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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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到着 そして…



港では、アキナさんから連絡を受けた夕波陛下が護衛を引き連れて待機していた。

「アスカ、手を振ってるわよ」

「まだアスカのこと諦めてないのー?しぶといなぁー」

ドラゴン姉妹の夕波陛下への当たりが強い…。 (しつこいしー)


「なに!?どういう事?リアちゃんくわしく!」

「うっとおしいくらいアスカを口説いてたのよ。振られても諦めないのだけは感心するわ…」

「相変わらずね?アスカちゃん」

「まったくもうだよ。アスカ!」

私は麻帆と奈々からの評価があんまりな事に。 (今回のはママ悪くない)

だよね?ちゃんと断ったし! (でも、口説いてもいいとも言ったから…)

あれは仕方なくない!?やる気なくさせてしまってもいけないし…。 (じょーじょーしゃくりょーの余地あり?)

疑問系なんだ…。 (さいしゅー判断は嫁たちが…)

怖すぎるねそれ。



アキナさんも船から身を乗り出し、誰かを探すようにキョロキョロと陸側を見ているけど、やっぱり探してるのはハルナさん?

「あ、いたいた。ハルナお姉ちゃんは流石に少し離れてるか。いないかと思ったよー」

国同士の大きなイベントだから、商人のハルナさんは一歩引いてるのかな。


「セルナ、私達は後から合流するね。先ずはそっちの話をまとめてきなさい」

「はい、お祖母様。行ってまいります!」

王妃様は気合を入れて、アリアさん達護衛を連れて降りて行かれた。


私達はついてきただけの一般人だし、しばらくは船で待機かな。 

「そうだ、アスカちゃん。うちの旗のデザインを話し合おう?」

「わかりました。数はどれくらい必要になりますか?」

「今のところ定期で動く船は二隻の予定だから…。空を飛んでいくドラゴンには必要ないよね?」

「そうですね。では、予備を含めて四旗くらいでしょうか」

「だね! かっこいいのにしないと!」


アキナさんや奥様、うちの子たちも混ざってあれやこれやと意見を出し合い、ドラゴライナ王国の紋章を基軸にして、装飾を施した。

デザインもそれぞれ違う四枚の下書きが完成。

「かなり複雑になっちゃったけど大丈夫ー?」

「シエル、どうかな?」

「問題ないの…。これは腕がなるの…」

「助かるよー。報酬は期待していいからね!」

「あの、それでしたら、ドラゴライナ王国内にある服飾関係の素材が買えるお店を紹介していただけますか?シエルと一緒に行きたいので」

「勿論いいよ! ヘレーナ、店のピックアップをして話を通しておけ」

「了解致しました」

文官の奥様だね、お世話かけます…。


「お姉様…」

「シエルが仕事をしてくれる、その報酬だからね」

「ありがとうなの…!」

ドラゴライナ王国は広い。どこにどんなお店があるかわからないし、アキナさんが紹介してくれるお店なら間違いないだろうから。

お店さえ教えてもらえれば、後は一緒に行って私が支払えばいい。 (そんな事になるかなー)

ん? (なんでもないのー)

そう?



二時間ほどだろうか、船で旗のデザインを考えた後も、のんびりとしていたらアリアさんが王妃様の伝言を伝えに来てくれた。

「シルフィー様とアルフィー様をお呼びする許可が頂けましたので、アスカ様お願いいたします」

「了解しました」

「それと…」

「はい?」

「夕波陛下がアスカ様をお待ちです。なにやらお話したいことがお有りとか…」

話ってなんだろう…。 (口説くとか…)

それだったらやだなぁ。


「先ずはシルフィー様達をお迎えに行ってきます」

「お願いいたします」



ーーーー

ーー



転移したいつもの部屋では、準備万端なシルフィー様とアルフィー様が待ち構えてた。 (ティがねーまだ?まだ?ってずーっと言われてたの)

お疲れ様です…。 (うむ)


「アスカ様! やっとですね!」

「おねーさま、おまちしてました!」

「お待たせして申し訳ありません、すぐに行けますか?」

「ええ!」

「はいっ!」

お二人を連れて、まずは船へ。



ーーーー

ーー



「おー、いきなりおふねのうえです」

「アスカ様ですから!」

「どうしてシルフィーねえさまがドヤるのですか…」

「婚約者ですから!」

「むー!」

到着早々ケンカはやめて頂きたい…。


「シルフィー様、アルフィー様、お待ちしておりました。まずは夕波陛下へご挨拶のため、ご案内いたします。アスカ様もご同行ください」

「わかりました」

「私達は!?」

「すみません、アスカ様だけお呼びですので…。しかし、アスカ様の”護衛”はお任せください!」

「私もいるのよ〜?ますたぁに手を出させたりしないわ〜」

「アリアさんとキャンディがいるなら大丈夫だよー。リア、諦めよう」

「仕方ないわね、任せたわ」

「はっ!」

「任されたわ〜」

護衛って言葉に違うニュアンスを感じたのは気のせいかな? (護衛は護衛!)

