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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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お土産



お腹が膨れて、機嫌も直った奈々は元気に街を歩く。

「前見なさい。危ないから」

相変わらず後ろを向いて話しながら歩くんだよね。

人にぶつかるとあれだし…。

「奈々、ほら…」

「いいの!?」

腕を出してあげたら飛びついてきた。この方が安全よね。

「ずるいわ…私はこっち!」

麻帆にも腕を組まれて、まるで拘束されたみたいじゃない?これ…。 (ある意味ママは縛られてる)

自由がない訳ではないよ!?


楽しそうな二人と街を見て回り、串焼きや五平餅みたいなおやつも買い食いして、夕方にはお城へ帰ってきた。


「ママー!」

「お母様!」

走ってきた二人のわが子を受け止める。

「お留守番ありがとね」

「いい子にしてたのです!」

「寂しかったけど我慢した!」

「ふふっ、お土産もあるからね」

買ってきたものを二人に渡してあげると、どれにしようか選んでて可愛い。


「なんか、アスカが一気に母になっちゃった」

「さっきまで同級生って感じだったのに。やっぱり子供がいると違うってことかしら。優しさが溢れてるわ」

「アスカは元々優しいわよ?」

「だよねー。 あ、それ! 私もちらっと見たけど買ってきてくれたんだ!」

「ティアのもあるから。みんなで遊んでね」

「私のは!?」

「もちろんリアのもあるよ」

独魔はうちの子たちに喜ばれたのはいいのだけど、魔力操作に長けた子ばかりだからか戦いのレベルが…。


「なにあれ、火花散ってるんだけど…」

「あれ木製じゃなかったかしら」

うん。でも、うちの子たちならやる! (雰囲気雰囲気!)



「楽しそうじゃの! 妾もまぜてくれんか?」

「いいわよ! 手加減はしないから!」

「望むところじゃ!」

陛下!? (あはは!)

まぁ楽しそうだしいいか…。

まさか夕波陛下が自前の独魔を持ってるとは。



「妾に勝とうなど百年早いのじゃ!」

「くっ! ねえ様、仇とって!」

「任されたー」


結果は…。

「うそ…」

「甘いのじゃ! ふっふっふ!」

「ママ、あれズルい!」

「まぁ、仕込まれてる魔石が大きいからね…」

「何それ!? 卑怯よ!」

「アスカーあれに勝てるやつ作ってー!」

できなくは無いけど…。


「妾のは特注じゃからの!」

そう言って勝ち誇ってるしいいか。

魔石を仕込んだだけのものだし。

サービスに演出が入るような術式だけ刻んであげよう。


いくつか作って好きなのを選ばせてあげる。

「お母様、リズはこれがいいのです!」

「いいよー。それは回るとキラキラするからやってみるといいよ」

「はいなのです!」

「ティーは… これ!」

「いいの選んだね。それは炎のエフェクトが出るよ」

「ひゃっふー!」

リアとティアもそれぞれ色の違う火花が舞う独魔を選んだ。


「アスカ特製ので泣かせてやるわ!」

「そ、それは卑怯じゃろ…?」

「先にズルしたのはそっちー!」

「なのです! お母様の力を思い知るのです!」

「ビビってるー!」

めちゃくちゃ煽るね…。


「アスカ、私も!」

「奈々と麻帆も欲しかったら」

「せっかくだし、一つもらうわ」

「私はこれ!」

奈々はまた変わったのを選んだな…。 (どうなるの?)

お菓子が飛び散る…。 (なんで!)

ネタ切れで? (だからってお菓子…)


白熱した対戦を見ていたら、レウィを護衛に街へデートに行っていたのであろうユウキ達も帰ってきた。

「またなにかしてる…」

「どーせ姉ちゃんだろ」

否定できない…。

「わう! たのしそう!」

「レウィも好きなの選んでいいよ」

買ってきたものと作ったものを選ばせてあげる。


「アスカお姉ちゃん…」

「スピネルとユウキも良かったら貰って」

「ありがと、姉ちゃん」

「いいよー」


未亜とシエルはどこいった? (お屋敷内でお料理の練習中!)

