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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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来客



週末、丁度聖さんの都合が合ったから、家に遊びに来てもらう事にした。

一緒に来るのは奈々、麻帆、聖さんの弟さん。

くれぐれも手土産とかは持ってこないようにって念を押したから大丈夫よね? (押すなよ、押すなよ的な)

違うから! ティーが変な事を言うから不安になってきた…。


奈々と麻帆が駅に迎えに行ってくれて、一緒に来るらしい。

なので、私は未亜とクッキーを焼いてる。

「お姉ちゃん、私もいていいの?」

「なんで駄目だと思うのかわからないんだけど?」

「だって…お姉ちゃんのお友達だし。私は…」

「未亜は私の妹でもあるのよ?聖さんだって弟さんつれてくるし、ユウキやリアもいるのに」

「お姉ちゃん…。うんっ、わかったよ!」

うちに慣れてくれてると思ってたのは私だけだった?未亜はまだ他人のつもりなのかな…。

だったら悲しいのだけど。 (遠慮しただけじゃない?)

それこそなんでよ? (ママだって未亜と明ちゃんの中に混ざれる?)

……言いたいことはわかったよ。ありがとう。


「お母様、いい香りなのです! もう食べられるのですか?」

「もう少ししたら焼けるよ。ティーとリズは紅茶用にティーカップを出してもらえる?」

「はいなのです!」

「あーい!」

元気な二人の姿はいつも癒やしだわ。


因みに両親とレウィは、シエルについていってお店に顔を出している。

両親はまだ店舗を見てなかったってのもあるけど、シエルが今日は店を開けたいらしく、その手伝いも兼ねている。

私が行けたら良かったのだけどね…。

予定を決めたのがお互いほぼ同時だったからやむを得ず。

代わりと言ってはあれだけど、ノアをお店に置いてきたから、何があっても平気。

後で私達も行くし。 (ティーもみてるから)

お願いね。 (フィアの衣装を届けるためでもあるし)

お披露目用のやつね。 (そそ!)

なおさら私達も行かなきゃね。



「あ、そうだ。ユウキ」

「んー?」

「スピネルはどうするの?」

「見えるようにしてくれてるよ。だから普段通りで」

「了解」

「…挨拶する」

てっきり部屋にこもってるか、見えないままやり過ごすかと思ったわ。

精霊でもあるけど、スピネルはかなり私達人間に寄せてくれてて助かる。 (馴染みまくってるけど)

いい事じゃない。弟の彼女とギクシャクするよりはずっと有り難いよ。



チャイムがなり、ティーとリズが迎えに出てくれた。

相手にも小さな子がいるからちょうど良かったかも?

リビングへ一番に飛び込んできたのは奈々。

「お邪魔しまーす!」

「奈々、声が大きいわよ」

「お邪魔しますわ。ほら聖弥も…」

「お、お邪魔します」

「いらっしゃい。直ぐにお茶を出すから寛いでてね」

弟さん、確かにちっちゃいな…。リズよりちょっと大きい程度。

10歳にしては幼な過ぎるね。


そして、当然のように聖さんから渡される手土産…。 (ほらー!)

ティーのフラグのせいな気もするんだけどね? (濡れ衣!)

「ありがとう聖さん、でも本当に次からは手ぶらで来てね?」

「そういう訳には…。素敵なアクセサリーまで頂いたのに」

「じゃあこれでおあいこ。ね?」

「…わかりましたわ」

受け取った大きな箱の中身は可愛らしいケーキが沢山。

折角だからクッキーと一緒にテーブルへ。シエル達の分も数があるのはなぜ…。 (奈々達からきいたとか)

有り得そう…。


弟さんの聖弥くんは初めこそ緊張してたけど、ユウキを“ユウキ兄ちゃん”って呼ぶくらいには懐いた。

さすがユウキは子供の扱いもうまい。スピネルも可愛がってくれてるみたいね。 (幼い子は慣れてる)

うちに居るもんね。 (ティーは違うの!)

そ、そうね。 (むー)

スピネルは子供を欲しがってるくらいだから。 (デジタルペットはずっと大事にしてる)

ああ。みんなも飽きずに持ち歩いてるよなぁ。嬉しい限り。



仲良くなれた一番の要因は異世界とかの話題も解禁してるから余計にかも?

同年代の女の子に見えなくもないティーとリズには照れてるのがまた可愛らしい。 (不思議な感覚…)

あはは。あまりグイグイ行かないようにしてれば平気よ。 (あーい)


そんな聖弥くんの様子を眺めながら嬉しそうな聖さんと私達もお話をする。

「あんな元気にはしゃぐ聖弥は初めて見ましたわ。これもアスカさんのおかげですわね…」

「本当にもう気にしなくていいからね」

たまたまだし、巻き込んだだけとも言えるんだから。あまり感謝されるといたたまれない。


念の為、こっそり聖弥くんの鑑定も再度行い、病気が完治してるのも確認できたし、微量の魔力も…。

魔法を使って戦えるほどではないし、他にスキルや称号もない。

ただ、これは異世界へ連れて行った場合どうなるかわからない。 (多分、翻訳スキルは確実に…)

だろうね…。ましてや私が魔力循環なんてしようものなら…。 (絶対に覚醒する)

仮に連れて行くことになっても、魔力循環はせず…だね。不安要素はあるけど。

まぁ、今のところ連れて行く予定も無いのだけれど。 (行けるってわかったら行きたがるかも)

かな?その時はその時だね。



聖さん本人はさすがお嬢様というのか、社交性は抜群で…。

未亜やリアとも普通に会話してる。

美味しいケーキを食べ、テンションの上がったリアは、自身がドラゴンだってカミングアウトするくらいには警戒心を解いてるし…。

「アスカほどの力はないけど、私だって強いのよ?ドラゴンとしても上から数えれるくらいにね!」

「…ドラゴンってお話とかに出てきますわよね。初めて見ましたわ! でも人と変わらないのですわね」

「ええ。でもほら…」

リアは躊躇いもなくドラゴンハーフ化するから私がびっくりした。 (あー…やっちまった)

聖さんは完全に硬直したし、聖弥くんも驚き過ぎてユウキの影に隠れた。


「リアちゃん!?お姉ちゃんいいの?」

「もう手遅れよね…」

「色々話してるんだから今更じゃない!」

そうなんだけどさ。もっとこう順序というか、ね? (あるやん?)

だよね。まぁもう本当に今更だけど…。


驚かない奈々と麻帆に興奮気味の聖さんが詰め寄り、”異世界に言った“と奈々がポロッと話してしまったのはもう…。 (お約束)













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