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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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こっちもお披露目



今回のパーティは貴族の人達も参加してたりとかなり規模が大きい。

シエル作のドレスを着たお嬢様もチラホラと見かけてる。

みんな遠巻きに礼だけして近づいては来ないけど…。 (ママをガードしてるのが王女様とかだし…)

まあね…。シルフィーもストレリチア様もいるから近寄れないよなぁ。

まぁ話しかけられても困るけどね…。 (お店で対応したのに?)

それは平気なの! (へんなのー)

ほっといて…。今はうちの子達とのんびりできたらいいんだから。 (はーい)

そう言ってるティーは、リズとアルフィーをつれて、あちこちいってる。

アルフィーが主役だから、あいさつ回りをしているのもあるけど、年の近い子同士で仲良くしている姿は微笑ましい。

行く先々でちゃっかり美味しいものをもらってたりしてるから、社交性も侮れない。


「アスカちゃんも相変わらず可愛い子を侍らせてるねー」

そう言いながら近づいてきたアキナさんも奥様を何人も連れてるんだけどなぁ…。 (さすが身内)

やかましいよ?とはいえ、もう否定もできないのだけど。 (ぷふふ)

「そうそう、頼んだ例のものは用意できてる?」

「はい。とりあえず試作で一つ。オッケーが出たら追加します」

「ありがとう。無茶言ったのに…」

「いえ。素敵なご提案でしたし、お手伝いできて嬉しいです」

「ほんと、うちの王女は有能すぎて頼っちゃうよー」

これくらいなら頼られて嬉しいしなぁ。

どんなものか軽く説明もしておく。最終判断は見てもらうしかないけど…。


「アキナさん、トゥーナさんはどうされました?来られてないようですけど…」

「あ、会ったんだね。あの子はお母さんと一緒にいるよー。何かやらかしたんでしょ?」

「まだ未遂でしたけど…」

詳しい話をしたらアキナさんも大きなため息。

ドワーフは職人気質だから頑固だし、もし私が行ったらドワーフが私から技術を盗むまで帰れなくなるんじゃないか?と…。

少し興味があったけど行くのはやめよう。


ドワーフの国との国交は、職人しかいないから成り立たないそうで…。

「みんな自分が作りたいものを作ってるだけだから、商売としての取引以外はどうにもなんないね」

よくそれで国が成り立つなぁと思うけど、国が一つの大きな工房だと思えば…。人数もそんなに多くないらしいし。 

“間違っても行かないように!”ってアキナさんから念を押された。


シルフィーたちもドワーフの存在自体は知っているけど、関わることがないから詳しくは知らないそう。

「ドワーフ作の武具が偶に出回るくらいでしか名前も聞きませんから」

「地上に上がってくるのなんてドワーフの中でも変わり者ですよ」

「ストレリチア様はお会いしたことがあるんですか?」

「まさか! 学園にいる職人の家の子から話を聞いただけです」

そっか、学園っていう交流の場があれば情報は入ってきやすいか…。

学校といえば、ドラゴライナ王国に作ってるという学校もどうなるか楽しみだなぁ。うちの子達を通わせてあげられるかもだし。



パーティも終わり、着替えた後にうちの子たちと、各国の王族、そしてドラゴン達が集まるのは魔術師の訓練場。

理由は、これからドラゴンの背に乗せるゴンドラのお披露目があるから。

今回はアキナさんの厚意で旅行プランが考えられているけど、それがうまく行った場合、国から国へドラゴン航空が飛ぶ可能性があるから。

ドラゴンの里としても外貨を得れるし、人と交流がもてる。

人としては国と国の行き来が早くなるという、どちらにも利がある案だから、みんなも真剣。


「試作したものをお見せしますから、改善点やご意見等あったら何でも仰ってください」

ストレージから取り出したのは、ぱっと見は車輪のない馬車のような見た目。

風の抵抗を考えて、外観の高さとデザインが少し違うくらいか。


