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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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海戦準備



各国の集まった会議では、どうやって戦いを止めるかで悩んでいたらしい。

できる事と言っても、元々交流のあったアクシリアス王国と、グリシア王国から戦いを止めるようにと要請するくらいしか出来ず…。

果たしてそれで止まるのか?と。

下手に介入しすぎては戦いの火種が飛び火しかねないから、かなり慎重にならざるを得なく、苦慮していたそう。


「すみません、勝手だとは思ったのですが、私の元部下達もお世話になっているので、様子を見に行ってきました」

「なるほどね。じゃあアスカちゃんからみてどうだった?戦いは止められそう?」

「いえ…。すみませんアキナさん。戦いを止めるのは無理です」

「アスカちゃんでもだめかー…」

「力でねじ伏せては意味がないしのう…。最悪の場合はやむを得んが…」

「はい…。夕波陛下の仰られる通り、それは本当に最終手段になります」

みんなの表情は暗い…。当然だよね。

長く平和が続く世界で、戦いが起こるかもしれないんだから。

慎重になるのも無理はない。

下手したら交易そのものも取りやめになる可能性だってある。

もっと言ったら戦いに巻き込まれる可能性だってゼロではない。



私は戦いを止められない理由等を説明しつつ、対策をしてきた旨を報告した。

「ですので、戦いそのものは止められませんが、危険のないものになるよう、かといって一方に肩入れし過ぎないようにしてきたつもりです」

「「「「…………」」」」

不味かったかな…。 (大丈夫だよー)



「アスカちゃん。そのルールと、魔砲の魔道具を見せてもらえる?」

「はい」

当然説明するために用意はしてきている。


ルールの詳しい説明と、魔道具の性能等すべて公開した。

当然術式も。

アクシリアス王国とグリシア王国の王妃様なら術式で内容は理解できるはず…。


「取り敢えず、申請書類は後で用意するからサインしてね?」

そう言うグリシア王国の王妃様。

「は、はぁ…」

これは魔法学園の学園長としての要請で拒否権はないらしい。



「ねえアスカちゃん。この“公平を期すため他国の来賓による観戦”っていうのは?」

「これはあちらからの強い要望なのですが、証人として第三者に顛末を見届けてもらいたいそうです。出来ればこれから交易予定の全ての国の方に見守っていただきたいと」

「私はいいよー。こんなのすっごく興味あるし!」

「妾も海戦だというのならば、ぜひ見てみたいのじゃ」

アキナさんと夕波陛下は乗り気だね。


「アスカちゃんの事だから、こっちもなにか考えているわよね?」

「ええ。どなたが来られても大丈夫なよう安全の保証は致します。ドラツーで上空から直接観戦と、幾つかカメプロも飛ばして、ドラツー内で見られるように…」

「ならばうちとしても問題はないな。アクシリアス王国はどうだろうか?」

グリシア王国もオッケーだね。

「”当然問題ない“」

アクシリアス王国の陛下は、王妃様とシルフィーを介してファミリンで快諾がもらえた。


「ありがとうございます! では私は魔道具等の準備に取り掛かりますので、準備ができ次第、代表者の方のお迎えに上がります。メンバーが決まりましたら教えて頂けると準備がしやすいです」

私はそう言って会議の場を辞した。


さてと、忙しくなるね。 (おー! 海戦の交渉も無事終わった!)

早かったね? (うん! 相手も面白そうだとノリノリ!)

よかった…。いくらルールは決められるとは言え、難色を示されたら元も子もない。

まぁ余程相手に不利な滅茶苦茶なルールでなければ受け入れられるとは言ってたけど。

元々の海戦に使う武器の魔砲が変わるだけだからな。


私としては、魔砲の大量生産とドラツーやカメプロの準備だな。 (カメラはティーが飛ばすの!)

助かるけどいいの? (間近で迫力満点の映像をお届け!)

わかった。なら任せよう。 (やった!!)



命に関わる戦闘も避けられそうなので、うちの子達も連れてバサルア共和国へ転移。


ーーー

ーー


トゥルーグラス島の代表から交渉の詳しい報告もしてもらえた。

あちらとしても命のやり取りをするような戦いは避けられるならありがたいそうで、反発もなかったらしい。

「血気盛んな種族ですから、なにか競い合えればよかったようです」

「でも、それで元首国として認めてもらえるの?」

「その為の証人です」

なるほどね。他国の観戦者がいれば、後でごねても心象は悪くなるだけか。


ファリス達と次々と作成していく魔砲。

取り敢えず、全てに魔力充填はしておく。

これに関しては、魔族の人たちが進んで協力してくれた。魔王様のお役にたてるなら、と。

ありがたいね…。

ただ、現魔王のリズがいる前で私を魔王と呼ぶのは如何なものかと思ったけど、リズ本人は、私が魔王と呼ばれてるのが嬉しいらしい。

「やっぱりお母様はすごいのです!」

そう言って甘えてくるくらいに。可愛いなぁもう。

はからずも、私が望んだ結果になってる。幼いリズに重責を負わせたなくはないという望み通りに。


魔砲の安定生産を確認後、私はティーの飛ばすドローン用のカメプロを作成。 (カメプロ改!)

そうなるのかな。

音と映像を記録しつつ、ドラツーに設置されたモニターへリアルタイムに映せる物。


ドラツー内も、各国ごとに大きな寛げる部屋や個室も用意し、リビングには巨大モニター。

上空の安全な場所から見届けられる。 (これは腕がなるの!)

ティーが楽しそうで何より。


すべての国の準備が整うまでに、こちらの仕度も終わらせないとね。

私は一度、地球へ帰還。 (スマホ見ないと…)

だね。時間はある程度戻すとはいえ、奈々がまた病んでないとも言い切れないから…。












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