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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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繁盛の裏側



王妃様達王族がいるから、当然街に入っても、馬車に乗ったまま移動。

アクシリアス王国の城下街が初体験な子達は窓から外を見て大はしゃぎ。

王妃様も街が素敵って言われて上機嫌で観光案内みたいな事をしてくれてるし…。

かつて王族に街の案内をさせた人がいるだろうか。 (楽しそうだしいいの)

申し訳ない気持ちが、ね?


馬車による観光ツアーをしながら、シエルの店、ペールブルーに到着。

扉の前に置き物のように鎮座してるレウィはとりあえず撫ぜておいた。


大通りから続く路地とはいえ、かなり広い脇道が、豪華な馬車で半分塞がれてるのにはびっくりだよ。

「初回受注の服が完成したって連絡したから凄いわね」

シエル、こんなに完成させたの!?

無茶するわね…。 (その辺はリアが監視してる)

うーん、ならいいのかな? (ママだって魔装化する為の魔道具作ったのに?)

同じだって言いたいのね。 (うむ。しかも、ママはアクセサリーの追加まで用意したよね?)

簡単だからなぁ…。


店内では服の受け取り、試着、手直し…等で順番待ちができてて、ティアとノアがお茶を出したりしつつ接客してる。

「あ、アスカ! 遅いよー。手伝って!」

「勿論。何したらいい?」

「魔装に関してはアスカしか無理でしょ?」

「任されたよ」

注文どおりにした筈なんだけど…。実際に着用すると違うのかな。


「お姉様…」

「大丈夫よシエル。魔装に関しては私に回して」

「…ありがとうなの」

遅くなって不安にさせちゃったね。


魔装に不具合があるのかと心配したのだけど、どちらかと言うと、色変えした後にイメージと少し色味が違うとか、光る魔道具の光り方の微調整など、確かに実際に見ないと判断つかないようなものが大半で…。

高額なお買い物だけに、妥協したくないのはわかるからしっかりと対応する。

だから、そんな申し訳なさそうにしなくていいからね? (王家と繋がりがあって、シルフィー様のフィアンセにそれは…)

う、うん。相手も下はリズくらいの幼い子から、上も未婚の若いお嬢様ばかりだもんね。


王妃様は保護者であろう貴族の奥様と談笑してて、王族が貴族にも慕われてるのがよくわかる。

だからこそ、王家の後ろ盾がある店でもこうやって手直しとかを頼めるのだろうから、それを私達が壊してはいけない。

シエルもそんなのは望まないはずだし。気軽に対応してもらえるお店でありたいよね。



シエルと手分けして、希望に沿って手直しを進め、みんな嬉しそうに衣装を受け取っていった。

その間、こちらに来ていた子達は騎士様やユウキの護衛で街の散策に行ってもらったから、楽しんでくれてるはず。 (例のカフェも行った!)

ベリータータ買ったところ? (そそ!)

私もお腹空いてきたな。 (テイクアウトしたから待ってて)

ありがとう。


あれ…そういえば…。

「シエル、うちの両親は?」

「えっと…お店の手伝いはできなさそうだからって…」

「でかけたのね?」

「そうなの…」

ちょっと保護者、何してんの!? 

いくらノアがいるからとはいえ、無責任すぎない? (ノアが行かせた)

そうなの!? (ママのパパがね?いるとかえって…)

ごめん、みなまで言わないで。なんとなく予想できた。 (お嬢様が多いからね?鼻の下伸ばして)

母さんが不機嫌になったと。魔道具効いてるのよね? (そうだけど、あれだけ若い子集まったら)

やれやれ…。


「ノア、なんか手間を増やしたみたいでごめんね」

「そんな! マスターのご両親には観光に行って頂いただけなので…」

有能がすぎる…。今も人手のいるところへ適宜動いてくれてるから、私達は作業に集中できるし。

ティアとの連携もバッチリだね。 (ママの嫁達はちょー有能)

本当に助けられてばかりだよ。勿論ティーもね? (あいっ!)

リズも未亜とリアがいれば安心みたいで、私から離れても平気だもんなぁ。 (聖さんにもかなり懐いた)

へぇー。同じように弟のいる奈々との差よ…。 (そっちはそっちで友達みたいにはなってる)

精神年齢が近いのか。 (仲悪いよりはいいの)

だね。そう思う事にするよ。


ティーから別行動してる子達の報告を受けながらも、無事に全部の魔装を希望通りに調整も終わり、シエルの手直しも終了。

初回受注分はこれで終わりらしく、次は二次、三次が待っている。

シエルには無理しないようにだけ念を押しておいたけど、本当に楽しそうにしてるからあまり口出しはしないようにするつもり。

私は手伝える事をやってあげればいい。折角、シエルがやりたい事をやれているのだから。


「お姉様…これ…」

「うん?」

シエルが見せてきたのは大量の金貨。

あれだけの衣装が高額で売れたのなら、当然受け取るものがある訳で…。

シエルの希望で、魔道具部分に関しては、私もお金を受け取る約束はしているけど、それ以外はシエルの取り分だし、店の維持にだってお金はかかる。

「しっかりとお店の運営資金として管理しようね。資材も買い足さなきゃでしょ?」

「はいなの…。でも、お姉様に貰ってばかりだったから…」

「それは私のセリフだよ。シエルが私達にどれだけ服を作ってくれたと思うの?」

まさか自身の取り分から更に渡そうとしてくるとは…。

シエルは納得いかなさそうだったから、また手が空いてるときに服を作ってほしいってお願いしておいた。

嬉しそうに頷いてくれたから大丈夫よね…。負担にならない程度にしなきゃな。


またお金の使いみち、考えないと。 (こっちも王妃様が投資の準備始めてるよ)

そうなの? (アキナさんに教えてもらってた)

なるほどね。こちらの世界での実績があるシステムだから安心だね。 (まずはギルドから貯金システムが始まってる)

私も預けたいけど、ギルドに所属してないもんなぁ。 (ユウキに頼む?)

うん、それも一つの手だね。詳しい事は王妃様に聞いてみるよ。 (うん!)








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