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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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焼肉デート?



お化け屋敷だけたったから、直ぐにデートは終わってしまい…。

それだけでは寂しいから、街を色々と見て回った。

ゲームセンターで景品を取ってあげたり、リズムゲームで二人がハイスコアを出したり…。

本当にスペック高いなこの子達も。


お昼は例のうさぎカフェに二人も連れていってあげた。

ただ…誤算だったのはうさぎが二人に怯えて近付こうともしない。

「未亜からは膝に乗ってきてくれたって聞いたのに。こないわね」

「へぇー。ちっこくてかわいいねー」

二人も獲物かなんかに見えてるのか、遠くにいるうさぎを鋭い目つきでじーっと見てて…。 (ドラゴンだし)

そうなんだけどね?普段の可愛らしい様子を見てると忘れてしまうのは仕方ないと思う。


寄って来ないのに業を煮やした二人は、ガシッと捕食者のように捕まえて…。

膝に抱かれたうさぎは、まるでお皿に乗った獲物のようで可哀相になる。 (死んだふり)

もうそれに近いかも。ピクリとも動かないし。


食事が届いて、二人に開放されたうさぎは、撫ぜつつ聖魔法の癒やし効果で落ち着かせておいてあげた。

本能的に怯えていたんだろうなぁ…。



食事は未亜と来た時と同じようにオススメを頼んだのだけど、前のように豪華なものではなく。

おかしいな?と思ったら…お店の人の顔を見て納得。 (あの時は助けてもらったママへのサービス)

やっぱりあの値段でアレはおかしいもんね?

今回は追加でケーキとかも頼んだからいいけど。

お会計もそれなりになったから、あの時は本当に凄いサービスだったんだなぁと。

それに加えて、ティーの強制力の強さも実感した。 (ママも髪染めてるし)

まぁね。ありがとうティー…。 (いえいえ!!)


食後も散歩をしながら駅へ。

「アスカ、相談があるのだけど…」

「うん?どうしたのリア」

「シエルの事なんだけど、お店を出させてあげるつもりしてるって本当かしら?」

「うん。アクシリアス王国でって王妃様に話は通してあるよ」

「それ、私も聞いてるし、店の確保もとっくにされてるんだよー」

「いつの間に!? 王妃様、気が早い…」

「そうでも無いかもしれないのよ」

どういう事?


リア達が言うには、シエルはいつでも店を出せる状態なんじゃないかーって。

「大量生産してるとか?」

「そうじゃないけど…だってサイズとかもあるじゃない?」

「でもあの子の腕は本物だよー」

それは私も思うけど。二人の話はいまいち要領を得ない。


「つまり、私から一度シエルに確認してあげてほしいって意味でいいのかな?」

「さすがね、そうしてあげると喜ぶと思うわ。お金なら私達だって協力できるわよ」

「だよねードラゴライナ王国で相当稼いだし。アクシリアス王国のお金に両替くらいできるよね?」

「お金の心配はないけど…」

私自身、アクシリアス王国のお金はギルドから支払われた物がかなりあるし。 (ドラゴン墜落事件)

う、うん。その落ちてた子、今は私の恋人として隣にいるんだけどね。 (縁とはわからないもの)

本当にその通りだと思うよ。


「ありがとう、二人とも。シエルの事よく見ててくれて。私はあの子に頼ってばかりで、そういう所を気が付いてあげられてなかったよ」

「アスカが頼るのはいいのよ。シエルも喜んでるし。でも…夢があるのなら手伝ってあげたいじゃない?」

「だよねー。王妃様への繋は私に任せてねー」

この話は未亜も承知の上らしく、シエルのいないこのタイミングで私に話そうって相談してたらしい。

本当に優しくていい子達だよ…。


それなら私はシエル自身の意志の確認と、それによっては全面バックアップをして、お店を出せるようにしてあげよう。

今はこれだけ気にかけてくれる子達がいるんだから、絶対に上手くいく。

それだけは確信が持てる。

帰りの電車に揺られながらも、詳しい話は二人と詰めておいた。

シエルの返答次第で、何時でも動けるように…。


地元の駅を降りたら、うちの子達が迎えに来てくれてた。

「お母様!」

駆け寄ってきたリズを取り敢えず抱き上げる。

「みんなどうしたの?」

「お店が駅の近くだから、私達がきちゃった」

「おかえりなさいなの…お姉様」

未亜とシエルでティーとリズを連れてきてくれたのね。 (ティーは一人でも来れるもん!)

