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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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海戦 3



先に戦域に到達したのはスケイルアイランドの中型船。

後から到着したストレンジリンクの大型船は、戦域にいる中型船を囲むように陣取り、大外を円を書くように回りながら砲撃。

船体の横に砲口があるのだから当然か。


中型船は基本、前と左右に設置された魔砲を使い応戦。

途中から魔砲を抱えた乗組員が直接大型船を狙い発射。


強い風の中、速度が出ると狙いを定めるのが難しい大型船と比べ、臨機応変に対応した中型船の砲撃は大型船にどんどん玉を当てる。

「取り囲んだ初撃で相手に殆ど損害を与えられなかったストレンジリンクにはもう勝ち目はないだろうな」

「そうね。魔砲は固定砲台ではないもの。そんなに重たい訳でもないのだから」

先代様ご夫婦は、もう決着がついたとでも言いたそうな雰囲気。

実際、数分後には大型船は3隻とも航行停止。


海戦終了の合図に、また青い光が空へ上がる。

カメプロの映像には、またまた悔しそうなストレンジリンクの人たちの姿が…。

「ファリス、これで納得しそう?」

「ただの言いがかりで、アスカ様発案の魔砲に因縁をつけた挙げ句、砲の積み替えまでして負けたのですから、これ以上は恥の上塗りはしないかと」

かなぁ…。だといいけど。




再度、先程の話し合いと同じメンバーでトゥルーグラスの港へ転移。

暫くして各島のトップが集まり…。

「これで納得しましたか?」

「……」

「魔砲に不正もなかったでしょう。まだ納得できませんか」

「こうなったらやはり本当の海戦をするまでだ!」

「バカを言いなさい! 本気で戦争を始める気ですか! ストレンジリンクの島主はそんな決断をすると?」

「親父は腰抜けだ! だから俺が…」

ん?このライオンみたいな獣人さん、トップじゃないの…? 



私が首を傾げていたらファリスが説明してくれた。

どうやらストレンジリンクの現島主は今目の前にいる人の父親で、そちらはトゥルーグラスが元首国としての交易にも口出しする気はなかったそう。

ただ、島の住人からの不満はたしかにあって、この海戦で勝利すれば引退して息子に跡目を譲るって話だったらしい。

道理でしつこい訳だ。

「負けた場合、次男が次期島主になるそうです」

「継承権失うの?」

「そうらしいです」

めんどくさい事をこんな時に持ち出さないでよ…。



スケイルアイランドの代表の女性と口論するライオン。 (ライオンでいいの?)

だって名乗りもしないから名前知らないし。 (それはそう)

アキナさんとシラユリ様がイライラしてるのか、魔力の圧が…。 (ひぃ…)

「お、落ち着けシラユリ…」

「だって!! 往生際が悪すぎるのよ!」

「本当にそう! もう船ごといっちゃう?」

「アキナ様、それでしたら私もお手伝いします」

怖いよ! (物騒な事いいだした…)


ユウナミ様と一緒に二人を止めていたら、入港してきた一隻の船。

降りてきたのはまたまたライオン。白いトラを引き連れて…。

またトラブルかと思ったら、口論している息子ライオンが思いっきり殴られた。

「引き際も知らぬとは…。息子が迷惑をかけた。後は此方で処理しておくから許してくれ」

「初めから貴方が出てくれば良かったのです!」

「そうは言うがな?このバカ息子に付く輩も少なからずいる以上、これが一番だろう」

「他国の方もみえるからと伝えたはずですが?」

「だからだ。 いや、本当に申し訳ない。これでストレンジリンクとしても反対派を黙らせられる」

「はぁ…。 すみません。バカな獣のお家騒動に巻き込んでしまいました」

ライオンのお父さんと、トカゲの女性に頭を下げられては、私達も何も言えず。



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