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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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向き合うべきもの



転移して戻ってきたら、ノアに抱きつかれてびっくりした。

なんで…?私振ら… (振られたわけじゃないよ?)

え…? (話聞いてあげて)

うん…。


「魔王様! 話を最後まで聞かずに置いていってしまうのはあんまりです!」

「…ご、ごめんねノア」

「魔王様、いえ、マスターのお気持ちは本当に嬉しいのです。ですが! 私はまだ今のマスターの身の回りのお世話をできるほど此方の知識もありませんし、召喚獣としてもまだまだ未熟です。そんな半端な状態でマスターのお誘いをお受けするのは私のメイドとしてのプライドが許しません」

「そう…私が気にしないと言ってもノアは折れないもんね?」

「はいっ! 胸を張ってマスターのお隣に立てるという自信がなくては、他の方にも失礼ですから」

「私はてっきり振られたと思ったよ」

「あり得ません! 私がどれだけマスターを…魔王様の時からお慕いしているとお思いですか!」

私の勘違いじゃなかったんだね…。

ホッとしたのと嬉しいのとで、しばらくそのままノアを抱きしめてた。

嫌がらずにいてくれるから、そういう事なんだよね?



落ち着いた後、私の大切な人たちと話し合った。

当たり前だけど、世界も飛び越え全員と。

私が曖昧な態度をしていた時はやきもきしたり、悩んだりもしてたって。当然だよね…。

だけど…みんな最後には、今は幸せだよって笑ってくれたから…。

嬉しくて、ホッとして…。


それでも称号の反転が消えないのは、私がまだ罪悪感や後悔を抱えているからなんだろう。

これも向き合っていかなきゃいけない感情なんだと、そう思ったらあまり悩むこともなくなった。

だって、私にはみんながいてくれるから。



心配をかけてしまったアルディエル母様とウェルチ姉様にも報告に行ったけど、わかっていたようだった。

「アスカ、それも経験ですよ。貴女はまだ若い。色々と経験し、学び、成長すればいいのです」

「偉そうな事を言ってはみたが妾も恋愛経験なぞないからな。先代達からの知識は偉大だな?」

「母様は恋人は作らないのですか?」

「ん? アスカお前しか候補はいないぞ?」

「でも、母様は母様で…」

「焦らずともいいのだアスカ。妾は幾らでも待っておるから」

「魔王様は無茶を言ってるのですから気に病まなくていいですからね。義理とはいえ子供に手を出そうとしているのですから」

「ウェルチ、妾を責める暇があったらやるべき事を終わらせてこい」

「わかりましたよ。本当にやれやれです」

お疲れ気味なウェルチ姉様は大きくため息をついていた。


「アスカ、今は母でよい。時が経ち、母ではなく一人の人として見れるようになってからでな」

「はい…」

果たしてそんな日が来るのか…。母様はどこまでも母様で憧れの人なのに。

「待たせるとか思わずとも良いからな?既に妾の願いの一つは叶えてもらったのだから」

そう言ってまた少し大きくなったお腹をさする母様の横顔は産まれたばかりのアルフィーを抱いていた王妃様によく似ていた。


「母様、やっぱり私にとって母様は母様です、憧れの…。この気持ちが変わるのか私にはわかりません…。でも、母様の事は大好きです」

「そうか?妾にはその言葉だけで充分だ。また顔を出してくれよ?」

「はいっ!」



母様達にお礼を言って、夕波王国へ帰還。


まだしばらくこちらに滞在だなぁ…。

王妃様のご用事がまだ終わらないみたいだし。


アキナさんはちょくちょくドラゴライナ王国と行き来してるみたいだけど…。

国のトップは大変そう。

私も何かできることがあればいいな。 (ママの魔道具で行き来出来てるんだから)

それでもだよ。お世話になってばかりだし。 



「そういえばママ」

「うん?」

「どれくらい弱体化したのー?」

「…物によってはみんなとのバフがあって、ようやく元の数値になるくらい…」

「それってステータス✕嫁の人数ってやつ?」

「そうそう。今は嫁じゃなくて婚約者になってるけどね」

「マイナス効果やばっ!」

「そうね…でも、これがみんなの想いでもあるんだって実感できるから、マイナスでも悪いものじゃないって思えるくらいには落ち着いたよ」

「そっか!」

「うん」

幸いみんなにはマイナス効果は無いみたいだしね。 (そういえばティーも下がってないの)

何故かははっきりわからないけどね…。

多分、最大値までは下がってないとかそういう事だと思うよ。それに、影響が私だけで済んでるなら構わないから。

元に戻るのか、また反転するのかわからないけど、今はこれでいい。









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