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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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文化祭で使う情報の整理



いつもどおりあちこちへ挨拶も済ませ、ノア達召喚獣ともしばしの別れ。

一度みんなを連れて地球へ帰ってきた。

戻ってきたのもいつもどおり、こちらを出た日の夕方。

今回、帰ってきてないのは両親と、ティア。それとピナさん。


両親はアキナさんの手伝いで、学校関連で忙しくなるからと。

父さんは、手伝うのは祭りだけじゃねぇのか…。って凹んでたけど、身から出たサビだし頑張れ。としか言えない。

ピナさんも同じ理由で忙しいらしく、今回は来ていない。

ティアは相変わらず常駐ドラゴンとしてアクシリアス王国にいて、時々シエルのお店を見てくれる。

また遊びには来てくれる気はするけど。


シエルも此方で服の制作を進めると張り切ってる。

注文がいっぱい入ってるからな。私も魔装にする時は協力するから、こら辺は共同作業になる。



魔力ドームで包んだまま、体調の確認。よし…。

「みんなの体調も問題ないよ。今日は泊まってく?明日はまだ日曜だし」

「泊まる!」

奈々は即答。麻帆も迷惑じゃないのなら…と。


遠慮しているけど、聖さん姉弟も泊まってもらう。

ユウキが聖弥くんの師匠になるって引き受けてくれたからね。 (ママの言ってたとおりだった)

でしょ?ユウキも師匠が違うとはいえ、厳しく教えられてるからね。


不安だったスピネルに関しては、なんか子供ができたみたいに喜んでない? (確かに…)

聖さんが寂しそうにしてるくらいには聖弥くんがユウキにべったりだから、スピネルと揉めなくてよかったよ…。

泊まるのもユウキの部屋へ行くらしい。私の部屋はテントを置くとはいえ、女の子ばかりだから丁度いいか。



今回もあちらへ長い滞在になったから慣らさないとな。

夕食の仕度を未亜としながら色々と記憶を掘り起こし、文化祭が近いなぁ…と。私も麻帆に習ってしっかり貢献しなくては。

「ねぇ、未亜のクラスは文化祭で何するの?」

「それが、まだ決まってなくて…他のクラスと被らないようにしようってみんな悩んでる最中だよ」

「なるほどねぇ…」

「お姉ちゃんのクラスは?」

「異世界カフェ…」

「ええ!?」

驚く未亜に、そもそも言い出したのは奈々だという説明と、今進んでる所まで話してあげた。

会話している間に夕食も出来上がり、みんなが手伝ってくれて配膳も済ませ、食卓を囲む。

冷蔵庫が空っぽだったから、食材は手持ちのものや異世界産の物だけど美味しくできたと思う。

未亜も本当に料理がうまくなったね。



夕食後、麻帆が文化祭の為にと集めた資料を見せてもらった。

……もうね、なんというか麻帆だわ。

よくこれだけ細かく見てるなってくらい、すっごい情報量。

異世界へ行ってるのをなるべくバレないようにと配慮してて尚、ノートにびっしり。

「ここから、クラスのみんなへ伝えるために数ページくらいにまとめたいのよ…」

「確かにすごい情報量だもんね」

「ええ。とりあえず書き留めたってのもあるから、重複とかも結構あると思うわ」

「それならちょっと待ってね、重複してるものや纏めてしまえるものは一括りにするから」

「え、ええ。そんな事すぐに…出来るわよね、アスカちゃんなら」

見たら記憶してしまうしなぁ…。


麻帆にも確認しながら取捨選択していき、ノート一冊分あった情報を十枚程にまで減らすことができた。

「ここまでしてもらえたら楽なものよ…。本当にありがとう」

「私だって同じクラスだしね。これくらいしないと」

今のところほとんどクラスに貢献できてないし…。


私達の作業を黙って見ていた奈々。大人しいな?とは思いながらも、構えずにいたのだけど…ついに限界だったのか、身を乗り出してきた。 (難しそうだから口を挟めなかったとか)

有り得そうね…。

「なんか面倒そうなことしてると思ったら、文化祭の? なら私にも見せて」

「いいわよ。これくらいに減らしたのなら奈々でも理解できると思うわ」

さらっとバカにされてないか? (ハハッ)


