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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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終わらせた宿題



自宅へ戻り、スマホの通信が回復した途端、鬼のような通知。

たった数日でこれ?出掛けてるから、返事できないと伝えたはずなのに。

奈々も”わかった”って納得してくれたよね?


恐る恐るメールの内容を確認すると、奈々を始め、麻帆からもメッセージが。

奈々が怒涛の勢いで宿題を終わらせたらしく、チェックする麻帆のが追いついてないらしい。


取り敢えず、頑張ったのに褒めてくれないと病みかけてる奈々へ通話。

「奈々、宿題終わらせたんだって?」

「”そうだよ! なのに、ちっとも返事くれないし褒めてくれないし!“」

まさかこんな短期間でやり切るとは思わないもの。


明日の朝にはうちに来たいというのを断る理由もない。

当然、麻帆もチェックを終わらせて来てくれるそう。

麻帆曰く、“奈々の本気を甘く見ていたわ”と。


と言う訳で、珍しく地球の自宅でたった一人で一泊。 

今回は誰もついてこなかったしな。 (ティーはいるの!)

それはね?金魚の面倒も見てるんでしょ? (うん!)



一人だし、夕ごはんはコンビニで済ませようかと思い、家を出た。

夕方とはいえ、まだまだ蒸し暑い八月。魔道具がなかったら辛かったなぁとか考えながら歩く。


コンビニまでの道すがら、帽子を目深にかぶり、サングラスをかけた人を見かけた。

暑いから帽子はおかしくはないし、眩しいからサングラスもわかるのだけど、どうも不自然…。

あくまでもカンでしかないのだけど、なにか引っかかる。

魔力のない人だから、魔法でマーキングでもしなきゃ探索で追跡もできないし、悪意の有無も判断できないからな…。 (尾行する?)

うーん…。もしうちの近所で度々見かけるようなら、お願いするかも。 (はーい)


普段から、外出すればチラチラ見られたり、時には不躾な視線を送ってくる人も結構な頻度でいるから…。

ハッキリ言って、不審者なのか、私が髪色で目立つせいなのか判断ができない。 (髪色というかさー)

なによ? (べっつにー!)

………。


暑いし、コンビニで冷たい麺を購入する。種類も豊富だし。 (ティーも!)

は〜い。分体で食べる? (うん!)

器用だなぁ…。


ティー様には冷やしラーメン、私はとろろ蕎麦を買って帰宅。

玄関を開けると待ち構えてたティー(分体)。

「おかえりママ!」

「ただいま。あっちは大丈夫?」

「うん! 魔道具作ったり、魔力充填したりしてる! ユウキたちは整地が終わっていちゃついてるの」

「あー…。その報告はいらなかったかも」

「ドラツーに乗るメンバーも決定した!」

「怖いけど聞いていい?」

ティーと二人で夕ご飯を食べつつそんな話を…。


「ドラツーに乗るのは…」

「乗るのは?」

「各国の王族一家」

「え…?」

「アクシリアス王国なら、陛下に王妃様、シルフィー様にアルフィー、王子とノワルレイナさん。護衛はアリアさんを筆頭に数名、メイドにユリネさん」

おおう…。本当に王族大集合じゃない。


グリシア王国も当然一族全員と護衛や従者。

モルチアナとサラセニアもメイドとして来るのだとか。これは多分、私のためな気もする。


夕波王国からは、先代様ご夫婦まで…。何故かハルナさんも混ざってたのはもうね?

また何か商売でも始めるのだろうか。


一番揉めたのはアキナさんのところらしく…。

五人まで! とアキナさんが人数を指定したものだから奥様達がステッキを使って戦い、メンバーの選出をしたと。

「スノウベルさんもくるの」

「なるほどね。今回は勝ち残ったんだ」

「特別枠でピナさんも来るよ!」

「特別枠?」 

「5人とは別ー。ママの忍びだし?」

なるほどね。会うのは少し久しぶりかも? (アキナさんに頼まれごとしてたから)

内容は聞いても? (学校の建築を進めてるから、通う子供たちの調査)

人数とか? (そうそう!)

