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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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心が酔う



私のドレスの方もものすごく豪華。

ただ、露出は控えめだしそこまでの抵抗感が無いのはありがたい。 (ママすっげー美人!)

ありがとう? (なんで疑問系…)

なんか実感がわかなくてね。白銀でふわっふわなドレスとか似合う気がしなくて…。 (大丈夫!)

ティーがそう言ってくれるのならいいか…。

うちの子達には王子様スタイルのほうが人気のようだけどね。 (まぁ…みんなはそうだと思う)

みんなのドレス姿も素敵だし、当日が楽しみ。


みんなの着付けの間、手の空いた王妃様と打ち合わせもできたし。 (明日が友好宣言とお披露目ー)

明後日からが各国との交流というか、街にみんなが出かけられたり、パーティーだったりと公式なイベントだね。 (前に行った港街に夕波王国の船団きてるの)

そうなの?陛下達はアキナさんが運んだのよね? (うん。形として船が来てないのもーって)

じゃあ陛下達は一度船に? (そう。忙しくて船の長旅は出来ないからって到着した船にアキナさんが運んだの)

一月くらいかかるんだっけか。 (あっちのは普通の帆船だし)

そうね。 (港町からは馬車で移動してきたの)

手間だけど転移を隠すとなると仕方ないか。 (うん。ファリス達の船も南の港に来てるし)

なるほどなぁー。でも、トゥルーグラスって小型船しかなかったよね? (海戦ふっかけたお詫びにって大型船もらったから)

あー、あれなぁ。結構言いがかりみたいなものだったもんね。

まぁ大きな船というのは、国として体裁を保つためでもあるんだろうけど。

どの国もある程度の国力というか、そういうのを見せておきたいんだろうね。 (めんどくさ…)

仕方ないとは思う。見栄は張りたいものなのよ。 (だからかー)

うん? (アキナさんもドラゴンになれる奥様を選んできたから)

じゃあスノウベルさんもこっちに? (もちろん)

色々と思惑があるのだろうね。鞄の多さで叱られてたグリシア陛下が可愛らしく思えてきたわ。 (あははっ)


 


夕食はかなり大掛かりな晩餐会になり、私もあちらこちらへと挨拶に追われて食べた気はしなかった。

しかも私がメイドをしていたときに伝えた、炙りや蒲焼き、タルタルソースとかが私の名前を出してお披露目されたものだから…。 (うっまぁーー!)

…みんなの嬉しそうな顔が見れたからいいか。


島国で、海鮮を食べる機会も多い夕波王国とバサルア共和国からは質問攻めにあった。

特に、夕波陛下の食いつきは凄かったね。 (シラユリ様も)

うん…。また”嫁に来ない?“って言われるくらいには…。




別棟に戻ってからは気疲れもあってグッタリ…。

みんなもそうそうたる顔ぶれに緊張したみたいね。それなりに疲れてる様子。

普段と変わらず元気なのはリズとティーくらいかな。レウィは普通に寝てるだけ? (うん)


「アスカさん、少しよろしいですか?」

別室の聖さんが訪ねてきたね。どうしたんだろ、何かトラブルかな。

晩餐会でも一番慣れてた感じで安心してたんだけど。


奈々が対応に出てくれて、部屋に招き入れてくれた。

「ありがとね、奈々」

「いいよー。アスカはずっと忙しそうだったし、これくらいはね?」

気にかけてくれて嬉しいよ…。


ただ、訪ねてきた聖さんの用事というのが、頭を抱えたくなるようなもので…。

「アスカさん! わたくしもハーレムメンバーに、とまで図々しい事は申しません…。ですが、せめてメイド、いえ…小間使いでも構いませんからお側においてくださいまし!」

そう言って膝まづかれてしまった。

うちの子達は諦めというか、わかってた風にため息ついてるのは何なの? (……)


「今日、皆様からアスカさんのお話を聞かせて頂いたのです。どのお話も素敵で…。わたくし自身、弟共々助けて頂きましたし。その御恩もお返ししたくて是非お傍に、と」

「えーっと…聖さん、とりあえず普通に接してもらっていい?友達でしょ?」

「畏れ多くて…。 王女様であり、これだけの国のトップから信頼されている方に…」

「せっかく新しい友達ができたと思って嬉しかったのに…。そんな風に距離を感じる態度をされると悲しいよ私」

「す、すみません!! そんなつもりでは…」

すっごい落ち込んじゃって、私が悪者みたいになっちゃった…。


「アスカちゃん、ちょっと…」

麻帆に耳打ちされたのは、元々上流階級に馴染みのある聖さんだからこそ、こうなっちゃったのでは?っていう予想で…。

「アスカちゃんの凄さとか、あちこちに振りまいた優しさにヤラレちゃったのよ。多分ね」

ヤラレたって…。私が聖さんに何をしたっていうのよ。 (そういう意味じゃなくてー心酔したとか?)

全くこれっぽっちもわかんない。 (言うと思った!)


「お気持ちは凄く分かりますわ。私も助けて頂いた一人ですし…。お側にいたくてメイドに志願しましたもの」

「モルチアナさんもですか!?」

「ええ。私だけじゃありませんわ」

「私もです。間違いを正して頂いき、その上で道も示して頂きましたから」

なんかモルチアナとサラセニアと意気投合してない?あれ…。 (ママのメイド軍団)

やめてよ…。


「マスターどうなさるのです?同じメイドとしては応援してあげたくもありますが…」

「ノア〜! ますたぁ〜はこまってるのよ〜?」

「ですが、私もお願いしてメイドにしていただいた一人ですし」

ノアはそれが夢だって言ったからだよ!  


「どうするのよ?アスカ次第だと思うわよ?」

「お姉ちゃん…」

リアも未亜もそんな目で私を見ないで…。


あーんもう…。

「聖さん、今まで通り友達ではダメなの?」

「畏れ多いというのも勿論なのですが、もっとお近くでアスカ様のお力になりたいのですわ!」

ついに様呼びにもどっちゃったよ…。


「こちらでは当たり前にメイドさんが居るからいいけど、故郷に戻ったらメイドさんがいるのは普通ではないでしょ?」

「え…?」 (メイドが普通にいるお嬢様…)

あっ…。 もうどうしろっていうの!? お嬢様にメイドさせるとかおかしくない? (貴族のご令嬢どころか王女様がメイドしてるよ?)

ぐぅぅ…。 (ママに勝った!)

勝ち負けの問題なの?これ…。 (さぁ?)









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