そっか、ありがとね。


独魔でボロ負けして落ち込んでる夕波陛下にも、特製の独魔とどら焼きをプレゼント。

「妾にもくれるのか!?」

「陛下のおかげでみんなと楽しく街へ出かけられましたから。お礼には些細なものですが…」

「そんなことはないのじゃ! ありがとうなのじゃ…」

「お菓子は先代様ご夫婦の分もありますから」

「後で必ず渡しておくのじゃ!」


全員私の作った独魔なら五分五分の戦いになるでしょう。 (燃えてきたー!)

私は未亜達のところに行くからここは任せるね? (はーい!)



お屋敷の料理場では未亜とシエルが一生懸命野菜の処理をしてた。

「未亜、シエルただいま」

「お姉ちゃん! おかえりなさい」

「おかえりなさいなの…」

「手伝おうか?」

「ううん! 練習だから」

「そう…。スキル上がってきた?」

「最近上がりにくくって…」

「うちはあがってるの…」

あぁ…。 中堅くらいになると一度足踏みに入るのはどのスキルも同じだっけ。


「未亜、ヒント。 新しい事や、今まで試してない事をやってみるといいよ」

「それって…」

「うん。同じことの繰り返しは序盤には効率がいいけど、途中からは伸びにくくなるね」

「そうだったんだ…」

「私も魔法で伸び悩んだことがあるから」

「お姉ちゃんでも!?」

「もちろん。初めから強かったわけじゃないし」

「そっか! わかった。ありがとう!」

未亜は、下処理した野菜を鍋に入れて煮込み出した。

何を作ってるのかと思ったら…


「コンソメ作ろうとしてる?」

「流石だよー。もうブイヨンは作ってあったから」

「すごいね…私もコンソメをイチから作ったことはないなぁ」

固形や顆粒で済ませちゃうし…。


「じゃあこれも使う?」

ミノウシの脂肪の少ない部位を渡してあげる。

「いいの?」

「うん。脂肪は少ないから大丈夫だと思うけど…」

「ありがとう!」

煮込んだあとの具材は破棄されるからな…。

とはいえ、それも活用できないわけではないから。


一生懸命頑張るのを見守るのもいいね。

手を貸すばかりが私の役目ではないし。


「お姉ちゃんのどら焼き、すごく美味しかった!」

「そう?良かった」

「またレシピ教えてくれる?」

「勿論いいよ。未亜ならアレンジもできそうね?」

「作ったら真っ先にお姉ちゃんに食べてもらうね」

「楽しみにしておくよ」



未亜とシエルが頑張ったコンソメは、それはそれは美味しかった。

「未亜姉様、美味しいの…すごい…」

「シエルちゃんも手伝ってくれたからね!」

シエルも嬉しそう。


「んっまー!! 未亜もママみたい!」

「未亜母様もすごいのです!」

「えへへ…二人にそう言ってもらえると自信つくなぁ。一番お姉ちゃんの味を好きな二人だし」

「私だってアスカの料理が好きよ! でも未亜のも美味しいわ」

「だねー。アスカ、うかうかしてたら追い越されちゃうよー?」

「それでもいいよ。頑張ってるのを応援したいからね」

嬉しそうに笑う未亜。きっと私よりずっと上手くなるよ。



「どうしよう…私料理何もできない!」

「私だって大したことできないわよ…」

「気にしなくていいから。奈々も麻帆も、当然みんなもだけど、何かできるから傍にいてほしいって思ってるわけじゃないからね。いてくれるだけでいいの」

「わう!」

「もちろんレウィもだよ」


当然キャンディたちもね。 ❲知ってるわ〜伝わってくるもの❳

ずっと霧化してたけどよかったの? ❲私の番まではおとなしくしてただけよ〜?❳

そう?気を使わせちゃったね。 ❲いいのよ〜。明日は私達の番なんだから〜❳

わかったよ。よろしくね。 ❲楽しみだわ〜❳









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