奈々は纏めたものをみながら、ここはつまんない。とか、ここは違う! と。

麻帆としては実際に体験したものをそのままにする訳にはいかず、配慮してるから…。

「秘密にしなくてはいけない部分もあるのは奈々でもわかるでしょう!?」

「そうだけど! 譲れないものもあるじゃん」

ケンカとまではいかないけど、口論を始めてしまい、私はオロオロとする事しかできず…。

どちらの言い分も理解できるから困ってしまう。


「うるさいわね。 せっかくのんびりした時間が台無しだわ。あの二人はなにを揉めてるのよ」

お風呂から出てきたリアがやかましいとご立腹。ごめんよ、止められなくて。

リアに二人が揉めてる理由を説明してる間も言い合いを続けてるし…。

「奈々がわからずやなのよ!」

「麻帆が頭硬いんだよ!」

「はぁ…もう。見せてみなさい」

見かねたリアが書類を取り上げて、ぺらぺらとめくる。

その中から数枚、抜きとってくしゃくしゃと…。

「リアちゃん!?それ大切なものなのよ!」

「アスカに不都合がありそうなものは却下よ。これだけでなんとかしなさい」

残りの束を麻帆に手渡すリア。

私はリアがくしゃくしゃにしたものを見たら、確かに…。異世界と私が繋がりかねないものが。

余程想像力を逞しくしなければ大丈夫だとは思うけど、クラスに拗らせていた子も何人かいたから…。 (絶対にないとも言い切れないの)

かも…。



「ありがとうリア、助かったよ」

「いいのよ。私だって学園祭は経験してるし、アスカの学校の文化祭も楽しみなのよ?でも、アスカの不利益になるのだけは許さないわ!」

リアの気迫に負けたのか、麻帆と奈々の口論も終わり、残った書類でなんとかするらしい。

そのタイミングで、“料理はできないから洗い物は任せてほしい”と言ってやってくれてた聖さんも合流。一緒に書類を見てもらった。

「メイド服の手配はできていますし、所作に関しても文字通り本場で体験してきたのでなんとかなるとは思いますわ」

「となると、後はクラスのみんなが用意してくれてる他の衣装や小道具かしら」

「カフェで出す料理の材料もだよ」

「そっちは問題ないわ。ほら、うちのクラスに家が小料理屋の生徒がいるでしょ?」

「ああ! そのツテ?」

「うん。安く仕入れさせてもらえるらしいわ」

なにそれ、私は知らない…。 

私自身この文化祭を通して、クラスのみんなともう少し交流持たないとなぁ…。

せっかくの機会だし、無駄にしないためにも。




翌日の日曜日はみんなでモールへ行って食品の買い物がてらぷらぷらとショッピングする事になり。

道中、お狐様にも挨拶。近況報告も済ませてきた。なんだかんだと毎週お邪魔してる気がする…。

毎回、リコに会いたがるのもお約束。話し相手がいないのかも…。 (一人暮らしのおばあちゃん)

なんて言い草…。 (だって!)

言わんとしていることはわかるんだけどね…。



モールでは私が服を買おうかなーって言ったものだから、張り切った未亜とリア、プラスで奈々や麻帆、聖さんまで本気モードになり…。

買った服はスカートを始めすっごい数になった。

私服登校の日に着ていかなきゃダメらしい…。

一応、私の好みを考慮してくれてシックなものが多いけど、かなり散財してしまった。

此方では異世界ほどお金があるわけではないから気をつけないとな…。 (そう?)

うん。あれから隣のおじさんに貴金属の買取もしてもらってないからね。減る一方なのよ。

母さんから預かってる生活費は別に管理してるし、当たり前だけど、個人的な買い物で手をつけてはいけないからね。


そろそろ骨董市もあるからそっちにも使いたいし、悩ましい…。 (前にいってたやつ!)

うん。秋にあるからね。多分私以外には興味のある子は少なそうではある。

着物とかがあるからシエルならもしかしたら?くらいか。 (ママが行くってだけでみんなついてくると思うよ?)

それでも構わないけど、興味のない子を無理に連れて行くのも違うからね。 (ティーは楽しみ!)

そっか。一緒に行こうね。 (うん!!)














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