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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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ゲート



うちの子達の緊急会議もようやく落ち着いた。

奈々と麻帆も巻き込んだから、地球に一度帰ってきてる。


夏休みも後半に入り、奈々は不貞腐れて機嫌が悪い。

「もう後二週間しかないんだよ! おかしいよ。こんなに暑いのに」

「確かに暑いのは辛いわよね。 それより奈々は宿題進めてるのかしら?」

「うっ…」

だろうね?奈々だもん。


「奈々、宿題終わらせたら私が夏休みを延長してあげよう」

「ええっ!?そんな事できるの? 魔王すげー!!」

「異世界で過ごすってことね?」

「さすが麻帆。正解! だから頑張って奈々」

「頑張る! 約束だからね?」

「うん。終わらせたかの確認は麻帆にお願いするよ」

「任されたわ。適当な終わらせ方したらやり直させるわ」

「酷っ!!」

しっかりやればいいだけなんだから。


奈々のやる気があるうちに、と二人は帰っていった。

夕方になってもまだまだ暑いけど、何処からかヒグラシの声が聞こえて、ほんの少し涼しく感じる。

夏もあと少し…か。



ユウキたちは向こうに置いてきたままだから戻らないとな。

急遽戻っただけだから仕方がないのだけど、また転移だなぁ…。


みんなを一度ドラゴライナ王国へ連れて行くつもりだったのだけど、もらった島の開発を勧めたいって。

そういえば色々あって忘れてたよ。ゲート作らなきゃ。

後はシエルとサインした書類を届けて…ユウキ達の様子も見て…。

やることいっぱいだわ。


「ママー見てみて!」

「うん? 凄いね。お手伝いサインもう溜まってたの?」

「お母様、リズもです!」

「頑張ったね。偉いよ二人とも」

私も何度かサインしたけど、いつの間に…。

リアや未亜は勿論、シルフィーや王妃様、アキナさんたちのサインまである。


「こっちの答え合わせも!」

魔法とかの宿題だね。どれどれ…。

「二人とも正解だね。花丸あげよう」

赤ペンで大きく花丸とよく頑張りましたって書いてあげたら大喜びしてる。


「お手伝いサイン貯まったご褒美はなにか希望ある?」

「えっとねー島で遊べるものがいい!」

「リズもそれがいいのです! フィア達も呼んであげたいからみんなで遊べるものがいいのです!」

ステッキの遊び場はもう予定されてるし、小さな子でも楽しめるものか…。


「プールとウォータースライダーでも作る?」

「プールは知ってるの! うぉーたーすらいだーは知らない!」

「わかんないのです」

ティーなら知ってるかと思ったよ。 (わかんない!)

簡単な図を書いて見せてあげたら大興奮。

「じゃあこれにしようか」

「うん!」

「楽しみなのです!」

「取り敢えずゲートだけでも設計しちゃうから、みんなに島へ行く準備をするように伝えてもらえる?」

「はーい!」

「リズも行くのです!」

部屋をかけ出ていった二人を見送り、ゲートの設計を…。


今まで作ったものを掛け合わせるだけなんだけど、魔力効率だけは良くしておかなきゃいけないから…。

頭の中で描いた設計を幾つか紙に書き出して、見比べながら調整。

…やっぱりどうしても魔力効率を良くするのにも限界があるな。

時間調整と、異世界へ行き来する座標部分は譲れないし…。

通る時だけゲートを開くのは当然なんだけど、セキュリティの面から考えても、毎回一人ずつしか通せない。

となると…認証させる時に都度少しずつ魔力をもらって、全体的な消費を減らすか。

開くのに10使うとして、認証時に2貰って8に抑えるくらいが限界だな。


これくらいならうちの子達でも魔力充填してもらっても問題がないくらいになる。

よし…魔石に彫り込んでっと。こっちと向こう用に二つ。

デザインは少しオシャレにするか。南国っぽく、青い波をイメージした空間扉。

うちの地下へのは黒くて始めは未亜が怖がったしね。


「お姉ちゃんお待たせ。ってまた何かしてる…。今度は誰に渡すの?ねぇ?」

「一度未亜の中で私がどう思われてるのか詳しく聞こうか?」

「だって! お姉ちゃんいつも誰かにプレゼントするんだもん…しかも絶対に喜ばれるものを」

「相手が喜ばないものをあげる意味がわからないでしょう。嫌がらせ?」

「そうだけど! そうやっていつもお姉ちゃんは新しく惚れさせるんだもん」

全くそんな意図はないのだけど…。未亜にとっては不安にさせてるのかな。


「取り敢えず、これはプレゼントじゃないよ。前に話した島へのゲート。みんなも集まったら見せてあげるから」

「…わかった」

「未亜、おいで?」

「え?」

「ごめんね。私が不安にさせてるんだとは思う。でもこれが私なんだ。安心させてあげようにも、こうやって抱きしめてあげるくらいしか思いつかないの」

「お姉ちゃん…。ううん…私もごめんなさい。お姉ちゃんが誰にでも優しいからヤキモチ妬いちゃった」

「不安になったらそう言ってくれていいから。怒ったりしないし、その不安を取り除いてあげられるよう私にできることはする。ね?」

「うん…うんっ!」

抱きしめてると私もホッとするし。


「あぁ!! 未亜、抜け駆け禁止よ!」

「未亜姉様ズルいの…」

「おーママがいちゃいちゃしてるの!」

「見ちゃだめなのですティー姉! こういう時は手で隠すのです」

「隙間から見てるの!」

「こうするのが作法ってアニメで見たのです」

またしょうもない知識を…。


全員とハグをして、いつもの地下へ降り、やっとゲートの説明に入る。

「私達でも魔力補充できそうかしら?」

「うん。ゲートの扉を開けるときにも少し魔力を貰うから、気をつけてね」

「わかったわ。 って何よこれ、凄くキレイだわ!!」

魔石に触れると水面を模した空間扉が広がる。

触れれば波紋も広がるから涼しげにみえるね。 (きれー!)

黒よりいいでしょ? (うんっ!)

「くぐれば島になるように座標設定はしてあるから行っていいよ。一人ずつ順番に行ってね」


リア、リズ、ティー、シエルとくぐり…

「お姉ちゃん、ありがと。嬉しかった!」

未亜はそう言うと照れくさそうにして、ゲートを抜けていった。

少しは安心させてあげられたのだろうか。


私もゲートをくぐり、島の海岸へ。

簡易拠点の部屋に魔石を設置して、2つをリンク。

細かい座標のズレもコレで調整される。

「次からゲートをくぐればこの部屋になるからね」

「お姉様…きれいなの見えないの…」

「そうだね。開く時だけ見えるものだから。まぁこっちなら目の前にきれいな海があるから」

シエルは少し残念そうにしてたけど、常に開いておくわけにもいかないからね。

シエルのお店に設置する事になったら、その時は希望を聞いてあげよう。


さてと。私は海水プールとウォータースライダーでも作りますか! (やった!!)








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