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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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帰る家



聖女関連の問題も片付き、振替休日の初日…つまり月曜の夕方に指定して帰宅。

仕事に行ってくれている父さんとレウィに夜ご飯を作ってあげないと。

遊びにでかけてる母さん達が間に合う時間に帰ってくる保証はないし…。


未亜とシエルに手伝ってもらいながら夕飯の仕度をしていたら、父さんとレウィが帰宅。

「主様、ただいまです!」

「おかえりレウィ。父さんの護衛ありがとね」

お店では相変わらず番犬のようにいてくれてるらしいから。

本人がしっかりと認識をずらす魔道具のオンオフを使いこなしてるのは意外だった。 (気分で切り替えてる)

魔道具が役に立ってるようでよかったよ。使われない魔道具も多いし…。



台所を覗き込んできた父さん。理由は言わずもがなだろうけど…

「アスカ、母さんはどうした?ユウキ達も居ないが…一緒にでかけたのか?」

「ユウキは朝からスピネルとデート。そろそろ帰ってくるけどね。母さんも朝からでかけてて…」

「…まさか浮気か!!」

まったく! 父さんじゃないんだから…。自分が浮気症な人ほど相手の浮気を疑うってのは事実なんだなぁ。やれやれ…ここはちゃんと仲裁しとくか。


「私から見ても母さんは父さんの事を大切に想ってるし、べったりだよ? そんな相手を疑うのは失礼だと思うけど」

「恋愛のレの字も知らん小娘が知ったふうに言うな。…ナツハは何歳になっても美人なんだぞ! 男がほっとくわけ無いだろうが!」

イッラァ…。こっちが下手に出ていれば…。 (まぁまぁ…)


「でも母さんってドラゴンハーフだし、地球(こっち)で無理やり連れて行かれる、なんてことはありえないもんね。 あっ、じゃあもし母さんが浮気したなら完全に同意の上ってことだー。 そっかそっかー」

「や、やめろ…。寝取られだけは耐えられん!」

知らないよ! 心配しないようにと気を使ったのにケンカ売ったのはそっち!


「お姉ちゃん、流石に言いすぎだよ…。お義父さん可哀想。もう泣きそうだしやめてあげて」

「私が悪いの?」

「そうは言わないけど…」

「ただいまー! 父さんのが早かったか。 って、どうしたのさ?めちゃくちゃ落ち込んてるけど」

「…どんよりしてる。闇に落ちた…?」

スピネルに言われると冗談に聞こえないから。そして落ち込んでるところをつつくのは流石にやめてあげて。


「ユウキーあのねー… ママが… それでママのパパが…」

ティーが説明してくれてるし、私は夕食を完成させよう。


「お姉様、大丈夫…?」

「うん、もう平気だよ。ごめんね、シエル。 さぁご飯作っちゃおう」

「はいなの…」

未亜は勿論、シエルもかなり料理が上達してきて、色々任せられるから随分楽になった。

うちは人数が多いし、みんないっぱい食べてくれるからね。作るのは苦でもないけど、量が多いから本当に助かってる。

今日はパスタを色々と作って、ビュッフェ形式で好きなものを自由にお皿にとって食べられるようにしてみた。

ペロンチーノ、ミートソース、カルボナーラ、ナポリタン等など…思いつく限り色々と作ったから、豪華だよ! (おーすっげー!)


「ユウキとスピネルも手を洗っておいで」

「はーい…今日も美味しそう。ユウキ早く…」

「わかったからひっぱるなって〜」

弟夫婦は誰か達と違って本当に仲が良くて安心してみてられるわ…。


「ほら父さんも手を洗ってきて。母さんが本気で浮気するなんて思う?一番母さんの事をわかってるのは父さんじゃないの?」

「…すまん。ちょっと取り乱した。確かにそのとおりだな。アスカにも悪いことを言った」

「私もちょっとイラッてして言い返したからごめん。みんな待ってるから早くしてね」

ティーもリズもフォーク持って待機してるんだから。 (はよー!!)

「アスカのかあ様の帰りを待たなくていいのかしら?」

「またアキナさん達と食べて帰るんじゃない?」

ひと言連絡でもくれればいいけど、母さんはスマホもあまり使いこなしてないからなぁ。



結局その日、母さん達が帰ってくることは無かった…。

当然だけど父さんは大荒れ。

はじめは心配してウロウロと落ち着かなかったけど、途中から不機嫌になり、最後には不貞腐れてやけ酒。

魔道具も外してるから酔ってるし…。地下の召喚阻止する魔道具の起動を最確認しておかないと。


「ユウキくん、お義母さんに連絡ついた?」

「ダメ。メッセージもコールにも反応なし。 何してんだよ母さん…。まさか本当に浮気…?」

それはあり得ないね。あの母さんだよ?しかもアキナさん達もいるのに。

限界まで探索を広げようとしたけど、異世界以上に情報量の多い此方では私が保たない…。

ぱっと判断できる範囲に母さんたちの魔力反応がないから、偽装してる可能性もふまえて探索したら波長程度しかない人も探索に引っかかるようになって情報量が跳ね上がり、倒れかけてティーに止められた。 (無茶したらだめ!)

ごめんよ…。こちらの人口は異世界の比じゃないんだった。

これだけ反応がないってなると、かなり遠くまで行ってると見ていいだろうな。


あの母さん達が事故や事件なんてあり得ないけど…。となると何故?

連絡すらしてこない理由が全く思いつかない。こちらからの連絡にも一切反応がないし。

スマホってストレージに入れててもわかる筈なんだけどな。 (マナーモードだったら?)

どうしようもないね。はぁ…


ユウキがお隣にも確認に行ってくれたけど、そちらも情報はなし。

もう本当にお手上げ。 (分体つけとくんだった…)

ティーは悪くないよ。一言連絡くれるだけで済むのにそれすらしない母さんが悪い。


夜中もとっくに過ぎ、流石にウトウトとし始めたリズとシエルは寝かせる。

「私が二人を見ておくわ。アスカ、無理したらいやよ?」

「わかってるよ。リアも眠かったら休んでね」

私も寝るか? でも万が一って事もあり得るし。とはいえ…どうしたものか。


「主様、ボクが魔力の匂いを辿ります!」 

「わかる?」

「はいっ!」

「未亜、家は任せるよ。その酔っぱらいは適当に寝かせといていいから。リアには伝えておいてね。もしも行き違いで帰ってきたら連絡だけもらえる?」

「うん…気をつけてね、お姉ちゃん」

「姉ちゃん、僕は行くからな?」

「そうしてくれる?頼もうと思ってたの」

「スピネル、家を…僕らの大切な人達を守っててもらえる?」

「…わかった。アスカお姉ちゃん、ユウキを守って…」

「任されたよ!」

ティーも本体は家にいてね。分体なら自由にしていいから。 (らじゃー!)



私はレウィを連れて、ユウキと家を飛び出した。







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