?」

「今はよっつついてるのです!」

「それだよ。じゃあステッキに四つ分魔力を込めてみて?」

「よっつ…よっつ…。あっ、緑色になりました!」

込めた魔力がぴったりになると緑色に変化するようにしたからわかりやすいはず…。

ステッキ側のインジケーターもしっかりと4つ点灯している。


「その赤い光が増えたり減ったりするからそれに合わせて魔力を込めて…。そうそう上手だよ」

これ、所謂見下ろし型の釣りゲームなんだけど、常に魔力を込め続けなくてはいけない上に、変動するインジケーターに合わせて込める魔力を調整しなくてはいけない。

よくある釣りのゲームで言うなら、引っ張る魚に合わせて引く力を調整するような感じ。

泳いでいる魚は夕波王国の水中散歩で見た魚たちを元にデフォルメしてある。


「難しいのです…次はふたつ…」

「あと少しだからがんばれ、リズ!」

「むっつ…え、次はひとつ!?」

暴れる魚に振り回されている感じにちゃんとなってるね。

一応、内部的には魚の体力は全部60秒分で統一してあって、かかった魚のサイズで暴れ具合が違う。

基本は小さな魚のがおとなしくて暴れない分、釣るのは楽。ステッキの上限である10と9を行き来する程度になるから、かなり楽なはず。

サバゲー仕様のステッキだと、装弾数とかは関係なく感覚的に調整しなくてはいけないから、多少難易度は上がるかも…。それでも魚側にインジケーターがあるのだからそちらだけでも充分目安にはなる。

実際、リズも手元じゃなく魚側のインジケーターのみを見ているから、慣れてしまえばどちらでもいけるはず。


「わぁーつれたのです!! お母様、おっきなお魚が!」

「うん。上手だったよ。三十センチこえてるから大物だね」

「…ママ」

「ティーもやってみる?見てて遊び方はわかった?」

「うんっ!」

「リズももう一回やるのです!」

さすがティー、途中から説明を聞いてただけなのに上手く合わせてるわ。


「大きいの狙いすぎて、大変! ママ、ちょっと難しいのー」

「じゃあ、私が少しお手伝いしてあげよう。 ティー、かかってる魚の頭に数字が書いてあるの見えるよね?」

「うん、5ってなってる!」

「お手伝いする人は、魚に向かって5の魔力を込めた光を当ててあげると…」

私が撃った光が魚に当たり、動きが鈍くなる。プラスで当てた数字分、魚の残り体力…つまり秒数が減る。今は5当てたからマイナス5秒。

繰り返せば繰り返しただけマイナスされるのだけど、通常は魚の頭に出る数字は最大3回までにしてある。仮にミスしてもペナルティーはないし、再チャレンジ可能。楽しんでもらいたいのだから妨害になるのは避けたい。

回数制限をつけたのは、あまり周りが手を出してしまうと、自分で釣ったという達成感がなくなりそうだから。

この辺はみんなの意見を聞いて変更してもいいとは思う。


「あっ、暴れなくなったの! これならいけるかも!」

「こんな感じに周りから手助けもしてあげられるから、みんなもやってみる?」

リア達も見に来てるもんね…。トローリーパズルの方は大人に取られちゃったみたいだし。

アルフィーはまだパズルに夢中みたい。王妃様とアキナさんと楽しそうに走り回ってる。


「じゃあ、うちはリズちゃんのお手伝いするの…」

「シエル姉様、ありがとうなのです!」

「私は自分で釣りたいわ! 未亜、手伝って!」

「うんっ! いいよ!」

そこそこ広めに映してるフローリングの釣り堀は、あっという間にみんなの釣り場になった。


まだもう一つ秘密があるんだけど、出てくるかな…。

みんなで何匹も釣り上げて、スコアを稼いでたら突然画面に大きな魚影が。来たね…。

”ヌシ出現!“と画面に大きく表示。

真っ先に狙いに行ったのはやっぱりティー。

他の魚が逃げちゃったから、みんなも真似して狙い始め…。



最終的に上手くかけたのはティー。

”協力タイム突入!“の文字とともに音楽も激しくなる。今回は以前の2つとは違い、効果音だけでなくBGMもつけてある。

トローリーパズルの方はのんびりとした音楽で、こちらは明るめな曲。

「ママこれ何!?」

「隠しイベントみたいなもので、ヌシが出ると他の小さな魚は逃げちゃうんだけど、みんなで釣ってる人を手助けしてあげられるの。 ティーのステッキにかかってるヌシの頭の上にまた数字があるでしょ?」

「ある!」

「ええ…でも15とかおおきい数字よ?このステッキって10までよね?」

「リア、そこは協力するんだよー私が10にするからリアは5ね!」

「ねえ様、楽な方選んだわね! いいわ、せーので行くわよ?」

「いいよー!」

「せーの!!」

うまく二人で15を当てたからヌシは少し大人しくなる。


「今度は11! シエルとリズでやってみなさい!」

「はいリア母様! リズは6にするのでシエル姉様は5にしてくださいなのです!」

「…わかったの」

10と1にしないあたり、計算能力も魔力操作もレベルが高いなリズは。

二人もタイミングを合わせて見事に当てた。


見ていた子たちも順番に数字を当てていき、数字が大きくなれば三人とか四人で合わせたりと臨機応変に対応していく。

ほんと、適応能力スゴいわ。

ヌシだけは体力秒数も多いから、手助けする回数に制限はつけてない。



みんなのサポートもあり、おとなしくなったヌシをティーが見事に釣り上げ、ファンファーレと共に画面にはヌシのサイズとおめでとうの文字。

今回のヌシは海竜をデフォルメしたものが釣れてる。


ハイタッチとかして喜んでるから、協力タイプにして良かったよね?


当然慣れない子もいるけど…

「アスカ…これすっごい疲れる!」

「そうよね…みんなすごいわ。私なんて逃げられてしまったのに」

「わたくしも、まだ皆さんほど上手く扱えませんわ」

「これはわざと難易度を上げてるからね。先ずは射的から始めるといいよ。そっちも出そうか?」

「うん! 練習したい!」

元気な奈々に付き合わされるように麻帆も聖さんも遊びだす。

聖さんは当然魔力が少ない分早めに休んでもらわなきゃだし、奈々、麻帆もこちらに来たら魔力が増えるとはいえ、うちの子達と比べると少ないから無理しないよう気をつけてみておかないとな。








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