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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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異文化



「お嬢様の叔母上がアテにならないとは思いませんでした…」

「私も初対面とはいえ身内に売られそうになるとは思わないよ」

とはいえ、少し興味はあるんだけどね、 (言うと思ったー)

だってドワーフってほとんど人前に出てこないし、私自身、数人くらいしか会ったことなかったから。 (エルフと似てる)

それ、エルフの前で言わないようにね。 (仲悪いの?)

悪いというか、私の知る限りだと意見の相違かな。

魔法に長けてて、なるべく自然と共存しようとするエルフと、自然物を利用して技術の向上に熱心なドワーフ。 

共存するために使うのと、単に利用するっていう似ているようで似てない部分が合わないみたい。 (違いがわかんない)

んー。共存するっていうのは自然に敬意を払いつつ、共に存ろうとする。

生きていくために必要な分だけ使わせてもらうと言えばわかりやすいかな。


利用っていうのは一方的に己の利の為に使う。 言い方の悪い極論だけどね。 (あー)

ドワーフの人達だって鍛冶をする時にしっかりと祈りを捧げてたりするから感謝はしてるはずなんだけど、エルフの人達からすると、いい武具ができるよう願っているだけってうつるみたい。

失敗作はポイポイ捨てたりするから、そう見えちゃうのかもしれないけど…。

どちらにもそれぞれの文化や、考え方があるから…どっちかが悪いとは言えないと思うんだけどね。


これでさえ、私の個人的な意見になるし、難しい問題だよ。 (よくわかんないの)

人それぞれ、種族それぞれ。相容れないものは棲み分けるほうが平和って事かな。

譲れない部分がある以上、みんなが仲良しっていうのは無理があるからね。

わかりやすく言うなら、人魚は普通に陸では過ごせないでしょ?逆も然り。 (うんうん)

それを横から、仲良くしろ、共存しろなんて言うのはエゴでしかないって事よ。

無理をして我慢して…そんなのが続くわけがない。だったら上手く棲み分けて、交流できる部分だけでやり取りをしたほうが問題が起きない。

そんな中でも相手に合わせて、うまく共存しようとする人だっている。そういう人は快く受け入れてあげる寛容性だけあればいいと思う。 (それがうちの家族!)

だね。素敵な家族だよ。


よく魔王とかが世界征服とか言っちゃってくれたりするけど、あんなのは無理。

仮に力で統一したとしても、それでみんなが幸せ? (無理ー)

でしょ?いずれ反乱や暴動が起きる。うちみたいに多種族が仲良くいられのは、本当に稀。

みんな譲れる部分は譲って、仲良くしてくれてるでしょ? (ママっていう共通の目的があるし)

そうなるのかな。リズやティーの存在も大きいと思うけどね。 (ふふーん)


ティーとそんな話をしながら部屋に戻ると、うちの子達は仲良くゲームしてたり、安心してぐっすり寝てたり。

何処もこんなふうにいられたら、なんてのは理想論だ。

私が守りたいのはこの光景だけ。それ以上に手を広げてーなんて無茶はしないし、したくない。

精々、手を差し伸べられる範囲の人に助けを求められたら手を貸す。

私にできるのはそれくらい。


「お姉ちゃんおかえりなさい。リズちゃん、待ってたけど寝ちゃった」

「遅くなっちゃったからね…」

すよすよと眠るリズを撫ぜる。うん、私は幸せだ。


「みんなも待たせちゃってごめんね。明日は忙しくなるし早めに休もう」

「「はーい!」」

一人でのんびりお風呂に入り、みんなと一緒に就寝。

これもまた幸せ。




翌朝、まだ薄暗い時間に目が覚める。

なんせ、ユリネさん達メイドさんの団体が此方に向かって来てるから。

着付けとか色々あるから仕方がないね。

昨夜、約束通り甘えてきて隣にいる未亜をまずは起こす。

「未亜、起きて」

「ううーん…おねえちゃん…?もう朝ぁ…?」

「少し早いけど、着替えたりするためにメイドさんが来てるから。みんなも起こしてあげてもらえる?」

「はーい…」

寝ぼけながらも未亜はみんなを揺すって起こしていく。 (リアは任せて!)

おはよーティー。お願いね。


「リズ、起きて」

「おかあさまぁ…」

甘えてくるから、ギリギリまで抱いててあげるか。

奈々と麻帆も起こし、レウィにはユウキたちを起こしに行ってもらう。

「任されました主様!」

聖さん達はノアに任せようかな。

「ノア、聖さん達をお願い」

「はっ…」


「お嬢様…って起きておられましたか。さすがですね」

別部屋のピナさんもいいタイミングで部屋に来てくれた。

「うん。着替えなきゃでしょ?」

「ええ。リズお嬢様は…」

「もうそろそろ起こすよ」

甘えたさんになってるけど、ほぼ目は覚めてるようで、スリスリと顔を寄せてくるのがかわいい。

「リズも着替えようね」

「はいなのです…」

「ピナさん、リズは私が先に着替えさせるから」

「了解しました」

リズの衣装はアクシリアス王国で用意してもらえてるけど、ピナさんが預かってくれてる。 (ティーもママがいいの)

もちろんいいよ。おいで。 (わーい!)

リアに馬乗りになって起こしてたティーはぴょんっと飛び降りたものだから、またリアが呻いてた。

流石に可哀想だよ? (ちっとも起きないし!)

最近はティーのダイブにも慣れてきてる節はあるよね。 (新たな手段考えなきゃ)

加減してあげてよ? (あいあい!)


 






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