極力軽くするため木材が基本だけど、ドラゴンの鱗を粉にして浸透させてあるから強度は申し分ない。

全体を魔法防壁で覆い、飛行中に風を感じられるよう、小さくだけど窓の開け閉めも可能。

内部は空間拡張もされて、王妃様に渡した馬車のようにキャンピングカー並みの装備がつけてある。

これは泊まり旅になる可能性もふまえているからで、当然トイレやシャワーも完備。


内部へ案内しながら一つずつ説明をしていく。

「一応個室を三つ用意してありますが、あと1つ2つくらいなら増やせると思います」

「私がもらった馬車を三つ中に入れたようなものね…」

「アスカちゃん、後でうちの嫁に背負わせてみてもいい?」

「ええ。実際に装着した感想もお聞きしたいので…」

ドラツーのちっちゃい版みたいなものといえばわかりやすいかな? (すげー! でもティーはドラツーが一番!)

そかそか。専属パイロットだもんね。 (うん!)


内部の説明が一通り終わり、皆さんからの意見を聞いたのだけど、貴族バージョンがほしいとグリシア陛下からの意見を頂いた。

「旅行だけでなく、公務として移動する可能性もあるから、特別仕様があると助かるのだが、出来そうか?」

「そうですね…。装飾や、調度品を変えるくらいなら可能ですし、好みの物を用意していただければ設置する事も可能です」

「助かる。調度品はそれぞれの国で用意するのがいいだろうな」

「ああ。わしもそれでいいと思う。何もかも頼っていたのでは情けない故…な」

グリシア王国は一番貴族がきっちりしてるから拘るのかも?アクシリアス陛下も同意してくれて、他の国からもそれぞれ一つ、高級バージョンの発注が入った。


「最後ですが、安全面に対してです。固定すれば外れる可能性はまず無いのですが、何事にも“もしも”があります」

「そうじゃな…。船でも安全性は一番気を使うんじゃから」

「ええ。夕波陛下の仰る通り、一番力を入れました」

まず、ドラゴンへのロックが大きく分けて二重につけてある。物理的な物と魔力による固定。

どちらか一つでも効いていれば外れる事はない。

それでも外れた場合、全体を覆う魔法防壁がマックスパワーで発動し、落下速度を殺し、着地のダメージを完全に無効化する。

乗り降りの扉は、一定の高さ以下且つ、完全に停止していないと開くことができない。

一応緊急用の解除方法はあるのだけど、それは運ぶドラゴンにしか操作できない仕組み。


「アスカちゃん、ドラゴンが一人で運ぶ可能性もあるんだけど、付け外しはどうするの?」

「その説明は実際に装着して頂いたほうがわかりやすいかもです」

「じゃあ…スノウ、いい?」

「まかせて。王女様の魔道具楽しみ」

試しに着けてくれるのはスノウベルさんなら、私も気が楽。


試作タイプを持ち運び形態にして手渡す。

「此方を腕につけてください」

「ん…つけて」

腕を出してくるから、そのまま装着。

見た目には、厚みのあるスマートウォッチか。


「そのままドラゴン化してください」

「それだけ…?」

「はい。ドラゴン化する時の魔力の動きに反応するようになってますから」

「じゃあドラゴンしか使えない?」

「ええ。個人を指定する事も可能ですが」 

これは、リアのドラゴン化を見てきたからこそ仕込めたもの。

あの子達って人からドラゴン、ドラゴンから人…って、変わる時に特殊な魔力の動きがあるから。 (あー!)

私自身、魔力体を使ってドラゴンから人への変化を試してみた時に同じ魔力の動きがあったから、そういうものなんだろうね。 (ティーのも?)

うん。同じだよ。多分だけど、一度純粋な魔力の塊になるっていうプロセスを挟むからだね。

このゴンドラはその魔力の動きに反応するの。


少し離れてドラゴン化したスノウベルさんの背中にはしっかりとゴンドラが。

「どうなってるの!?」

「アキナさん…くるしぃ…」

「あ、ごめん! でも意味わかんなくて!」

そちらも今から説明しますから…肩を掴んで揺すらないで…















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