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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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報告



「どこから話しましょう?」


「そうね、ギルドの処分に関することは? あの書状で問題なかったわよね?」

「はい。 ギルドマスターと副マスターが確認して、ギルド全体への通達もするようでした」

「わかったわ、ありがとう。 タニアちゃんに心労かけてたなんてね。知れてよかったわ」

かなり切羽詰まってたからね、ルニアさんが特に。


「その後の怪我人の方なんだけど、そっちは大体情報きてるから、確認だけするわね」

王妃様と情報のすり合わせをして、間違いないことを確認。


「大丈夫そうね。 で、これは私の好奇心なんだけど、どうやって治療したか教えてもらうことはできる?」

「大丈夫ですよ。特に難しいことはしてないので」

「アスカちゃんにはそうなのかもだけど…」

魔力ドームで時間止め、解毒しつつ解析して解毒薬を作って渡した事。

それからの治療の方法などを王妃様の質問に答えつつ説明した。


「はぁ〜もうホントめちゃくちゃね。普通はそんなに一度に魔法で色々できないからね?どれだけ繊細な魔力操作してるのよ…。 でも、氷魔法の応用で時間の停止かぁ…その発想はなかったなぁ。試してみていい?」

「はい。でも気をつけてくださいね。自分まで時間が止まったら魔力切れるまで動けなくなりますよ」

「うっ…確かに」

「なので、魔力ドームなんです。外からその範囲にだけ魔法をかけられますから」


これ、最初に思いついてから試行錯誤したんだよ。

大変だった。まだ魔力を効率よく魔法行使をできてなかったから、数日で魔力が尽きて解けたけど…。

魔王じゃなきゃ魔力が尽きた時点で死んでたよね…。


今の効率で、もしやらかしたら数年解けなくなると思う。

まぁなので、安全装置になる術式は織り込んであるけどね。 (…♪)


「私もアスカちゃんのおかげで魔力増えたからね! 色々できそうなのよ」

あぁこれ危ないやつ…。安全装置教えておかなきゃ。


「もしもの時の為に安全装置を付けておくことをおすすめします」

「安全装置?」

「ええ、自分ごと止まってしまった場合の対策ですね」

「それ、教えていいの?かなり高度になりそうな気がするのだけど」

「構わないです。もしもの事があってからじゃ遅いですから…」

「ありがとう、恩にきるわ」

私が側にいれば勿論解除はできるけど、不測の事態はありうる。私が女の子になった事とかね!


「魔力ドームに組み込む事もできますが…最初からだと大変だと思います。なので魔道具です」

「確かに慣れない魔法に更にって言うのは最初からは無理ね。だから魔道具。なるほどね」

私はストレージから、かつて作って安全装置にしていた魔道具を取り出しす。


「これが安全装置代わりの魔道具です。原理は単純で数分間装着者が動かなかった場合に、周りの魔法を解除する。それだけです」

「それだけって…簡単に言ってくれるわね。見てもいい?」

「はい」

「あら?でも本当に単純な術式ね…」

解除するための物は単純な方が応用がきく。

複雑にすれば的確に対応はするけど、それ以外の不測の事態には意味がなかったりするから。


「でも確かにこの方が…。魔法に反応するのじゃなく、動きを止めたことに反応するなら…

失敗した魔法で止まってしまった〜とかにも反応してくれるのね。よく考えてるわね…」


さすが理解が早い。特定の魔法を打ち消すように作ってしまうと、それ以外、つまり失敗した魔法には反応しなくなる。

それでは意味がない。 失敗を前提にしてるのだから。


「それをそのまま使って頂いてもいいですし、同じようなのを作っても」

「じゃあアスカちゃん、明日これを作るのを授業にして?まず単純なのから」

「わかりました。そういうことなら」



コンコン

「失礼します。そろそろ仕度が整いますのでお呼びに上がりました」

ユリネさんの声だね。


「入っていいわよ」

「失礼します」

王妃様の許可が出たのでユリネさんが入室。


「この続きはまた後で話しましょう。ユウキ君のことも聞きたいし」

「はい。わかりました」


「シルフィ、一度私達も仕度しに戻るわよ」

「はい、お母様。 アスカ様、未亜様、また後ほど」

私が王妃様と話してる間、未亜ちゃんの相手をしてくれてた王女様も王妃様と退室する。



「さぁ、アスカ様もお召変えを」

ジリジリとにじりよるユリネさんが怖いよ。

「お、お姉ちゃん…」

「大丈夫だから、多分…」



鼻息の荒いユリネさんにより、フワッフワのドレスになった私と未亜ちゃん。

髪もアップに結ってもらった。

私はお化粧を断って例の指輪をつける。うん、楽でいいや。

見ていたユリネさんがびっくりしてたけど。


「未亜ちゃんもこの指輪つけといて。ユリネさんがお化粧してくれるから、それを記憶するよ」

「わぁ〜ありがとうお姉ちゃん。約束覚えててくれたんだね」

そりゃあねぇ。忘れないよ。

素材を活かしたナチュラルメイクをしてもらい、魔道具のリングに保存。

5つほど記憶できるようにしてあるから、また違うメイクも保存できる。



「未亜ちゃんは可愛いねぇ。よく似合ってるよ。お姫様みたい」

「お姉ちゃんのがすっごいからね?」

いや、私は似合わないよこういうのは。


「お二人とも大変お似合いです。ハァハァ…」

ユリネさんは落ち着け。 (ホントこの駄メイドは…)


「そ、それでは晩餐会のホールへご案内いたします」

ホールって言った?もしかして王様とあるある王子だけじゃなかったり?


「ユリネさん、まさかとは思うけど…お客様がたくさん来てたりします?」

「お客様はおみえですが、ごく少人数です。ご心配なさらずとも大丈夫ですよ」

全然大丈夫じゃないからね?未亜ちゃんも緊張しちゃったじゃない。



ユリネさんに案内されホールへ向かう間、私と未亜ちゃんは緊張で殆ど会話もなかった。






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