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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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夕波王国の港へ



船旅は、嵐と海竜に出会った以降は大きなトラブルもなく進んだ。

海竜の子達が守ってくれてるのが本当に大きいんだろう。


予定していた半分以下の日数で夕波王国が見える位置まで来たらしい。

「お祖母様経由で夕波王国に到着を伝えてもらわなければいけないわね…」

王妃様も三国間の通信ができる魔道具は持ってきているけど、それを使っていきなり夕波王国へ通信をする訳にはいかないそうで…。

その辺りは国同士の通すべき筋があるのだろうね。


一時停船させて、通信魔道具でアキナさんと話してる王妃様。

手招きされて呼ばれたので、私も会話に参加。

”アスカちゃん、悪いんだけど私をそっちへ運んでもらえる?”

「わかりました、お迎えにあがります」

”お願いねー家にいるから”

直接こっちにアキナさんも来たほうが早いって判断なんだろう。



ーーーー

ーー



ドラゴライナ王国へ転移して、アキナさんのお屋敷へお邪魔したら何やら騒がしい。

「ごめんなさいね、今ちょっと権利をかけて戦ってるの」

迎えに出てくれた奥様もそう言うと直ぐに奥へ戻っていった。

権利?戦い? (船に誰がついてくかーって)

あぁ…。って、コチラにも船はあるのに? (ママのカスタムしたやつだから)

おぉぅ…。このまま玄関ホールで待つか。



待つこと十分程…。

お疲れなアキナさんと、数名の奥様が玄関ホールに集まった。

護衛は戦闘要員の奥様から四名。お世話係にはメイドさんの奥様から二名。

記録を録るためにと文官の奥様も三名。

「待たせてごめんねー。まさかこんな事になるとは思わなかったよ」

「陛下が同行するメンバーを自主性にされたからですよ」

「いつも私が決めてしまうのも…って思ってねー」

少し離れたところで恨めしそうにこっちを見てるスノウベルさんは勝負に負けたんだろうか。

ここぞって時には負けないんじゃなかった? (それがみんなにバレたから)

運の絡まない戦いになったと? (そう。護衛らしく力比べー)

ドラゴンのスノウベルさんが負けるとか…。 (護衛はみんなドラゴン)

なるほど、納得。


「では、船へ飛びますね」

「お願いするよー」



ーーーー

ーー


到着した船では王妃様達が跪いて待ってた。

「陛下、ご足労おかけてしまい申し訳ありません」

「構わん。あちらへは既に連絡済みだから、このまま向っていい」

「はい。 船長、夕波王国の港へ向かいなさい」

「アイアイサー!」

元気良く返事した船長の指示で船が動き出す。



「セルナ、どうしたの?畏まっちゃって」

「公式なものですから、一応と思いまして…」

「そっか。向こうへ着くまでは普通にしてればいいよ。疲れるでしょー」

「ええ。ありがとうございますお祖母様」

何かと思ったよ…。 (ママ達が転移するタイミングを知らせてほしいって言われてー)

そう。ずっとあの姿勢で待ってたんじゃなくてホッとしたよ…。

結構時間かかったし。


アキナさんと王妃様は情報交換とかで忙しそう。

「お母様!」

「ただいまー。みんなとお留守番ありがとうね」

「お部屋で待つように言われたので待ってたのです」

リズを抱き上げて、遠くに見える港を見せてあげる。

「もうすぐつくよ」

「前は一瞬だったのでびっくりなのです」

「そうだったね」

転移だと距離感とかわからないからなぁ。

今回は結構な時間、船に揺られてきたわけだし。



「アスカちゃん、ピナから聞いた海竜ってあの子達?」

近くを泳ぐ海竜を眺めるアキナさん。打合せは済んだのかな。

「はい。船の護衛をしてくれてます」

「まさか召喚獣どころか野生の海竜まで手懐けてしまうとは思わなかったよー」

アキナさんに、事の経緯をしっかりと伝えておく。


「じゃあうちの船にもその旗をつけたほうがいいね」

「そうですね、海竜の子たちにもわかりやすいかと思います」

幸い、海竜や海魔獣がいる海だから、海賊稼業を生業にするような船もいないそうで…。 (平和ー)

この海を越えられる、そんな強さがあったらいくらでもまっとうな働き口はある訳だし、わざわざ外道になり下がる必要もないわけだね。


「それと、本の事。ありがとね。私は専門外だからああいうのは見てもわからなくて」

「たまたま私の得意分野だったというだけですから。どうされるんですか?」

「一応、信用できる極一部の身内に調べさせて、その後は封印かな」

「良かったです」

「やっぱりああいうのは危ない?」

「はい…。実際に想定外の事が起きて、危ないと判断したようですし…」

「上手く活用できたら、確立してたのかな」

「魔獣の合成ですか?」

「うん」

「どうでしょうね…。仮に上手くいったとしても、必ず止める人がいたのでは無いかと思います」

「そっかー。もしまた似たようなものを見つけたらチェックしてもらえる?」

「了解しました」

他にはないといいな…。いくら倒してしまう魔獣だとはいえ、命を弄ぶような事はしてはいけない、私はそう思う。




「お母様、大きな港なのです!」

アキナさんと少し難しい話をしている間に、船は港のすぐそばまで来ていた。

「本当だね、降りる仕度しなきゃね?」

「はいなのです!」 (部屋の片付けは終わってるの!)

早いな…。 (ママが忙しそうだから未亜が中心になって片付けと掃除をしたのー)

そう、お礼言わないと。

私は拡張してしまったベッドとかを直すか…。 (うん!)


夕波王国へ到着したら、シルフィー様とアルフィー様もお迎えに行かなきゃ。 (わっくわくで待ってるの!)

それはそれは…。















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