うん、まぁそうね…?


「お姉ちゃん、リズちゃんは任せて」

「ティーもいるから大丈夫なのー」

「ありがとう、お願いね。 リズ、また少しお留守番だけど、我慢してね?」

「はいなのです…」

「リズちゃん、私とゲームして遊ぼうか!」

奈々は、いくつかカードゲームを持ち込んでたね。 (トランプとか、ダンジョン繋ぐゲームとか)

なにそれ…。 (カードにダンジョンの道が書いてあって、スタートから繋いでいくの)

へぇ〜。 (宝物カードとかモンスターカードもあって邪魔したり、ゴールカードを置くまでに稼ぐの)

ちょっと楽しそう…。 (たのしかった!)



「えー…奈々はズルしそうなのです」

「酷っ! 手加減はしないけどズルもしないよ!」

「そうよ?奈々って、ムキになるから手加減できないだけでズルはしないわ」

「じゃあ勝負なのです!」

奈々はお母さん扱いはしてもらえないけど、友達感覚? (せいしんねんれいが…)

それはあまりにもあんまりだ…。


「じゃあ私行ってくるから。緊急時はファミリンで呼ぶか、ティーにつたえて」

「わかったよー。口説かれてオッケーしたらだめだからね!」

「しないよ…ティアは私のこと信じてくれないの?」

「その言い方はズルいよー」

そうかな…。



アリアさんを先頭に船を降りて、港を歩く。

キャンディは霧化したまま姿を見せない。 ❲護衛だもの〜潜んでおくわ〜❳

ありがとね。


夕波王国の港、かなり規模が大きいのは島国だからだろうか。

船の出入りも激しい。

「ここが夕波王国なんですね。うちよりも暖かいです。海も青さが違いますね」

「きれー…およぎたいです」

「今はだめよアルフィー」

「わかっています。こうしきな、えっと…」

「ご挨拶ですから、ちゃんとできますか?」

「だ、だいじょうぶです!」

ふふっ。 (どうしたの?)

ううん、シルフィー様がお姉ちゃんしてるなぁと思ってね。 (ちょっと舐められてるけど…)

そうなの!? (遊び呆けてたときので…)

あぁ…。フォローしたけどダメだったのね。 (あの後もデジタルペットを大切に可愛がってたから)

欲しがられてなかった? (ケンカして王妃様に叱られてたよー)

申し訳ないことしちゃったね…。 (その分課題山盛りになってたから)

言ってたね。それって終わらせたの? (うん。シルフィー様もゆうしゅー)

そっか。 (終わらせないと夕波王国に行けないって言われたのもあるの)

あはは…。


「アスカ様?」

「シルフィー様、課題お疲れ様でした」

「そのお話はティー様から?」

「はい。とても頑張られていたと」

「そうなのです! おかげでこうしてこちらへお邪魔できましたから! それと、呼び捨てにしてくださいと言いましたよ?」

「そうでしたね…」

「敬語もなしです!」

「アルフィーもー! おねーさまとまちへいきたいです!」

「わかりま…わかったよ。でもまずは夕波陛下にご挨拶と、私は夕波陛下から呼ばれてるから、少し待っててね」

「そう、ですか…わかりました。 アリア?」

「お任せを!」

やっぱりなんかあるよね? (ママの護衛イコール新しいライバルを寄せ付けない)

……なにそれ。 (だって力で言うなら一番護衛がいらないのはママだし)

私だってか弱いよ? (は?)

言ってみただけだから。素で返さないで…。 (さいきょーまおーなのに何言ってんのかと)

酷いなぁ。



港を抜けたら待っていた馬車に乗り、夕波城へ。

途中からはどうしても歩きになるけど、二人は大丈夫かな? (ママの加護持ちとドラゴンだよ?)

そうね?


初めて見る景色に、好奇心旺盛なアルフィーが駆け出してしまい、追いかけるアリアさん。

「お待ちください!」

「元気ですねあの子」

「文化も違うし、物珍しいんじゃないかな」

「ええ…国から出るのも初めてですし」

追いついたアリアさんに捕まって抱きかかえられてるアルフィーはそれでも楽しそうで…。 (ママは追わなかったね)

だって、忍びがいるもの。 (そうなの!?)

うん。守ってくれてるよ。 (おー!)

ありがとう朱さん…。約束覚えててくれたんだ。 (約束?)

前に少し話をする機会があってね…。 (へぇー! 内容は?)

ナイショ。 (むー!)







  





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