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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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大集合



ドラツーはグリシア王国にある、うちのお屋敷から出発することになり、私は重大な任務を任されてしまった…。


その任務の為、転移してきたのはアクシリアス王国、王城。

今から此方の王族を全員連れて転移する…。

送り届けて終わりってわけでも無く、ドラツーでも御身をお預かりするのだから、それを考えると胃が痛い。



王族が抜け、空っぽになるお城は大丈夫なのかと思ったけど、ティアとフレアベルナさん達ドラゴンが数名残って守るらしい。

同行できないティアは、ずっと愚痴をこぼしてた。

「酷いよー。私だって一緒に行きたいのに」

「許可もらえなかったの?」

「うん…。ほら、そっちにノワルレイナ様とリアがいるから。私は、フレアベルナ様とお留守番って」

寂しいけど、ティアも諦めているようだから私も我慢。

国を守るのも大切な役目だから頑張るって言ってるのなら応援しなきゃね。 (守るといえば…)


うん、まさかの人が…。

「久しぶりねアスカちゃん?」

「お久しぶりです…」

どうしてアリアさんのお母様が!? (友情出演)

言いたいことはわかる…。王妃様に頼まれたのね? (そゆこと。ドラゴンが迎えに行ってた!)

そう。お父様は? (村の護衛があるし)

なるほどね。だからお一人なのか。


アリアさんと正式にお付き合いする様になって、王妃様からお手紙で通達はされていたらしいのだけど、ご挨拶ができてなかったから、せっかくのチャンスだと思って、しっかりとご挨拶。

…したのだけど…。

「子供はまだ? というかどっちが産むの?」

「えっと…?」

流石にまだ気が早いような気がするのだけど…私がおかしい? (ティーわかんなーい)

左様ですか…。



あくまでもまだ恋人だし、お互い忙しい身だ。

しかも私はまだ高校生。流石にね…。

早く孫が見たいと言われても、“はい、わかりました”とは言えない。

そんな感じに詰め寄られてたら、陛下達の準備が整ったと、アリアさんが呼びに来てくれた。 

助かった…。



「むー! アリア。頑張るのよ!」

「は、はぁ…」

アリアさんも困ったように、曖昧な返事。


今回は謁見の間から転移するから、アリアさんに案内されてそちらへ移動する。

「すみませんアスカ様。母が…」

「私は大丈夫ですけど…。アリアさんこそ大丈夫ですか?」

「はい。私個人としては何時でも…とお答えしたいのですが…。お役目を放棄するわけにはまいりませんから」

だよね。


少し気まずくなり、それっきり会話もなく…。

無言のままシルフィー達と合流。

初めて転移する人達に説明だけして、グリシア王国のお屋敷へ。


ーーー

ーー


転移してきたお屋敷ではグリシア王国の王族総出でお出迎え。

あまりの事に私がびっくりした…。

みんなここからドラツーに乗るのだから当たり前なのだけど、流石に焦る。


少し時間をおいて、アキナさんが夕波王国から、陛下と先代様ご夫婦を連れて転移してきた。

当然ハルナさんも。

「えらい豪華なお屋敷やね。ええなぁ…」

「ちょっとお姉ちゃん! 勝手な事はしたら駄目だからね?」

アキナさんの静止も聞かずに、“お屋敷の探検やー”と行ってしまった。

「ピナ! 追いかけて」

「はい。 お嬢様、また後ほど…」

ピナさんは私に一礼するとハルナさんを追いかけていった。

久しぶりに会えたのに…。


その後はうちの応接室で集まり、しばし歓談。

初めてこちらに来たアルフィーは召喚獣の子たちを護衛に、ティー、リズと庭で遊んでるし、王子様達も固まって話してたりと思い思いに過ごしている。


というのも、まだ海戦が始まるまでに時間がかかるから。

それまで皆さんはうちに滞在するという、とんでもな事態に。

この屋敷は、元公爵家なだけあって広いし、部屋数も多いからなんとでもなるのだけど、集まっているメンバーが本当にとんでもない。

仮にお泊り等になったとしても問題はないのだけど、これだけの人たちが集まると、私としては落ち着かない。

当然、屋敷周辺の警備騎士はふえているし、私も万全の体制はとっているとはいえ、緊張感がすごい。



流石の奈々も、こちらに来てからはおとなしくしててくれて助かる。

うちの子達から散々言われたってのもあるのだけど。

今は私の私室でみんなと過ごしてるそうで、一安心。 (飾り一つの値段聞いて真っ青になってたの)

あー。調度品は高級なものが置かれてるものね。 (一個で家が買える)

そう聞くと怖いな…。 (だからみんな大人しい)

納得したよ。



私自身は王女様方の相手を…。

「アスカ様…」

とはいっても、甘えてくるシルフィーにベッタリくっつかれてるだけ。

「シルフィー様、そんなにベタベタするものではありませんよ?」

「何故です?フィアンセなのですからこれくらいよいではないですか」

「時と場所の問題です!」

揉める王女二人に挟まれながら、今後について頭を悩ませる。 (王女サンド!)

こんな調子で、ドラツーのような閉鎖空間で大丈夫だろうか?とか。

いくら拡張してるとはいえ、限度はあるし…。



他にも気にかかる事は尽きない。

遠くからキラキラした視線を送ってくるライアン様はまだいい。

問題なのは熱い視線を送ってくるライオネスト様。

ストレリチア様が言っていた、諦めてないってセリフが頭をよぎる。

はっきり断ったはずなのに。

憂鬱だわ…。 (ママはモテモテ)

あまり喜ばしいことでもないのよ?ただでさえ負うべき責任が大きいのに。

苦痛ではないのだけどね。 (でも、ライオネスト様はついてこないの)

そうなの? (責任者として国を任されるって)

なるほどね。うちの母さんみたいなものか。 (うん!)

両親はアキナさん不在の間、国を任されるらしい。ちょっと心配だけど平気かな…。 (よっぽど?)

国は魔法防壁で守られてるし、奥様たちもいるものね。 (待機してるだけの簡単なお仕事)

何もないのが一番。 (うん!)
















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