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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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旅路と



メイドさんに混ざり、食事の仕度。

お昼はアクシリアス王国と夕波王国が提供してくれた海鮮でフルコースになった。

刺し身や煮付け、炙りも出してみた所、好評でなにより。


食後も皆さんメインホールに留まり、ずっと歓談というか話し合いをしてて…。

堅苦しくない会議ができているようでなにより。


おやつにはアリアさんの村で取れたアップルを使ったスイーツや、夕波王国の和菓子も提供された。

やっぱり甘いものは女性陣に受けがよく、幼いアルフィーもほっぺをパンパンにして食べてて可愛い。


午後からは、カメプロがどういう物かを知らない人に説明するためにも、アクシリアス王国の新年の様子や、ドラゴライナ王国のお祭りの様子等が上映され…。

初めて見る夕波王国の面々はものすごく驚いてた。


夕食は、ドラゴライナ王国からミノウシが提供され、グリシア王国からも大きなステーキが…。

2つの肉を混ぜて合い挽きの様にしたミンチでハンバーグも作ってみたし、それぞれの国のメイドさんが、自国の料理も披露。


皆さん他国の食に興味津々だから、これをきっかけに、もしかしたら食品の売り買いも大々的にされるようになるのかもしれない。 (レシピとかも?)

かもしれないね!



因みにドラツーでの旅の間、うちの子たちはというと…

国のトップの集まるメインホールに出てくることはなく、割り振られているうちのエリアに籠もりっきり。

シルフィーやアルフィーも、途中からは殆どこちらで過ごしている。

食事等も毎度ストレリチア様達メイドさんが運び込んでくれてたし…。


王妃様が、気にせずに顔を出していいのよ?とは言ってくれたのだけど、遠慮しちゃってるようで…。

まぁ気持ちはわかるけどね。


こちらではティーが撮影してきた水族館の映像がずっと流れてて、それを見ながらボードゲームをしてたりと、のんびりしてる。


奈々がまたトランプやら色々とカードゲームも持ち込んでたし、暇つぶしにはもってこいらしい。

お風呂もこちらで済ませられるから、本当に引きこもり状態だな…。


自由に出入りしてるのは、私やメイドをしてる子達くらいなもので…。

「ごめんね、肩身の狭い思いをさせちゃって」

「ううん。畏れ多くて顔を出せないだけだよ。お姉ちゃんのせいじゃないし」

みんなも未亜と似たようなもので、ここにいるほうが落ち着けるらしい。

特に奈々と麻帆は絶対にこのエリアから出ないって引きこもり宣言。


ユウキはメインホールでジルス王子やライアン様と交流したりもしてるから、スピネルが拗ねてる。

それでも相手が恋のライバルになるわけではないから我慢してるみたいだけど、混ざれないから寂しい様で…。

水族館で買ったぬいぐるみを抱えて、ソファーで寝てしまった。



夕食後、メインホールでは各国から持ち込まれたお酒も振る舞われて、飲み比べ等でもりあがってるから、おつまみを作ったりもした。

こちらではお酒におつまみをつける習慣が無いらしく喜んでもらえたし、メンドさんに聞かれて簡単なものを伝えたりも…。


王妃様たちはお風呂にお酒を持ち込んで、夜空を眺めながら交流するようで…。

私もそちらに強制連行された。

アキナさんや夕波陛下も一緒だし、落ち着かない!


いつの間にか隣りに来た夕波陛下は、お盆に載せたお酒を勧めてくる。

「お主は飲まぬのか?」

「はい。まだ未成年なので…」

隣でちびちびと飲んでる夕波陛下へお酌だけしてあげた。

「…このような心地よい旅は初めてなのじゃ」

「それは何よりです」

「あー! アスカちゃん、私にも頂戴」

「どうぞ…」

王妃様もごきげんな様子で…。

「セルフィー?酔って手を出したらだめよ?」

「しないわよ〜。またシルフィーに叱られてしまうわ」

「またって…」

「ちょっと挨拶しただけよー」

グリシア王国の王妃様はやれやれ…といった様子だから、色々と知ってるのかもしれない。

まぁ、アクシリアス陛下のお姉様だしな。把握しててもおかしくはないか…。


シラユリ様に至っては羞恥心もないのか、酔って気持ち良さそうにお風呂に浮いてて、あちらへ行ったりこちらへ行ったりとふわふわと湯船の中を漂ってるものだから、目のやり場に困る…。

