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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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とばっちり



ティーの誘導で、私達も観光組と合流するために街へ繰り出した。

まさかの王妃様達まで同行っていう意味のわからない状況だけど…。 

勿論変装はしてるし、こっそり護衛の騎士様もいる。

私も警戒はしてるけど、不安しかない。 (ママも髪色変えたし)

新年の挨拶で顔が割れちゃったからね…。コチラなら黒髪でも姉御とか言われないし! (ぷぷっ)


「アルばっかり手をつないでてズルいです!」

「おねーさまですから」

「シルフはこっちね?」

偽名がギリギリよね。 (突然だったし)

安全のためにも拗ねてるシルフィーはほっとけないから、アルフィーと繋ぐのとは逆の手を差し出すと嬉しそうにしがみついてきた。


「あっ…」

「マスター…」

「ティアとノアは後で交代ね?」

シエルは王妃様と手を繋いでて、あっちはあっちでレウィを散歩させてる親子みたいにみえてて…不思議な光景だわ。 (王妃様からはお母様って呼ぶように言われたし)

いいのだろうか…。 (今更感すごい)



ティーの的確な道案内で、迷うことも無く合流。

よりによってギルドに…。 (見たいって言うから)

気持ちはわかるけどね。奈々達は文化祭の視察も兼ねてそうだし。 (麻帆はそう)

奈々は単にはしゃいでる? (うん。聖さんも)

へぇー。意外だ。


ギルドへ入ると、勝手知ったると言わんばかりに歩き回る王妃様。

変装してるとはいえ、アリアさん達が不安そうにしてるから自重してあげてください…。

「ふふっ、久しぶりだわ。まだギルドカードもあるから依頼でも受けようかしら」

王妃様がとんでもない事言ってますけど!? (ユウキの紹介でみんなもカード作ったよ?)

嘘よね? (ガチで)

無いの私だけ? (あとはノア?)

ティアは? (フレアベルナさんととった)

無双してたんだっけ…。 (今も依頼受けてでかけてるーって)

長老様ぁ…。 (シルフィー様とアルフィーは無いけどね)

当然でしょ。王女様だよ!? 


こうなったら…。

変装したまま私もギルドカードとってやる。 (あははっ!)


受付で登録を… 

「アスカちゃん、何をする気かしら?」

「…ギルドカード取ろうかと思いまして」

「無理だって言ったわよね?」

「…お母様、さっき依頼受けるとか言ってましたよね? お父様に報告してもいいですか…?」

「ダメよ!! はぁもう、わかったわ。内緒よ?」

「はいっ!」

私達の内緒話をちゃっかり聞いていたシルフィーとアルフィーも欲しがったのはもうね…。


急遽、ギルドマスターの執務室へお邪魔し、手続きをしてもらった。

「王妃様、いや! セルフィー、無茶が過ぎるぞ! いくら私でも限界が!」

「細かい事は私がなんとかするからカードだけお願いよ。ね?タニア。私達の仲じゃない」

「はぁ…。王妃になられてもやんちゃは変わらんな。 ならコチラからも一つ条件を出させてもらうからな?」

「いいわ。どうせあれでしょ? アスカちゃんと戦いたいとか言うのよね」

「ああ! 前回はユウキ君との戦いで疲弊していたからな! 私もあれから鍛えたんだ!」

…とばっちり!! (ママのせいでもあるし…)

うー…。


結局、手合わせしたらカードのランクも高くしてくれると言うから受ける事にした。 (きたー!)

うちの子たちがみんな揃ってそういう反応なのは何なの? (戦うママはレアだし)

うーん、そうだろうか。でも、聖さん達に異世界っぽさを見せられるのならいいか。



そんな訳で王妃様を始め、うちの子達の見守る中、いつかユウキと手合わせをして破壊した訓練場に。

今回は抜かりなく全体へ魔法防壁を張り巡らした。

もう破壊したくないのもあるし、当然みんなを守るためでもある。



「さて、まずは近接で手合わせを願おうか」

「わかりました」

武器はお互い同じ剣。

「合図は私がするわね」

「頼む!」

ギルドマスター、やる気満々だなぁ。 (わくわく!)


「はじめ!!」

王妃様の合図と同時に、真っ直ぐに突っ込んでくるギルドマスター。

ユウキとの戦いで、受けに回るのは懲りたらしい。

横凪に振るわれた剣を受け流す。当然、直ぐに対応されて返す剣で斬りつけられる。

今度は受け流さずにまともに受けると、かなりの重さの斬撃で火花が散り、剣にダメージが入る。

訓練用の同じ得物だから、コチラだけ魔力で強化する訳にもいかず、斬り結ぶたびに刃が欠けていく。

「くっ…全く手応えがないっ。勝ち筋が見えん!」

「…そろそろ武器が限界なので、ごめんなさい」

「なにっ!?」

斬撃を受け流しながら踏み込み、柄尻で鳩尾を突く。

「うぐっ…くぅ…」

加減したとはいえ、ギルドマスターも大概タフだよね。 (剣ぽいってしてステゴロ…)

そうなると私も答えなくてはいけないじゃない…。 (ママは剣を地面にザクー)



振るわれる拳を払いつつ、スキをみつけてはボディに叩き込むも、止まらないギルドマスター。

「っ…はぁ…くっ…こんなものか?」

「煽られてもノリませんよ」

「そこはのってくれ! 終わらん!!」

あ、そういう意図なの? (ギルドマスターも不器用)

どうしたものか…。 (必殺技みせて!)

なによ、必殺技って。 (なんかこう、派手で吹っ飛ぶやつ!)

ふむ…。


「魔法防壁は張りますが、派手に吹っ飛びますからお覚悟を」

「へっ!?」

ギルドマスターを魔法防壁で覆い、氷魔法で作った…様に見せかけたエフェクトだけの巨大な拳。

実際は単に拳を振るっただけ…。 (うおーーー!)

砕ける氷と共にぶっ飛んでいくギルドマスター。 (アレは死んだわ)

怪我さえさせてないから! 人聞き悪いな。 (見た目は派手だから)

ティーの希望でしょう。 (うむ。すごかったの)


周りもあまりの光景に悲鳴やら、ユウキからは非難の声。

「姉ちゃんやり過ぎ!! 大丈夫なの!?」

「見た目だけよ」

私の言葉を裏付けるように、ぶっ飛んだ先で起き上がり、ピンピンしているギルドマスター。

「なるほどな。派手な演出最高だ!」

お気に召したらしい…。ノリいいなギルドマスター。


「…ユウキ、お姉ちゃんを疑ったらだめ…」

「アレは焦るって!」

スピネルは冷静に見てたらしいね。


もう一人、冷静に見守ってたのは…。






 


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