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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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船旅 出港



私達がドラツーに乗り込んでしばらく後、疲れた様子の王妃様がアリアさん達を伴って乗り込んできた。

「あの子達にも困ったものね…。 お待たせ。アスカちゃん、すぐに出発してもらえる?」

「わかりました。王宮魔術師の方達はいいのですか?」

「ミルフィー達なら物資の護衛をしながら先に港へ行ってるわ」

そういう事ね。 じゃあティー、お願いね。 (ほーい!)

リズもまだコクピット? (うんっ! 隣にいるよ)

わかった、見ててあげてね。 (らじゃー)


ドラツーはすぐに飛び立ち、港へ向かう。


リビングのソファーに疲れた様子で座る王妃様。

「お二人を説得できたのですか?」

「大変だったわ…。それでね?一つアスカちゃんにお願いがあるのだけどいいかしら」

「私にできる事なら大丈夫です」

「今回、船は新しい航路を決めながら、夕波王国まで行くのだけど、あちらに着いたら二人を転移で運んでもらえるかしら」

「それはもちろん大丈夫です」

「助かるわ。諦める条件が”夕波王国へ行きたい”だったのよ。あちらへ到着したら私は公式な訪問として謁見があるから、その時に許可を貰えるようにするわ」

「了解です」

シルフィー様は前回も我慢したから…。 (今回は譲らなかったのー)

許可がもらえ次第迎えに行かなきゃね。



「ドラツーは港上空に到着したのー。すぐに着陸しまーす!」

もうついたのね。 (今回はふつーに飛んだから)

早かったね。


ドラツーはドッグのすぐ側に着陸。

近くにはミルフィーさんが待っていてくれてた。


「お姉様、いつでも出港できます」

「ありがとうミルフィー。予定より遅くなってしまったし、すぐに出発しましょう」

「二人はやっぱりゴネましたか?」

「ええ、それはもう…」

王妃様とミルフィーさんは出発前のシルフィー様達の話をしながらドッグへ向かうから、私達もついていく。



船には前回は見かけなかった船員の人達が甲板に集まってて、王妃様のお出迎え。

「いつでも出港できますぜ」

「船長! 言葉遣いに気をつけなさいと何度言えば…」

「あぁ…すまん。こういうのはどうも苦手でな」

「すみません! うちの旦那が…」

「いいのよ。もう慣れたわ。 しばらく一緒に船旅をするのだから、気楽にしてて。船を動かす方に集中してくれればいいわ。戦闘とかになったらこっちでも手を貸すから」

「ありがとうございます。航路は私が責任を持って管理します!」

船長の奥様も乗ってるのね。しかも水先案内人か…。 (船長と何が違うの?)

船長は船全体のトップ。水先案内は航路とか、操船の指示を出す人だね。 (ほえー)

大体は船長に次いでナンバー2くらいの立場になる筈。 (夫婦でえらいひと!)

そうなるね。


私達も挨拶をして、いよいよ出港。

船長の奥様とも少し話をした。

「礼儀のなってない者ばかりですが、気のいい連中なので許してやってください」

「私達はお世話になる立場ですから。よろしくお願いします。危ない事などしてしまったら遠慮なく注意してください」

「そう言ってもらえると助かるわ。船という限られた空間ではどうしても指揮系統が第一になるから」

ある意味船が小さな国みたいなものだもんね。

みんなにもちゃんと周知しておこう。



私達が使っていいとあてがわれたのは、船の内部にいくつかある、結構大きな船室。

男女で分けられるから、スピネルもこっちにいる。

「ユウキのとこ行きたい…」

「ごめんね、部屋はどうしても無理だから。 二人になりたかったらドラツーに送ってあげるよ」

「わかった…」

不安そうにソワソワしてるから見てられないな。 (とらうま?)

かもしれないね…。


みんなには注意事項や船のルールを知っている限り伝えて、甲板へ戻る。

ユウキも寂しかったのか再会するなりくっついてる。 (リア獣め!)

リア充ね? (そうともいう?)


「よしっ! 出港だ!!」

船長の一声で船はドッグを出て、大海原へ。


「うわぁ…すっご!! こんな大きな帆船が…」

「順風満帆ってやつね。帆が風を受けて膨らんでるわ」

「奈々と麻帆は船酔いとか経験ある?」

「私は船が初めてだよ!」

「私もね」

「そっか、私のあげたアクセサリーで状態異常は無効化されるから、外さないようにね」

「取らないよ!」

「そうよね」

ならいいけど…。


奈々は船のへりから身を乗り出してる。

「海がめっちゃくちゃきれい!」

「落ちるわよ!」

魔法防壁があるから大丈夫だけど、見てると不安になるな…。 

気をつけるように言っておこう。



「これがお嬢様の作られた船ですか…」

「私が作ったわけではないけどね」

「何言ってるのよ。設計から関わってたじゃない」

「お姉ちゃんが資材の強化したの凄かったよね」

「はいなのです! あんな大きな魔力が動いたのは初めて見たのです!」

「見たかったですね…」

ピナさんが残念そうにしてる。 (ドラツー追尾させるのー)

うん、お願い。隠蔽しておいてね。 (あーい!)


王妃様と船長、水先案内人は地図を広げながら相談してる。

海図っていうんだっけ…よくそんなのあったな。 

初めての航路なんだよね? (アキナさんの指示で飛んだドラゴンがカメプロつけて飛んだから)

それを元にしたの? (そうそう。アキナさんが作ってくれてた)

なるほどなぁ…。さすが女王様。 (ドラツーもろくがちゅー)

わかったよ。 もし何かあったら教えてね。 (はーい!)










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