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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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とんでもないお客様



取り敢えず変装を解いたら?とユウキに言われて、已む無く元に戻した。

「王女様!?」

「ニンジャは王女様だった!?」

騒ぎがさらに大きくなったよ!? (当たり前…)


「ユウキ、悪化したよ!」

「いや、大丈夫だって…多分」

多分て…。


もう転移でもして帰ろうかとか悩んでたら、ギルドの職員さんがみんなを止めてくれて、ようやく囲みを解いてもらえた。


ユウキ達とギルドの一角にあるテーブルに移動。

遠巻きに注目を集めてるのはもう仕方ないか。それにしても…

「ユーウーキー!」

「僕のせいじゃないじゃん! 迂闊な姉ちゃんのせいだろ」

「ちゃんと変装してきたのに…」

「よりによってなんで黒髪にしたんだよ?」

「茶髪だとユウキが嫌がるかなと思って…」

忘れたい記憶だろうから…。 (なるほど。姉ナンパ事件と断罪イベント…)

事件性はないよ!?


「あー、ごめん姉ちゃん…」

「いいよもう…」

「わう! 主様どうしてギルドに?」

「様子を見に来たんだよ。しばらく離れ離れだったからね」

「そんなにたってないじゃん。心配しすぎ」

そうは言ってもなぁ…。現に両親はとんでもないことになってたし。 (割と普段通り)

…言われたら確かに。

じゃなくて!


「島の開発も始めたから、どうするかの確認もしたくてね?」

「ああ。 スピネル、どうする?」

「…行きたい。折角みんなと一緒に何かできるなら」

「わかったよ。 姉ちゃん、ギルドの用事だけ済ませたら屋敷に帰るから、先に帰ってて」

弟に追い払われるようにギルドを出た。

確かにちょっと居心地悪かったし、いいんだけどね…。

うちの弟が冷たい…。 (嫁の前だし?)

姉になってから距離を感じるよ。 (姉にベッタリの弟もどうなのー?)

まぁね。結局なんでギルドの人達に囲まれたのかわかんないままだし…。 (かくかくしかじか!)

……そう。ギルド試験で振るい落とした人達がねぇ…反省してるなら良かったよ。 (うむ!)




帰り道でアキナさんの奥様に任せっきりになっている屋台に顔を出したり、食材の買い足しもしつつお屋敷に帰った。

相変わらず街の中だと、みんなに声をかけられたり、買い物してもサービスしてもらえたりと有り難いような、申し訳ないような…。

それもあって、ユウキ達より帰りが遅くなって叱られたから、複雑だ…。


両親には、置き手紙だけして島へ転移。


ーーーー

ーー


…なんか騒がしいね?

みんながプールで遊んでるのかと思ったのだけど、それだけじゃなさそう。 (お客様ー)

え? あ、魔力ドーム解除したままだった。チョコたちがいるからって安心してたよ。


慌てて小屋を出ると、まさかの人が!

「母上! 流石に素っ裸はいかがなものかと思うのじゃが…」

「女の子しかいないのだからいいじゃない! こんな楽しそうなの見たら無理よ」

「それはわかるのじゃが…」

「あの…すぐに用意しますから、ちょっとまってくださいなの…」

シラユリ様と夕波陛下! しかも服を脱ぎかけてるシラユリ様。

慌てて振り返ると、ユウキはスピネルに目隠しされててホッとした。


「…みたらだめ」

「わかってるから。一度小屋に戻ろう。レウィも行くよ」

「…わう?」

わんわんなレウィにはイマイチ理解できてないみたい。 (ママ達が着替えてても寝てるくらいだし?)

私達も気にしてないもんなぁ。



シエルが凄まじいスピードで二人分の水着を用意して、何とか事なきを得た。

私も簡易だけど更衣室を用意したから、お二人にはそこで着替えてもらえばいい。

シラユリ様は挨拶もそこそこにすぐに着替えに行ってしまった。

「やれやれ…母上にも困ったものじゃ。突然お邪魔して申し訳なかったのじゃ」

「いえいえ。私も少し留守にしていましたから…」

「そう言ってもらえると助かるのじゃ。母上は歳のせいか恥じらいがなくなってしまって…」

コメントしづらいからやめて? (ぷぷっ)

年齢はわからないけど、シラユリ様も見た目はお姉さんだし、気をつけたほうがいいと思うけどね。

それ以前に、隠居されたとはいえ、立場のある人だし…。



着替えの済んだシラユリ様は、ティーとリズに案内されてウォータースライダーへ。

入れ替わりに夕波陛下も着替えに行かれた。

「突然だったからびっくりしたわ」

「お姉ちゃんが帰ってきてくれてよかったよ」

「ごめんごめん。何かご用事だったの?」

「様子を見に来ただけみたいよ? そうしたらあれを見ちゃって…」

「着替えがないから脱ぐって言われてびっくりしたの…」

「ありがとね、シエル。助かったよ」

いい腕してるよほんと。


「ますたぁ、周囲の警戒はしてるけど〜護衛も連れてないみたいだから〜」

「魔法防壁張っとくね」

「ええ〜」

小さなボートで二人っきりで上陸されてるからなぁ。

よくあんなボートでって思うけど、シラユリ様ならやりそう。 (モーターボートみたいにぶい〜んって乗り付けてきたよ)

やっぱり…。


叫び声と共にスライダーの出口から射出されてきたシラユリ様。

本当に楽しんでるなぁ…。

それを見た夕波陛下は少し怯えていたけど、シラユリ様に連れて行かれた。

うちの子たちは遠慮して待っててくれてる。


「マスター。あれ…」

「うん?」

ノアが指差す先には、海の中から顔を出してる二人。

「大丈夫、知り合いの人魚だから」

「そうでしたか。でも初めてみました人魚なんて」

「私もここで初だね」

海岸沿いへ行って声をかけたら、レンさんは隠れてしまった。


「申し訳ありません。シラユリ様に同行してきたのですが…」

ジュンさん達は泳いでシラユリ様について来たのだけど、ボートのあまりの速度についていけなくて、ようやく今到着したと。

海がテリトリーの人魚を振り切るってどんな速度で来たの!? (だからモーターボート)

危ないなぁ…。 (遠くからウォータースライダーが見えて、気になったみたい)

だからって、ねえ? 

本当に早く桟橋と言うか、簡易でいいから港を作ろう。














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