「母上は相変わらずじゃ…。すまぬがタオルを貸していただけないじゃろうか」

夕波陛下にタオルをかけてもらい、またふわーっと流れていった。

尻尾ってお風呂で浮いてると大きく見えるんだーとどうでもいい事を考えてた。

「尻尾が気になるのなら、妾が見せてあげてもよいのじゃが…」

「い、いえ! 初めて見たものですから」

夕波陛下の尻尾も湯船の中でゆらゆらと揺れてて、ちょっと海藻みたい、とか思ったのはナイショ。



「ピナー。もっとお酒ー」

「程々にしてくださいね?」

「飲み過ぎたらダメ…」

「いいじゃんーせっかくの夜なんだよ?」

アキナさんは、ピナさんやスノウベルさんといった奥様を侍らせて上機嫌。

私ここにいていいのだろうか…。 (未亜達もちょっと怒ってたけど諦めてたし)

まぁ、私が拒否権もなく連れて行かれたのを見てたからね…。


ちょうど飲み物でも取りに行こうかって、未亜たちとキッチンに行ったら、王妃様に捕まったからな。

アキナさんにまで誘われたら断れないもの。 (無礼講での話し合いに参加してって言われたのに)

うん…。話し合いなんてなく、ただの飲み会。 (アキナさんとかがいなかったらシルフィー様も突撃してた)

助かったといえばいいのか、なんなのか。


王族は肌を見せないって話はどうなってんの? (さぁ?)

皆さん楽しそうだからいいけどさ。私個人としては気まずい事この上ない。


緊張するばかりで、全然お風呂でゆっくりできず。

部屋に戻ったら、みんなに何もなかったか?って詰め寄られるし…。

「ティーが見張ってたから大丈夫なの!」

「夕波陛下も?」

「うん! みんなお酒飲んでただけー」

「ならいいけど…。アスカは飲んでないわよね?」

「もちろんだよリア。私は飲まないし」

「ではアスカ様、こちらで一緒に…」

「え…?」

また拒否権もなく、うちのエリアにあるお風呂にみんなで入る羽目になり…。

私ふやけないかな? (耐性あるのに?)

気持ちの問題! (嫁にサービスもしとかないと)

うっ…そう言われちゃうとね。





移動中はそんな感じに大きな問題もなく進み…。 (ママ以外は)

そうね?

深夜にはバサルア共和国領内に入ることができた。

「ママ、ドラツーは高高度で旋回させておくの」

「ありがとうティー。朝になったら一度確認に行ってくるから、今夜はもう休もうね」

「あい!」

みんなも待ってるし…。 (部屋に集まってる)

うん、わかってたとはいえ、人数よ。 (これでも少ない方)

それは師匠たちのことかな!? (うむ)

やれやれ…。


みんな一緒に寝るというから、やむを得ずベッドを巨大化させて対応。

隣は、リズとティーが確保してくれたおかげでまだ安心。 (ママのていそーはまもるの!)

助かります。


護衛をしなきゃいけないアリアさんだけは来れないからって寂しそうにしてたね。 (しょんもりしてた)

王妃様の護衛だもんなぁ。 (ユリネさんはちゃっかりしっかり混ざってる)

それはいいのだけどさ?なんで騎士のセナさんはここに? (シルフィー、アルフィーの護衛?)

あー…じゃあ仕方ないか。 って、一緒にベッドに入るのはおかしくないか!?

どういうつもりなの! (……呼んでこよ)


部屋に駆け込んできたアリアさん。 (撤去のお願いしてきました)

ありがとう。助かるよ。

「セナ! 何をしている!」

「え? 護衛ですけど…」

ご立腹なアリアさんに引きずられていったな。

「隊長。ヤキモチですかー?」

「……セナ、お前は寝ずの番だ。アクシリアス王国エリアの扉の前に立ってろ」

「酷い〜!」

「やかましい! 近衛騎士としての職務を全うしろ!!」

渋々部屋を出ていったなぁ。

「助かりましたアリアさん」

「いえ…」

「交代になったら来てくださいね?」

「は、はいっ!」

忙しいかもだけど…。




「しれっと当たり前のようにセナが混ざってて気が付きませんでした…」

「シルフィーねえー様ダメダメです…。そんなではおねーさまをまかせられません」

「くっ…アルフィーもお母様の元に帰りますか?」

「ひどいです!!」

まぁアルフィーくらいはいいよね。子供だし。 (うんうん!)

リズとも仲良くしてくれてるし…。



「早く寝るわよ! リズがウトウトしてるからもう静かにしなさい!」

リアに叱られてシルフィーとアルフィーの姉妹げんかも収まり…。

ようやく眠れるね。



なんかすっごい気疲れしたわ…。 (お疲れ様ぁ)

ん、おやすみ。 (おやすむにゃ…)








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