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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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閑話 アリア



アスカが弟達と再訪問した時間までさかのぼります。



アリアside




アスカ様が再び訪問された。

初っ端からユリネがやらかしてアスカ様に眠らされていたけど。

抱きついたりとか。羨ましい…。

引きずって別室に放り込んでおいた。


いや、私はアスカ様がおられるときは専属の護衛だ。

しっかりしなくては。


王妃様と王女様がいらしてから中が賑やかで少し気になる。

中で待機すればよかったかな。



突然ドアが開いて王女様、アスカ様のユウキ様と美亜様だけ廊下に。

どういう事だろう?

それに何か王女様の様子が…。



様子のおかしい王女様の事と、なにやら声が聞こえてくる王妃様の事を訪ねても答えてくれなかった。

直接王妃様にきいてほしいと…。

仕方がありません。王妃様にお尋ねするなんて事出来ませんが…。



アスカ様に呼ばれ皆で室内へ。

ぐったりした王妃様を気遣ってたら説明してくださった。

アスカ様が王女様の魔力の不調を治療した?

これとんでもないことですよ?

今までも何人もの治癒師や魔道士が試みて改善しなかったのに。

さすがアスカ様です。惚れ直しました。

王妃様もその治療を体験されたらしい。

羨ましいけど…私はほとんど魔力がないから…。




アスカ様達が街へおでかけになるようで。勿論、護衛の私はついていきます。

ただ今回はもう一人部下がついてくる。


というのも以前ギルドでの騒動の後、ギルド職員への処分がまだ決まっていないらしく。

ギルドマスターの妹である部下のルニアがどうしてもと頼み込んできたからなのだ。

事が事だから厳しい処分になってもおかしくはない。王妃様とギルドマスターが知り合いとはいえ…。


ルニアは直接謝りたい、姉の事を何とかならないかお願いしたい。そんなとこなのだろう。


本来なら止めるべきなのだろう。しかし、アスカ様ならもしかしてと思ってしまう。

大切な部下の事だし、その家族の事となると私も甘くなる。

タイミングを見計らってギルドへ案内できれば…。



お勧めの店へ案内している時にユウキ様がちょうどギルドへ行きたいと話してるのが聞こえた。

これはチャンスだ。話に割り込むようで申し訳ないけど許してくださいアスカ様。




ギルドへ行くことも了承してくれ、ルニアの話も聞いてくれるとのことで…

アスカ様達がお食事の間に、ルニアを詰め所へ走らせ場所の準備を手配した。

話の内容が内容だけにその辺でする訳にも行かない。

それにアスカ様は国賓だ。そう言うと本人は嫌がるでしょうけど…。



アスカ様達の食事が終わり、詰め所で話をしたのだが…うぅむ。


機転を利かせてアスカ様が王妃様へ手紙を出してくれた。おかげで色々ハッキリした上に、公式な書状まで王妃様から届いた。

感謝しかないです。


早くギルドに届けて部下とその身内を安心させてあげたい。

念の為にとマジックバックに近衛の鎧を入れてきてて良かった。

ルニアにも当然持たせているから着替えなければ。

王妃様からの公式な書状を届けるのに私服で行くわけにはいかない。


え?アスカ様はそのままで大変お美しいですから、大丈夫です。


道中目立つことが気になるようですが…。申し訳ないです。

それにアスカ様は何もしてなくても目立ちますよ?




アスカ様がギルドマスターに書状を渡し、これで一安心だろうか。

ルニアも彼女の姉も、これでもう気を揉むこともないだろう。

私はアスカ様の護衛に戻ります。


ルニア、貴女はこのまま今日は休みなさい。

家族でゆっくりするなり、自由にね。


別室を借りて鎧を脱ぎ、マジックバックに仕舞い、私服で扉の前に待機します。



うん? 

なにやらギルドが騒がしいですね。

ギルド職員がギルドマスターを呼びに来ました。

これは大事かもしれない。


アスカ様達を巻き込まないように、私も室内で待機します。

みなさん部屋から出ないようにしてくださいね。



なかなか騒ぎが収まりませんね、これではアスカ様達を連れてギルドを出られるかどうか…。

皆さんも何事か気になる様なので一度聴き込んできますか。

お部屋にいてくださいね。振りじゃないですからね?

ルニア、頼みましたよ。



………

思ったより深刻です。

怪我人を少し見ましたが、あの傷ではおそらく…。

何もできないのが悔しいです。


部屋へ戻りアスカ様達へご報告。

何やらユウキ様がアスカ様に訴えているようですが…。

まさかアスカ様は治癒もできるのですか?

そういえば王女様も治されました。もしかしたら…。


治療に動かれるのですね?わかりました。すぐに取り次ぎます!


急いで一階の医務室へ向かいギルドマスターを捕まえる。

アスカ様が治癒が使えるとのことで協力してくださるとの旨を伝えるとギルドマスターは走っていった。


医務室はどう見ても絶望的な状態だ。

治癒師の魔法も効果が無いようで、魔力だけが消費されてゆく。

アスカ様なら…。そんな淡い期待が頭をよぎる。



ギルドマスターとアスカ様が医務室に。



わからない、わからないけど…とてつもない事をアスカ様がしているのはわかる。

怪我人達がアスカ様の魔力で包まれた?

でも一体何が起こっているの?


ギルドマスター曰くあの魔力の中は時間が止まっているらしいと…。

そういえば怪我人の出血が止まっています。

鑑定の魔道具を受け取るとアスカ様は揺らめく魔力の中で一人ずつ治療?してるようだけど、

まだ何も変化はない。



魔力の中から出てきたアスカ様はもう終わったと。

え?数分しか経過していないし、怪我人に変化もないけど、どういうことでしょう。


アスカ様曰く魔力ドームと言うらしい、ソレを解除するから離れるように言われた。

私が扉近くまで下がった直後、弾けるように魔力が霧散し…な、な、なんてこと!

怪我人が温かな光に包まれ、傷がみるみる治っていく、無くなっていた足まで。


これは夢?それとも奇跡?


ギルドマスターも治癒師も完全に固まってるようで、アスカ様の呼びかけにも反応がない。

オロオロしだしてしまうアスカ様は大変お可愛らしい。


アスカ様と目が合いました、思わずサムズアップをした自分にびっくりです。


そうだ、アスカ様のご活躍をユウキ様と未亜様にお伝えしなければ!

心配してお待ちでしょう。


もしかしたらなんて淡い期待さえも見事に叶えてしまう…この興奮はどうしたら?



王妃様からお預かりしている、マジックバードに伝言を届けてもらわないと。

前回の事があったから、アスカ様関連で何かあったときだけ使う様にと渡された。

一方通行の伝書鳩の様な魔法らしい。一度しか使えませんが…。

小さな箱を開けると5センチほどの鳥が入っている。

手紙をもたせると、廊下の窓から王城へ向かい飛び立っていった。



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