表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

630/772

ノアと



シラユリ様達がウォータースライダーで遊んでいる間に簡易の桟橋を作り、次にうちの子達と島の開発について話を進める。

やっぱり最優先は温泉宿の様で、具体的な意見を聞きつつ設計。

必要になる材料を纏めた。


「輸送は私がするわよ?」

「じゃあリアにお願いするね」

ハルナさんを介して発注するから、ユリズ・シーの港に資材は集められる。

そこからリアに輸送してもらえばいい。

チョコたちも手伝ってくれるそうだから、大丈夫よね。


購入するのは材木、布類、石材や金属。

加工は私がしてしまうけど、組み立てはみんなでやってくれるそう。

なので、組み立てやすくするつもり。 (ブロック!!)

それがいいならそうするよ? (ゲームみたいに作るの!)

ああ。そういえばティー、あのゲーム好きよね。 (うん!)

でも完成しても爆破したらだめよ? (ゲームじゃないのにやんない!)

ならいいけど。この子、すごく立派な建物を作ったのを見せに来たと思ったら爆破するから…。 (創造と破壊)

どこの神か!


ただ、完全なキューブブロックだと、固定するためには一つ一つ全部に魔石を仕込んで魔道具みたいにしなきゃいけなくなるから…。 

どちらかというと、リズに買ってあげたおもちゃのブロックみたいにパチンって嵌るブロックにしたほうがいいかな。 (楽しそう!)

ならそれでいこうか。 (わーい!)



「取り敢えず資材の発注をするためにハルナさんのところにいってくるね」

「私達は整地したりしてるわ!」

「…私がどーんってする」

「スピネル、穴開けたらだめだからな?」

「わかってる…」

なにか物騒なワードが聞こえたけど…。ま、まぁユウキもついてるし大丈夫でしょう。



私についてくると言ったノアだけ連れて、ユリズ・シーへ転移する。

「こちらでの買い物とか覚えておきたいのです。発注も私ができるようになればマスターの手間も減りますから」

「ありがとねノア。じゃあハルナさんにもしっかりと紹介しておくよ」

「はいっ」


ーー


ユリズ・シーは相変わらずの人気で、海で遊ぶ人もだけど、展示や魔道具のお店にも沢山の人があつまってる。

お土産や水着を売ってる店は空いてるから、そちらで働く魔族の人にハルナさんの居場所を聞いたら、魔道具の店で接客してると言われた。

オーナー自らですか…。

しかもあの混雑。しばらく待つしかないな。


「魔王様とお連れの方はこちらでお休みください。オーナーの手が空きましたらご案内しますから」

そう言われて、談話室みたいな部屋に案内してもらえた。

しっかりとお茶やお菓子も出してくれて、接客も手慣れてる。



店の接客に戻ると言って部屋を出ていく魔族の人を黙って見守っていたノア。

「魔族の方たちはこちらに随分と馴染んでますね」

「そうだね。私の叔母にあたるハルナさんが雇ってくれてるから」

魔族に起きた出来事、こちらに来た経緯も含め、詳しくノアに話してあげた。

キャンディ達から大まかにしか聞いてないって言うから…。


「魔王様との想い出の土地も…」

「うん。でもファリス達も元気だし、そのうち会えると思うよ」

「是非お会いしたいです…御世話になった方ですから」

少し暗い雰囲気になってしまったから、話題を変えようかと思い、ノアの希望を聞いて武器を作ることにした。



「やはりナイフが一番扱いやすいので、それがいいです」

「相変わらずスカートの中に仕込んでる?」

「はいっ」

元気に返事してスカートを捲り上げるノア。

「ちょっとノア!?」

「魔王様になら構いません。いずれすべてお見せしますし…」

そういう問題じゃないよ! 

何でその辺のガードはゆるいのに、アクセサリーは恋人になってからしか受け取らないとか頑固なのよ。



「ノアは恥じらいを持ちなさい!」

「魔王様以外にこんなことしませんよ?」

ならいいのか? ってそういう問題でもない。

でも、どうやって仕込んでるかとかは把握できた…。 (何色ー?)

やめなさいって…。ティーまで奈々みたいにおっさん化しないで。 (一緒にしないで!)

まったくもう。


「ノアはその仕込んでるナイフって投げたりするよね?」

「はい、メインの武器として投げないものは此方に…」

ヒラヒラとしたメイド服の袖口付近、手首に仕込んでるのは投合用に比べて一回り大きなナイフ。


ふむ…。

「ねぇ、ノア。今どれくらい魔力操作できる?」

「どれくらいとは…?」

まだ増えた魔力に慣れないノアは聞かれてもわからないか。

思いついた案を説明しつつ、まずは投合用に二本、メインの一本、合計三本のナイフを作ってみた。

当然、うちの子たちに渡している刀基準で作成。

大きい方はサバイバルナイフ風、仕込む方はダガーで。


「魔王様の魔力ドーム、更に洗練されましたね」

「便利だからね。これがノア専用ナイフだよ」

「ありがとうございます! 投合用ナイフの柄に魔石が仕込まれてますが…」

「うん。使い方を教えるから、やれるか試してみて。魔力操作が上達するからね」

投合用のナイフを二本、魔力操作で操ってみせた。 (すっげー…ナイフが部屋中飛び回ってる!!)


「投げた後に引き寄せて回収もできるし、自由に動かせるから背後から不意打ちもできるよ」

「魔王様、そんな芸当私には無理です! というか、魔王様にしか無理です!」

「やらないで諦めちゃう?これができたらキャンディも対応できないと思うよ?」

「…わかりました。魔王様の隣に並び立つにはこれくらいできなくては!」

元々魔力の少なかったノアの訓練になればと思い作ってみたのだから、やる前から諦めないで欲しい。


まずは一本に集中して、動かせるように教えてあげた。

はじめは浮かせるのが精一杯だったけど、投げたものを引き寄せたりとすぐに上達していくノア。

「上手いよノア。魔法はイメージだから、思い描いたとおりに動かせるはずだよ」

「はいっ!」 (…ふむふむ)

ほしい? (うん! 練習したい)

じゃあ刃になってないのを後で作って渡してあげるよ。 (やった!)



しばらくノアの魔力操作の訓練をしていたら、ノックの音。

ビクッとしたノアは魔力操作が乱れて、落ちるナイフ。

「イレギュラーが起きた時はどうしても集中が途切れてしまいます…」

そう言いながらも扉を開けて、対応に出てくれた。

うーん、ならそっちも訓練してあげるか…短期間でってなるとかなり過酷だけど。 (ゴクリ…)



部屋に来てくれたのは当然ハルナさん。

「お待たせやね。今日はどうしたん?」

「お忙しい所すみません。先ずはノアを紹介しておきます」

その上で資材の発注やら、今後ノアが私の代理になるかもしれないと伝えて、今回の発注リストを手渡した。


「了解や。 それにしても…結構な量やね。輸送はどうするん?」

書き出したメモを確認しながらハルナさんがそう言う。

「リアとチョコたちが輸送してくれるそうなので」

「ああ。ならええね。うちの一角を使こてええよ。勿論場所代は貰うけどな?」

「仲介もしていただくんですから、そこはしっかり手間賃とか取ってください」

ハルナさんは、話のわかる姪っ子で良かったと嬉しそう。



ユリズ・シーの港、その一角を貸してもらえるようになったから、現地の確認もして、ノアと島へ帰還。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