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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章

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ギルド再襲撃?



ガッチリ鎧に身を包んだ騎士様が二人歩いてたら目立つ目立つ。

しかも、王族の近衛騎士様だ。超エリートだよ。

少し前を歩く私達は逆に目立たないかも?とか思ってた。最初は…。


「お姉ちゃん…私達めちゃくちゃ目立ってない?」

「未亜ちゃん気にしたらダメ…」

「勇者の凱旋パレード思い出すんだけど」

ユウキの言葉にそんな事もあったなぁと。

あれも恥ずかしかった。隣にいた王女様ははしゃいでたけどね。

危うく10歳程年上の王女様か、まだ6歳かそこらの王女様と婚約させられそうになったこともあった。



ギルドが遠く感じる…。

メイド姿のユリネさんのが目立たなかったなぁ…とかどうでもいいことを考えてたらやっとギルドについた。


先回りしてアリアさんが扉を開けてくれる。でっかい箱抱えてるのに器用だなぁ。

「ありがとうございます」

「はっ!」

アリアさんがいつも以上に職務モードだよ!



ギルドの中が前より綺麗になったような…?

騒いでた何組かの冒険者がこっちを見て静かになる。

そんなこっち見ないで。

「アスカ様、少々お待ちください」

「は、はい」


そう言うとアリアさんは受付にいる女性の元へ。

「王城より正式な書状を持ってきた。責任者へ取り次ぎを頼む」

「は、はいっ! 少々お持ち下さい」

あの受付のお姉さん見覚えある…前回アリアさんの剣幕に怯えてた人だ。

よりによってまたその人を選ぶとは。


受付のお姉さんは大慌てでギルドカウンターの奥にある階段を駆け上がって行った。


なにやら二階が騒がしかったが前回も話した副ギルドマスターともう一人女性が降りてきた。

背は高く、スラッとした姿からは鍛えられた強者って感じがする。

まぁでも…ユウキのが間違いなく強いよなぁ。



「私がギルドマスターのタニアです。お待たせして申し訳ありません。客間へご案内致します」

「では、アスカ様。まいりましょう」

「…はい」

ギルドマスター達からの緊張が伝わってきてこっちまで緊張してきた。

依頼を見たそうにしてたユウキも、初めてのギルドでキョロキョロしてた未亜ちゃんも大人しくなった。



階段を上がり廊下を進んで奥の部屋へ向かう。

この廊下から吹き抜けになってるギルドのロビーが一望できるんだけど…。

階下の冒険者達にめっちゃ見られてる。


「此方です」

案内された部屋は、机やソファー、書棚以外はほとんど何もなくシンプルな落ち着いた部屋だった。


「お掛けください」

そうギルドマスターに言われたけど、アリアさん達は座る素振りがない。

えーっと?どうしたら。悩んでたらアリアさんが耳打ちしてくれた。

「アスカ様、ユウキ様、未亜様がお掛けください。我々は後ろに控えておりますので」

「わかりました」


ユウキと未亜ちゃんを促し三人で座る。

ギルドマスター達は座らないのかな?

「アスカ様、彼女らに座るようにと」

私が言うの!?そうですか。


「あの、ギルドマスターさん達も座ってください」

「はい」

「失礼いたします」

気まずい! 気まず過ぎるよ!


「アスカ様、お預かりしていた書状でございます。こちらをギルドマスターへ」

「わかりました」

アリアさんから箱を受け取り、中の書状を取り出す。

やっぱり箱でかいわ。


「えっと、こちらが王妃様からお預かりしたギルドマスターさんへの正式な書状になります。ご確認ください」

立ち上がり礼をして受け取るギルドマスターさんの手は震えていた。


そのまま書状を確認したギルドマスターさんは…ガックリとうなだれてしまった。


あれ?渡す書類を間違えた?大丈夫だよね?


「ギルマス! 大丈夫ですか?書状にはなんと?」

慌てた副ギルドマスターがガクガクと体を揺するから更に悪化してる。

「お、落ち着け。大丈夫だ…。使者殿の前だぞ」

「あっ…失礼しました」

ヨロヨロと何とかソファーに座るギルドマスターさん。


「大丈夫ですか?」

「はい、みっともない姿をお見せして申し訳ない。此度のギルドでの不祥事本当に申し訳ありませんでした」

「それは、私にも責任があるので…」

もう少し穏便に済ませられたのかもだし。


「とんでもない! 管理不行き届きだった私の責任です。

それなのに、このような軽い処分になるように掛け合って下さり、書状の手配まで…」

私そんなことしたっけ…。


「すみません、その書状って見せて頂くことはできますか?」

「勿論です」

そう言うとギルドマスターさんは書状を渡してくれた。


えーっと…。


“今回の不祥事へのギルドへの処分は、職員への厳重注意。ならびに職員への再教育。

マニュアル化によるギルド職員、ギルド所属の冒険者へ指導の徹底。

交代制で責任者が常に滞在すること。不測の事態の場合は速やかに騎士隊へ応援の要請をすること。


以上”


PS

貴女相手だからつい口頭の指示で済ませてしまっていたわ。ごめんなさいね。

タニアちゃん、貴女も職員も、ちゃんと定期的な休暇取らなきゃだめよ?

今回は被害者のアスカちゃんが心配そうにしてたから軽い処分ですんでるけど…。

本当ならこんなんじゃ済まないとこだったんだから! 私でも庇えなくなるからね!

次は無いように気をつけなさい。

あとコレ、アスカちゃんに言われて慌てて作った書類だけど、ちゃんと正式なものとして作成してるから。

魔力流せば私の紋章でるでしょ?


あ、ほんとだ。書類にキレイな紋章が浮かんでる。


たまには連絡くらいしなさい。待ってるわ〜。

あ、後わかってると思うけど絶対にアスカちゃんと敵対するような行動しないようにね!





最後に酷いこと書かれてる気がする。

正式な書状の割にかっるいな!

王妃様らしいけど…。


「あ、ありがとうございます。お返ししますね」

「…はい」

受け取るとギルドマスターさんはプルプルとしながら書状を副ギルドマスターへ渡す。


受け取った副ギルドマスターさんも書状を読んで…固まったな。


「お姉ちゃん、なんて書いてあったの?」

「僕も気になる」

どう伝えたものかなぁ〜。


「やっぱり話してた通りの処分内容だったよ。これで全部おしまい」

「そうなんだ! よかったね〜。ちょっと心配しちゃったよ」

「僕もアスカ姉ちゃんに手を出したやつシメてやろうと思ってたけど、片が付いてるならいいや」

ユウキそんなこと考えてたの!?だからギルド行きたがったの?


「アスカ様、正式な公務はここまでのようなので私は護衛に戻ります。部屋の外で待機しますので」

「アリアさん、ありがとうございました」

「はっ」

一緒に外へ出ようとしたもう一人の騎士様はアリアさんに止められた。

「公務はここまでだ。 夜までに城へ戻ればいい」

「え? …はい! ありがとうございます」


アリアさんは一人で部屋を出ていった。 (アリアイケメン)












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