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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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理解の外



秘密を話す、とはいったものの…何を話すか。 (魔法のことかー、ご先祖の話を聞いた理由?)

どちらかだろうね。ただ、弟さんを治したのはおまじないってことになってるし、話を聞いた理由のが無難かも…。

とはいえ、此方もまだ確証はない…。ほぼ間違いないとは思うけど。 (あれ、ためす?)

リアに止められてるのに!? (むー)

まぁ、もしかしたら…って体で話すか。 (はーい!)


「私がどうして聖さんのご先祖について話を聞きたかったか、その理由について話すね」

「そちらですか? てっきり弟を治してくださった方法についてかと…」

「うん?そっちのが知りたいの?」

「えっ…いえ…判断はアスカさんにお任せいたしますわ」

知りたいのはそっちだったのね…。おまじないではごまかせなかったか。 (無理がある)

たしかにね…。もうそれも含めてしっかり話してしまうか。 (いいの?)

私の独断にはなるけどね…。信じられないような人ではないもの。 (もしもの場合は血の契約で…)

最悪の場合は…だね。でも聖さんは大丈夫だと思うよ。 (うんっ)


「ここだとアレだし、場所をかえようか」

「ええ。構いませんわ」

お嬢様だから、こっそり護衛とかいるかとも思ったけど、そういう素振りはないし、大丈夫よね。 (ないねー)


ファストフードをでて、駅近くの公園へ移動した。

夕方とはいえ、まだ暑いこの時期。あまり人もいなくて丁度いい。

それでもなるべく人目につかないような場所を選んだ。

「なんだかドキドキしてしまいますわね」

そう言う聖さんはとっても楽しそう。 (なんでも新鮮?)

お嬢様にはそうなのかもしれないね。


「この話は、奈々と麻帆以外には内緒にしてもらえるかな?」

「勿論ですわ。 お二人はご存知なのですね」

「うん…。発端は弟さんを治したのが、奈々を助けるためだったから」

「同じ時期に入院されてましたものね」

やっぱりそこまで調べてるか。 (それはそう)


大怪我をした奈々を治す時に、病院にいた幼い子達を見捨てられず、病院では回復が見込めない子達だけ治療した、その中に聖さんの弟さんがいた旨も伝える。

「あの日、病院内では大騒ぎになりました。重症患者や、不治の病に罹っていた人が突然回復したのですから当然ですわ。ですが…」

「直ぐに何事もなかったようになった、でしょ?」

「ええ…。初めは意味がわからなくて。誰に聞いても治って当然といった様子でして。わたくしと聖弥はしっかりと記憶しているのに…」

「困らせてごめんね…」

「とんでもありませんわ。聖弥が元気になったんですもの」


治した手段は治癒の魔法。周りの記憶が改竄されたのも魔法の影響によるものだとしっかりと話した。 (ホントはティーだけど!)

ティーの事はまだ秘密。あまり一度に話しても理解が追いつかないだろうからね。 (うんうん!)


「魔法! 創作のお話とかで出てくる…?」

「そうだね。 こんな感じに…」

手のひらに水球を出して見せたら、大喜び。

「すごいですわ! 魔法…憧れてしまいます」

「疑わないんだね?」

「聖弥が元気になったり、周りの記憶がなくなった時点で、わたくしの理解の及ばない事態が起きたのは間違いないと思っていましたもの」

まぁそうなるか。だからこそ気になったんだろうし。

そこからよく私にたどり着いたなぁ…。


「あの時、わたくしと同じように病院の職員の方に色々と聞いていた方が一人だけみえまして…」

「奈々だね」

「ええ。そこから辿っていったら、うちのご先祖様と同じ白銀の髪色と紫色の瞳を持つアスカ様に辿り着きまして」

「それでうちの周りを調べさせてたんだね」

「申し訳ありません…」

「責めるつもりはないからいいよ。でも、調べていた人達からも記憶が消えてない?」

「ええ…。報告はしてくれた筈ですのに、一日と経たずに…。なので、此方にもなにか理外の力が働いていると思いまして…」

強制力の影響を受けない人からしたら混乱の極みだろうなぁ。 (だろうね。ふふっ)

ティーにも迷惑かけてごめんね。 (いいの! その為のティーなんだから!)

ありがとね。 (ふふーん♪)


「直接お礼を申し上げたかったのも勿論ですが、もしかしたらアスカさんが祖母から聞いたお話につながる方なのでは?と思いまして」

「転校してきた理由だね」

「はい…」

「それも多分、間違ってない。確証はないけど、うちの母方の先祖と聖さんのご先祖様は同じ人だと思う」

「山神様…ですね」

「正確には魔法のある世界から来た人、だね」

「…山神様と言われるよりは納得してしまいましたわ」

「ねぇ、よかったら、これからうちに来ない? 帰りが遅くなると不味いかな?」

「よろしいのですか!? うちの者には連絡しておきますわ。聖弥はメイドによく懐いていますし…」

「じゃあ、行こうか。よかったら、そのうち弟さんも連れてきてあげていいよ」

「ありがとうございます! 喜ぶと思いますわ…。あの子も色々と知りたがっていましたから」

そうだろうなぁ。 (かわいい子だよ。リズくらいちっちゃいけど)

そんなにか…。


スマホで使用人に連絡をいれた聖さんを連れて、自宅へ向かう。 (みんなには伝えた!)

ありがと。びっくりしてない? (そんなことだと思ったわよ! 全くもうアスカは…)

ティーのリアのモノマネ、クオリティーやばくない? (ふふん)












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