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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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空の旅に必要なもの



特殊な魔力の動きに反応する…と説明したのだけど誰一人理解してくれず…。

どんなものか?と聴かれてもそれ以上は言葉で説明できるようなものでもないから、やむを得ず魔力体を作り、魔力の動きがわかるように可視化して人からドラゴンへの変化をしてみせたのだけど

それでもわからないと言われてしまった。 (これは相当敏感で、魔力に詳しくないと無理かも…) 

実質、理解したのは私とティー。ファリスとアキナさんが何となく?くらいで…。

見せても分かってもらえないってなるともうお手上げ。どうにもならない。


「つまり、ドラゴン化する時にだけ特別な魔力反応があり、それをトリガーにしていると…」

「うん、ファリスの言うとおり。その理解で間違ってないよ」

「すごく微々たるものだよね? アスカちゃんはそんなのよくわかるなぁ…」

「だってアスカは私の娘だからね!」

「お姉ちゃんはわかってないんだから関係なくないー?」

「アキナは細かいんだよ!」

姉妹ケンカやめてください…。


スノウベルさんに着け心地を確認したら、重さもほとんど感じないし、背中に違和感もないって答えてもらえた。

実際に一度飛んでみると言ってくれたので、アクシリアス王国王妃様の指示で訓練場の屋根が開放。

ふわっと飛び上がったスノウベルさんはアっという間に上空へ。

「せっかくなら乗ってみたかったわ…」

「私もよ。というかセルフィーは似たような馬車を持ってるんでしょ?羨ましいわ」

学園長も興味津々の様子。今は王妃様と呼んだほうがいいかな…。

「ええ。でもあれはダメよ! 二度と他の馬車に乗れなくなるから」

「なにそれ! 私も気になるよセルナ。明日、街へ行くときにそれ使って」

「お祖母様、わかりましたから、揺すらないでください…」

アキナさん、ずっと興奮しっぱなしよね。 (仕方ないかと…)


地上で王妃様達が騒いでる間に、スノウベルさんも戻ってきた。

「飛ぶのに邪魔にもならないし、痛くもない…。バッチシ!」

そう太鼓判も貰えて、このまま量産が確定。

それぞれノーマルが数個と、各国の紋章入りの豪華版が一つ。

当然、また支払われるものがあるから書類としてやり取りをしたのだけど、金額を見て目眩が…。 (ゼロゼロゼロ…いっぱい!)

お金、使わなきゃ…。

権利書にもサインしたからこっちもどうなるやら。 (流石にママ以外作れないでしょ)

そうでもないんだよ…。 (え?でも…)

キャンピングカーの様な移動できる家、みたいなものなら作れちゃうでしょ? (あー、馬車でかー)

そうそう。浄化できるトイレ等の水回りの魔道具は新しく申請したし、シャワーや、キッチン魔道具は既に申請されてるからね…。 (普通の馬車で移動できる家なら作れちゃうかー)

うん。これだけ皆さんが食いついている現状、必ず作られる気はしない? (する!)




試作品だったゴンドラ…。 ティーが名前を考えてくれてドラゴンドラに正式決定。 (上から読んでも下から読んでも?)

二文字ずつ読めばそうね。ティーらしい名前でいいと思うよ。 (ふふーん)

今回はαとかつけないの? (んー飽きた!)

左様で…。

因みに略称はドララと言うそうで、こっちのが可愛いと王妃様や王女様方に評判。 (計算済み!)

流石だよ。


試作品のドララはそのままスノウベルさんにプレゼントして、試験運用してもらう。

それでまた改善点が出れば都度対応していく。

スノウベルさんの魔力波長を刻み、専用にしてから皆さんに一度乗ってもらう事になり…。

さっきと違い、ドララがドラゴンの背にある場合は乗り降りが特殊になる。 (初めに乗り降りしたのは試作タイプだけの扉?)

うん。地上に置いて説明するために必要だったからね。



「スノウベルさん、できるだけ体勢を低くして、“昇降機”と言ってください」

「ん。 昇降機…?」

伏せてくれたスノウベルさんのセリフに反応して、ドララの横部分から一部分がせり出してエレベーターの様に下降してくる。

「こちらに乗って、内部の魔石に触れていただければドララへ上がります」

当然私も制作者として同行するけど、説明だけはしておかないとね。


夕波陛下が魔石に触れ、エレベーターは上昇し、ドララへ収納。

「中から降りるときも同じ要領ですが、地上に降りていて、且つ完全に停止していないと使えないので、周知して頂ける様お願いします」

「へぇー。確かに動いてるときに降りようとしたら危ないもんねー」

母さんは興味深そうに魔石を見た後、アキナさんたちと個室へ向かった。

急遽個室も増やして各国で一つ使えるようにはしたけど、ドラツーに比べると狭いから申し訳ない。


うちの子たちは遠慮してお留守番してるから、後でまた乗せてあげないとな。

リアかティアが欲しがるだろうし。 (多分二人とも…)

それでもいいよ。原価は本当に安いし…。本来なら一番高くつくドラゴンの鱗が飽和してるからね。 (有り余ってる…)

価値観おかしくなるよね。 



スノウベルさんが飛び立ったのが窓の景色からもわかる。

アクロバティックな飛行をしても、別空間のここに影響はないし、安定したもの。


快適性や安全性はこれで理解してもらえたかな? (ドララは世界一快適で安全な空の旅をお約束いたします!)

ドラツーがあるのにこっちが一番なの? (ドラツーは特別で内緒だから!)

あーなるほどね。







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