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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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リアとティア



以前のお泊り会のように、私の部屋に設置したテントで一晩過ごし、奈々と麻帆の体調確認も済ませた。

「二人とも問題ないよ。こちらでは普段通りだから」

「助かるわ。無意識に魔法とか使ってしまったらって考えると怖いもの」

「ちぇー。弟に自慢してやろうと思ったのに」

「奈々やめなさい。内緒にする約束でしょう?」

「はーい…」

怖いこと言うなぁ。今のところ本当に一般人に戻るのが救いだわ。


午後には、帰るのを渋る奈々を引きずるようにして麻帆は帰っていった。

送ろうかと言ったのだけど、また奈々がわがままを言いかねないからと麻帆に断られ、うちの玄関まで。



二人が帰り、急に静かになった玄関。 寂しくなるね…。

またすぐ遊びに来てくれそうだけど。


玄関脇の水槽で、ティーとリズが金魚に餌をあげてるから、私も覗いてみた。

「元気にしてるね」

「うん!」

「ティー姉、この子たちは大きくならないのです?」

「そのうち?」

「あまり大きくはならないと思うよ。こういう魚だからね」

しばらく見てると言う二人を玄関に残して、私はリビングへ。


ゲートの術式を設計しようかと思ったらドラゴン姉妹に捕まった。

「私達とのデートも忘れてもらったら困るわ!」

「早く行きたいー。連れて行ってくれるんだよねー?」

「どこに行きたいか決めてるの?」

あれもこれもと言い出す二人を宥めて、絞ってもらえるようにお願いする。

気持ちとしては全部叶えてあげたいとは思うけど、何日かかるやら…。


本当にこの子達はどうやってこちらの文化にここまで染まっているのか…。

情報の吸収というか、馴染むのが早い!

私なんて未だに異世界で慣れない事がおおいのに…。 (そう?)

うん。戸惑う事ばかりだよ。

その筆頭がたくさんの恋人、っていうとんでもない物だけどね。 (ママがひっかけるから)

人聞きの悪い言い方しないでよ…。わざとじゃないのに。



リアとティアは、夜ご飯が出来て食べるよーって呼ぶまでずっと話し合ってた。

お陰でなんとか絞り込めたようで。

内容は、隣街で夏休み限定でやってるお化け屋敷での肝試しと、焼き肉の食べ放題に決定。


「お化け屋敷!? リアちゃんたち本当に大丈夫?」

「ええ。だって私は話しか聞いてないんだもの」

「私もだよー」

なんの話? (学校でママがやらかした怪談)

あぁ〜…。あったねそんな事も。


焼き肉食べ放題はティーとリズも行きたがってるし、リア、ティアもみんなと一緒に行くと言ってくれてるから、一度みんなを迎えに戻る予定。

お化け屋敷は未亜が絶対にヤダ! とすでに半泣き…。





翌日、二人と一緒に家を出て、まずは駅に向かう。

ティーに言われて、念の為に髪の色は茶色に変えてる。 (そっちはそっちでまたナンパされないよーにね)

あれ、ユウキだったけどね。 (もう二度とやらないっていってたの)

