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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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ビーチと王女



二人を連れて近代ホテルみたいな宿泊施設に入り、店を探す。


ロビー近くに並べられた展示物を見ている人も結構いるなぁ。

好評みたいでなにより。


一階ロビーに、前には無かった魔道具の店が大きくエリアを締めていたから、ショップエリアを見つけるのは容易だった。

隣に併設されてるし…。ただ、魔道具の方はすごい混雑で魔族の人たちが行列の整理をしてる。


私達はそちらに用はないから、隣の店へ。

「ま、魔王様! ようこそお越しくださいました」

「ごめんね、宿泊客じゃないけど買い物って可能かな?」

「勿論です! オーナーのご身内ですし、それでなくても魔王様を歓迎しないわけがありません!」

他の客の手前、特別扱いしてもらうのは気が引けるけど、二人のためだし、今は有り難く乗っかろう。


「二人に合う水着とか扱ってる?」

「水着でしたら各種取り揃えております。試着もできますのでこちらへ」

案内してくれたのは女性向けの水着エリア。お礼を言って二人には自由に選んでもらう。

「好きなのを選んでいいよ。お金は私に払わせてね」

「でも…」

「私からのプレゼントだよ」

「…わかりました。ありがとうございます!」

「おねーさまありがとうです!」

楽しそうに選ぶ二人を見守る。

暫くしたらシルフィーがいくつか持って見せに来てくれた。


「アスカ様はどちらがお好みですか?」

片方は清楚な白いワンピースタイプ。もう一つは黒いビキニに長めのパレオとシャツを羽織るタイプ。

どちらも間違いなく似合いそうだけど…。

シルフィーの目線から選んで欲しいものが予想できた。

「たまには違うシルフィーも見てみたいから、黒がいいかな」

「そうですか!? ではこちらにします!」

正解だったみたい。よかった…。



「おねーさま、あるふぃーはこれがいいです!」

持ってきたのはトロピカル柄の短パンにシャツという、結構派手なもので…。

「アルフィーは本当にそれでいいのですか?少し派手ではありません?」

そう思うよね…。

「かわいいのにだめですか…?」

うん、本人が気に入ってるのならそれがいいか。


「じゃあそれにしようか。他にほしい物はなかった?」

「はい!」

お店の人に支払いをしようとしたら、受け取ってもらえず、代わりにメモを渡された。

なんだろう?と思ったら…。

”デートなんやろ?叔母でもあるアタシからのサービスや! 儲けさせてもろたから遠慮せんでええよ!”とハルナさんからの手紙だった。

いつの間に…と思ったけど月を雇ってるのならあり得るなと思い、有り難く厚意を受け取ることにした。

後でお礼言わないとね。


「さぁ、アスカ様も着替えてください!」

「えっ…」

「いっしょにあそんでくれないのですか…?」

うっ…そんなうるうるした目で見上げられると…。


「更衣室でしたらここのをご利用ください」

「ありがとう、じゃあ借りるね」

ストレージにシエルの作ってくれた水着を持ってて良かった。



水着に着替えて、二人に日焼け対策だけしてから海へ。

二人には浮き輪を手渡す。

使い方を教えてあげたけど、上手く乗れないアルフィーを抱き上げて乗せてあげる。

「おーぷかぷか〜です」

「アスカ様…」

何を訴えてるのかわかっちゃったなぁ…。それくらいいいけどね。


「失礼するよ」

シルフィーも抱き上げて浮き輪へ。

「きゃっ… すごい、浮いてます!」

あまり波は無いとはいえ、流されないよう二人の浮き輪についてる紐を掴んでおく。


ぱしゃぱしゃと遊ぶアルフィーの上げる水しぶきがエスカレートしていき、まともに被るシルフィー。

「アルフィー…?」

「しるふぃーねーさまずぶぬれー! あははっ」

「もう! お返しです!」

ばしゃーんと頭から派手に水を被ったアルフィー…


「…あすかおねーさま、しるふぃーねーさまがいじめます! おとなげないです!」

「アルフィー!?そこでアスカ様に頼るのはズルいです!」

「二人ともケンカしないで。楽しいもの見せてあげるから。ね?」

その言葉でケンカも収まったのは良かったのだけど、一言で効き目凄すぎない?

二人で”何だろう?”って楽しそうに…今の今までケンカしてたのに。 (ママパワーだし)

まぁ収まったのならいいか…。


二人を魔力ドームで包み、海底散歩へご案内。

泳ぐ小魚達に釘付けだったから、比較的浅いエリアをゆっくりと歩く。

「…魔力ドームにこんな使い方があるのですね、アスカ様は魔法を素敵に使ってくださるから…本当に楽しいです」

「あるふぃーにもできるようになりますか?」

「私でもこれは難しいですから、一緒にお勉強頑張りましょうね?」

「はいっ!」

私にわかる事なら伝えられるけど、何より魔法を楽しいものだと思ってもらえて、喜んでもらえたのが一番嬉しかった。




 


 







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