まぁまぁ…いいじゃない。 (むー)

焼き肉行くんでしょ? (そうだった!!)


駅からさほど遠くない店まで歩く。

ちょうどシエルと二人にしてくれたから有り難いね…。

「シエル、一つ聞いていいかな?」

「お姉様…?大丈夫なの」

「シエルは今でもお店を出したいって思ってる?」

「……はいなの。夢、だから…」

「じゃあ、そろそろその夢を叶えるために一歩を踏み出そうか?」  

「え…?でもうちまだ…そんなに上手く作れてるのかわかんないの…」

「シエルの服飾の腕は私達が保証するよ。 だって、今日みんなが着てる服もシエルの作ってくれたものだよ?」

「…でもお姉様や、みんなと離れたくないの…」

「それは私もだよ。だからね?こうしない?」

私が提案したのは、リア、ティアとも相談した内容。


それは、お店を完全受注の一点物のみを扱う店にする事。

お店は今ある服を参考見本として展示するだけで直接販売はなし。

あくまでもお客からの注文を受けるための場所で、制作は私達と一緒にこちらへ来て勧めてもいいし、シエルが落ち着いて作りたいのなら店の中で制作してもいい。


最初の宣伝期間はしばらく開けておくけど、その後は常に開けておく必要もない。

アクシリアス王国に滞在するティアが店番をしてもいいと言ってくれているし。

これは、ティアのアクシリアス王国での仕事が、”国に滞在している”それだけでいいから成り立つのだけど…。

普段、あちらにいても本当にすることが無くて暇らしいし…。 (いるのが仕事って言ってた)

言ってたね。


「シエルにもティアに渡しているのと同じ魔道具を渡してもいいし、少し話した転移ゲートを設置してもいい。何時でも行き来をできるようにはしてあげられる」

「………」

「焦らなくてもいいし、すぐに答えを出さなくてもいいけど…」

「やりたい! お姉様、お願いなの…力を貸してほしいの…」

「はい。任されたよ!」

全力でサポートしますとも。


「私達も力を貸すわよ!」

「うん! シエルちゃんのお店、私も楽しみだし」

「実はもうお店とかも確保されてるからねー。シエル次第だったんだよー」

どうなるかと心配で、聞耳を立ててたみんなも寄って来た。


「えっ…?」

「シエル姉様凄いのです! またリズの服も作ってほしいのです」

「う、うん…もちろんみんなのは別に作るの…」

よしっ、じゃあ私は後で王妃様に話を… (今終わったー)

早いなっ!? (商業ギルドに話は通しておくから、アスカちゃんとシエルちゃんで、後日契約書類にサインしに来てねーって)

了解。ありがとね。 (いえいえぃ!)


焼き肉を食べながらも、今後の店の事で話題は尽きない。

ティーの話では、手続きに数日かかるらしく、それが終わり次第みんなとアクシリアス王国に行く事になるね。

その時に店舗の見学等も出来るみたいだから、みんなも盛り上がってる。


「私も時々店に手伝いとか行ってあげるわよ? あっ! それ私のよ!」

「えーなんでわかるんだよー」

「私がじっくり育てたからよ!」

育てたって…。甘ダレの鶏肉を巡って争うドラゴン姉妹。


リズとティーは口の周り大変なことになってるし!

「二人とも一度拭いてあげるから、箸を止めなさい」

「えー! なくなっちゃう!」

「母様達に取られちゃうのです!」

「また頼めばいいから…。未亜、追加しといてもらえる?」

「わかったよ! みんなも他になにかほしい?」

「「「「肉!!」」」」

「うちは大根サラダがいいの…」

「了解だよ」

うちの家族で来る食べ放題は、確実にお店が赤字だな…。

申し訳ない。


90分の時間制限いっぱいいっぱいまで食べ続けて、お腹をポンポコにした四人。

ティー、リズ、リア、ティアは大満足のようで何よりだよ…。


支払いの時に不安になってお店の人に確認したら、もっと食べる人もいるからって笑われてしまった。

杞憂で良かった…。

「お姉ちゃん、大丈夫だった?」

「うん。問題ないって」

「すごっ…」

まぁ、その分私と未亜、シエルは少食だし、バランスが取れてるのかも?

そう思うことにしておく。














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