当然よね。スピネルか許さないでしょう。



魔道具で対策をしているとはいえ、真夏の屋外はセミの鳴き声や、道路に見える陽炎で気分的にはすごく暑く感じる。


地元の駅からしばらく電車に揺られて、うち周辺より都会な隣街に。

こちらの駅構内に、お化け屋敷のポスターというか告知があるくらい、力を入れてる規模の大きなものらしい。


そのポスターで目的の場所を確認して、さほど遠くないからと、のんびり歩いて向かってる途中にすごい悲鳴が聞こえた。

また事件かと一瞬身構えるも、そうではなく…。

「なに!? あの建物から叫びながら飛び出してきたわ!」

「敵襲?」

「二人とも大丈夫だから。あそこが目的地だよ。あの建物にお化け屋敷があるの」

駅近くのビル、そのフロアを改装して作られてるらしく、悲鳴を上げながら飛び出してきた女性二人もお客だろうな。


早く早くと言う二人に引っ張られて、入り口で入場料を払う。

受付周辺から既にそれっぽい雰囲気がよく作られてる。


ギギーっとわざと軋むような音を立てる扉を抜けて、中へ。

暗視等のスキルは使ってなくても、詳細を把握できてしまう私には、なんとも言い難い。

「真っ暗だわ…」

「アスカー手をつないでいい?」

「いいよ。カップルは腕を組んでたりもするみたいだし」

私がそう言ったものだから、二人にそれぞれ両腕を組まれてしまった。

…まぁいいか。びっくりして転けたりしないようにだけ見ててあげよう。


要所要所で仕掛けが動いたり、変装した人が飛び出てきたり…。

二人ともビクッてはするけど、そこまで怯える様子はなく。

ただ一箇所、二人が揃って悲鳴を上げて抱きついてきたのは唐突に足元の床が柔らかくなった時だった。

クッション素材のようなもので、歩くとふわふわする。

「…ビックリしたわ。何よあれ…」

「急に沈み込むから本当にびっくりしたよー」

転けなくて良かった。


その後の仕掛けでは二人を脅かす事はできず…。

「つまんないわね…」

「もっとすごいかと期待したのにー」

そうは言うけど、魔法のない世界でかなり頑張ってるとは思うよ?

がっかりしてる二人には申し訳ないけどね…。 (……)


あと少しで出口かな?って所で突然雰囲気が変わる。

…有り難いけど大丈夫? (うん!!)

突然ぐにゃりと視界が歪む。

「な、なに!?」

「え?ちょ…」

白い影がふわふわと向かってくる。

遠くて小さかった白い影は、徐々に近づいて来て、目の前まで来ると突然大きくなり、俯いていた顔を上げ…。

物凄い形相をした女の人が耳をつんざく様な悲鳴を上げて私達に体当りする…様に見せかけてすり抜けていった。

「「きゃーーーーーーー!!!」」

今までで最大の悲鳴を上げた二人は、私に抱きついてガタガタと震えてる。

無理もない。私の使う魔力での威圧まで使ってたんだから…。

やり過ぎよ? (さすがママには効かないかー)


腰の抜けた二人を落ち着かせてあげて、魔力の乱れも整える。

「…最後のだけおかしかったわ…何よあれ…」

「思い出しただけで震えてくるよー…あれが本物?」

「…聞いたことあるわ。こういう所には本物も引き寄せられて来たりする事があるって」

「やめてよリア!」

「だってアレは…!」

ネタバラシするべきか悩むところだ。 (内緒内緒)

それもそうね。怖い体験をしたかったのが二人の望みだった訳だし。


唯一の誤算は、私達の背後にいた一般人の人にも被害があった事だろうか。 (近かったから仕方ないの)

本物が出た! と話題になり、取材も来たとかなんとか…。

ただ、当然私達がいた一回だけのものだし、他の人が見る事はなく。

それがまたリアルだと話題になってた。


テレビでそれをみたリアとティアは…。

「本物…」

「あれが幽霊?うそでしょー」

「でも見たわよ!?」

「そうだけど…アスカも見たんだよねー?」

「うん、まぁ…」

「ほら!! しかもあの一回きりなのよ?」

「怖っ…」

ドッキリ成功させたティーさん。何か言いたいことは? (大成功!!)


後日、ティーの絵日記に書かれていた内容から、察したリアとティアに追いかけ回されるティーは助けてあげるべきか悩むところ。 (ママヘルプー!)

そうなるのわかってるのになんで絵日記にしちゃうのよ…。 (ビビってた二人がおもろくて?)

…少し叱られるくらいは諦めなさい。 (えー!!)


捕まるどころか、同じ演出を家でやって、再度二人を驚かせて逃げ切ったティーは流石としか…。

最終的に、私からお説教をするようにと二人から要望が。 (ママに頼るのはズルい!)

まぁ悪意があった訳ではないから叱るつもりはないよ。 (ほっ…)

でも! 程々にね? (りょーかい!!)





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