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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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続く訓練

今回から本筋に戻ります。



王妃様とシルフィーからはそれぞれ二属性の魔法が放たれる。

二人とも水と雷。魔法防壁で弾くと濡れた地面に雷が走り、その上をアルフィーが平気で駆け抜けてくる。

あの子、ここまで魔力ドームと魔法防壁使いこなしてるの!?

自身を覆って地面からの感電を防いでるんだから…。 (やりおる…)

本当よ…。普段飛びついてくる時よりも更に速く、アルフィーの機動力を舐めてたと思い知らされた。

しかも、腕だけドラゴン化させて殴りつけてくるとか…。 (器用ダナー)

「おねーさまにはやっぱりとどきませんか」

「魔力ドーム使いながらこのスピード、しかも部分的なドラゴン化まで出来てるのなら充分よ?」

「おねーさまにほめてもらいました!!」

嬉しそうにしながらも攻撃は続く。それを受けつつアドバイスを…。


「アルフィーばっかりズルいです!」

「私達の魔法なんて歯牙にもかけてないんだもの。悔しいわね。シルフィー、少し任せるわね」

「お母様!?」

王妃様はまさかのドラゴンハーフ化して突っ込んでくる。

無茶をされるね!? (問題児の元冒険者だし)

やれやれ…。


前衛が二人になるも、受け躱すのに苦労はなく…。

どちらかというと攻撃のスキを見つけられず拗ねてるシルフィーのが心配。

「シルフィー、フレンドリーファイアをしない位置取りも大切よ」

「…! わかりました!」

固定砲台と化していたシルフィーは動き回るようになり、私の背後も狙うように上手く位置取りをする。

「アスカちゃん、私にはなにかないの?自重しろとかは無しで!」

「…まだドラゴンハーフ化にロスが多いですから、アルフィーのように、攻撃する腕に集中して魔力を纏めると威力が上がりますよ」 

まだドラゴンハーフの力に振り回されてる感じだから、意識して一点集中させればロス分がそちらに魔力が集中する…。

「アルフィー、行くわよ!」

「りょうかいですおかーさま!」

二人が力いっぱいこめたパンチをそれぞれ左右の手で受け止め、そのままシルフィーのいる方へ放り投げる。

「えーーっ!?」

シルフィーは焦って攻撃の手が止まるも、流石は王妃様とアルフィー。

翼で速度を殺して反転、再び突っ込んでくる。

「…二人ばっかりずるいです!!」

ドラゴンハーフ化さえ出来ないシルフィーには近接は無理だしなぁ。あの細腕では剣撃も軽くなる。 (ママだって太くないのに)

本気で戦うなら魔法で補うしなぁ。 (あーなるほろ)


王族との手合わせは、王妃様とアルフィーが飽きるまで続き、シルフィーの魔法も三属性を一気に扱えるくらいに上達。

「はぁ…もう…全く敵う気がしないわ」

「さすがですおねーさま!」

「ありがとうアルフィー」

あれだけ動き回ったのにアルフィーは元気だなぁ。


「シルフィーも、違う魔法を同時に扱うのって本当に大変だから、更に一属性を増やせたのはすごいよ」

「アスカ様に褒めていただけました! 頑張ったかいがあります」

「相性のいい属性の組み合わせっていうのもあるから試してみてね」

「はいっ!」

王妃様も暴れて満足したのか、観客席へ。


入れ替わるように出てきたのは…。

「真打ち登場!」

変なポーズを決める奈々と、呆れて頭を抱える麻帆。

「奈々、あれだけの戦いの後に良く言えるわね?」

「だってほとんど見えなかったし!」

更に追加メンバーも。

「お姉ちゃん、おねがいします!」

「…お願いしますの…」

「お母様、今のリズを見てください!」

多いな!? (一応一般人のくくりメンバーだし)

リズはそこまでではなくない? (経験的に?)

ふむ。


今回は基礎の復習と応用の話になるね。 (だねー)

イメージ等の説明も交えつつ、安定して魔法を扱えるよう見ていく。

その上で実践形式で魔法を扱う。

狩猟大会で戦闘経験はあっても、魔獣相手と対人戦では違うっていうのを教えておかないと…。

今後、身を守るためにも。常に私が見ていてあげられるとも限らないから。

「魔獣はあくまでも本能で動くけど、人は違うよね?」

「考えて動くってことかしら」

「そう。麻帆の言うとおり。頭のいい相手ほど戦いづらくなるよ。魔獣でも知能の高い相手だと危ないからね」

実際に戦ってみた方がわかりやすいかな?と思い、私相手に魔法を使ってもらった。


私はそれを躱したり、死角からちょっとした攻撃をしたりと少しずつ難易度を上げていく。

全員がちゃんとそれについてくるんだからびっくりするよ。 (聖さんと弟くんが興奮してる!)

ああ、さっきまでの戦いだと何が何やらわからなかったんだろうね。

単純に早くて見えないとか、理解できないとか…。

今のならある程度は何をしてるかわかるだろうし。


奈々と麻帆が疲れてきたのを機に、休憩しつつ聖さんと聖弥くんにも少しの魔法を扱えるように教えてあげた。

魔力がこちらに来ても少ないままだから、本当に少しだけ。

指先に炎を灯せるくらいだけど、聖さんは大喜び。

聖弥くんは派手に戦ってみたかったらしく、少し落ち込んでたけど、そこはユウキが軽い剣を渡してあげて、少し訓練をつけてあげてくれた。

あれ、初召喚の時に使ってた練習用の剣…。まだ持ってたんだ。 (ママはないの?)

残ってると思う?あの師匠相手に。 (あー)

何本も何本もパキンポキンと折れたよ。


ユウキが聖弥くんについてくれたおかげで、私がユウキと戦うっていうのは避けられた…。 (ちぇー)

スピネルもレウィも戦いたいわけではなかったようだしね。 (レウィはね、お昼寝してる)

お腹出して転がってて可愛いからいいのよ。


「アスカ様、我々にも訓練をお願いします」

「ええ!?」

王族の護衛にとついてきてるアリアさんを始め、近衛騎士様が並んで頭を下げてくるものだからびっくりする。

「アスカちゃん、お願いできる?騎士同士だけではどうしてもね?」

「は、はぁ…」

単調化して刺激が無くなるっていうのは理解できるけどね。 (がんばれー)

これ、後でギルドマスターに仕事としてランクの考慮してもらおうかしら。 (あははっ)

本来はギルドの仕事なのに。

でも…うちの家族や大切な人達が相手だから苦でもないし、いっか。











「ママー何作ってるの?」

「御節だよ」

「なにそれー!」

「それより、ティーとリズはお知らせ任されてるんでしょ?」

「そうだった!えっと、今年も一年お世話になりました!」

「来年もよろしくなのです!リズもちょっとだけ大人になるのです」

「年明けからもいつもどーり、こーしんされるのでー」

「よろしくなのです!」

「二人ともお疲れ様。年越しそばも作るけどてんぷらは何がいい?」

「ティーはエビ!!」

「リズは野菜がいいのです!」

「はいはーい」




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