元々、月の忍びなら確かにうってつけの任務だろうね。



夜は奈々、麻帆とグループチャットをしながらティーとのんびり過ごし、翌朝、早朝に突撃してきた二人と合流。

「アスカ!!」

うちに来るなり、玄関で抱きついてくる奈々。もう流石に慣れたわ。

学校が始まったら自重してくれたりしないかなぁ…。 (難しそう)

だよね。

「二人ともおはよう。すごい荷物ね?」

「夏休み終わるまで離れない!」

一週間以上此方で過ごすと!? (あはは!)

「止めたのだけど、どうしてもって聞かないし、奈々のお母様も迷惑じゃないのならお願いしますって…」

「迷惑ではないけど、麻帆も?」

「奈々だけなんてずるいわ!」

「親御さんの許可が貰えてるのなら私は構わないから」

食費は持ってきたとか言う二人に、お金を渡されそうになって揉めた。

私としては二人からそんな風にお金をわたされたくない…。


折衷案として、スーパーで二人の食べたいものを買うという話で落ち着いた。

「あ、あとうちのお母さんから、娘をお願いします、手を出してください。って!」

はぁもう…。あっちもこっちも大切な娘を簡単に差し出さないでほしい。 (奈々のお母さんはネタになるって喜んでたの)

やめてよ…。  



スーパーで沢山買い込んだ食材をストレージに預かり、一度二人を島へ案内。

ユウキとスピネルの確認もしたいし。



ーーーー

ーーー

ーー



当然のように奈々はウォータースライダーに飛びついて、自前の水着に早速着替えてる。

水着のデザインについては、前もって話してあったのだけど、今年のトレンドがショートパンツにタンクトップみたいなのや、ワンピースの様に、見ようによってはカジュアルな服のようなデザインらしい。

お陰でこちらとの親和性が高い。

「私も買ってきたわ」

麻帆も見せてくれたけど、水着というよりは本当に服のよう。

詳しくない私では見てもわからないけど、シエルなら喜びそうだな。


ウォータースライダーで遊ぶ二人を眺めてたら、ユウキとスピネルが。

「姉ちゃん、また二人を連れてきたの?大丈夫なの?魔力とか…」

「まぁ、今のところあちらへ戻れば無くなるからね。最悪の場合、対処はするつもり」

魔法が使えるような状態になったら、不味いし。 (特に奈々)

うん…。悪気なくやらかしそうな気はする。



そわそわしてるスピネルが頑張ったのを見てほしいそうなので、整地してくれた場所を確認して、お礼を伝えたら嬉しそうにしてた。

「ユウキ、アスカお姉ちゃんがほめてくれた」

「よかったな」

そう言って、スピネルをなぜるユウキは女の子の扱いに慣れてきてない? (スピネル限定?)

ならいいか…。シャーラは? (シャーラは甘えたりとかできない)

ん? (恥ずかしがってる)

あのシャーラがねぇ。ねっちょりしてるイメージしかないから、想像できない。 (それは落ち着いた)

ならいいけどね。仲良くしてるようだし。



一度みんなと合流するため、トゥルーグラス島へ向かい、魔道具やらの確認も済ませる。

さすがファリス。しっかりと私の術式を再現した物を完成させてた。

「…うん。バッチリだよ」

「良かったです。一番弟子として、不甲斐ない姿はお見せできませんから…」

魔道具に関してはファリスも私の弟子になるのか…。

私にとっては母親のような姉のような人だったのだけど。 (怒ると怖い…)  

本当にね…。でも理不尽に叱られたことはないから。 (師匠のが…)

うん、まぁ…ね? (でも嫌いじゃないんでしょ)

だね。憧れではあるし。

















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