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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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旅行はバスで



昨日のうちに父さんが借りてきたマイクロバス。

全員乗っても余裕があるくらい大きなバスなんだけど、さすがに大きすぎないかな? (マイクロとは…)

だよね…。


ましてや、私達は手持ちの荷物も殆ど無いから、車内は広々としてる。

みんな好きな場所に座ればいいのに、私の隣に誰が座るかで揉めるのね…。

一番後ろの席を確保してたユウキが譲ってくれて、何とか落ち着いたけど、私の両隣はちゃっかりティーとリズが確保。

ジャンケンしてたリア達もそれを見て諦めた。


母さんは運転する父さんのすぐ傍でナビをするって張り切ってる。

未亜が母さんのスマホでナビを使えるようにしてくれたから、見てればいいだけみたいだけど、運転してる父さんが見るのは危ないからな。



「忘れ物はないか?出発するぞ!」

「大丈夫だよ、安全運転でお願いね」

「おう、任せとけ!」

うちで運転ができるのは父さんだけだから頼りきりになってしまう。

ちゃんと休憩とかも挟んで休んでもらわないと。



バスが家を出たのは朝の七時くらいだったから、早く起きて仕度をしていたみんなは当然眠くなる。

私の膝ではティーとリズが寝てるし、みんなもそれぞれもたれ合ったりして寝息をたててる。


宿も運良くペット可だったから、レウィも一緒。

ただ、バスの床にラグを敷いて寝るとは思わなかった…。

ブレーキ踏んだときに、慣性で滑っていかないか心配になって、こっそり対策をしておいた。



家を出て三十分程でバスは高速に乗る。

多少混んではいるけど、お盆前だからかまだスムーズに走っていく。

「夕夜、サービスエリアは止まってね」

「狭いところはトイレに行きたいとかじゃなきゃ通り過ぎるぞ?」

「それでいいよ。せっかくだし色々と見せてあげたいじゃない」

「それもそうだな」

母さん達がそんな会話をしてる。

サービスエリアか…私も小さい時以来だな。


まだ小さなユウキと一緒にテーマパークへ連れて行ってもらったんだっけ。

懐かしいな…。




しばらく高速を走った所で、大きなサービスエリアがあると看板が見えた。

そこへ入るって父さんが言うからみんなを起こす。

「一度休憩するから起きてー」

まずはティーとリズを起こす。

「んぁ?もうついた?」

「まだだよ。でも休憩で止まる所も楽しいから、みんなで降りようかと思ってね」

「おー! リア、起きて!」

「なによ…もうついたの?」

「楽しいとこにつくって!」

「えっ!? シエル起きなさい!」

「うぅん…」

私から離れてる子も起こしてくれるから手間がないな。


「お母様…?」

「一度降りるから起きようね」

「はいなのです…。未亜母様、起きてなのです」

「んんっ…リズちゃん…もう少し寝かせて…」

「ダメなのです。 置いて行かれちゃうのです!」

「ふえっ!?」

いや、置いてったりはしないよ!


「未亜、サービスエリアにつくから」

「あぁ〜! わかったよ」 


ユウキとスピネルは起きてるし、レウィも私達の声で起きた。

リードをつけなくちゃいけないけどレウィは我慢してくれるかな。 (大丈夫! 慣れてるし)

此方ではどうしても不自由させちゃうからなぁ。



バスは横道に逸れてサービスエリアへ。

思ったよりも規模の大きな店舗があるな。

「ママ、コンビニがあるの!」

「ホントだね」

24時間営業だから便利なのかな?



父さんはトイレに行ってコーヒーを買ったら、バスで休んでると言うから、私達はゆっくりサービスエリアを見て回る。

母さんは少し見て回った後、すぐにバスへ戻って行った。



店舗には、地域限定のお菓子やお土産もたくさん並んでるし、みんな楽しそうに見て回ってる。

レウィは流石に入れないから、外でお留守番だけど…。


旅行に行くって決まった昨日、リアの提案で、前もってドラゴライナ王国のお金をこちらのお金に私が両替してあげてある。

タダでもらうのは違うって言うから…。

なので、私もこれからの為にお金をためておこうと思い、両替で受け取ったお金にプラスして個別にストレージに入れてある。

これからも定期的に貯めておこう。みんなへのプレゼントだったり、ちょっとした時に使えるように…。



お土産になりそうなものをいくつか見繕った。

帰りのサービスエリアで同じ物が売ってるとも限らないし…。 (そうなの?)

店が違うし、全く同じものがあるとも限らないからね。欲しいものは買っておくといいよ。 (はーい!)


ティーはリア達にも教えてくれたから、みんな後悔しないように色々と買ってる。

マジックバッグあって本当に良かった…。 (でも仕舞うのはバスに戻ってから!)

そうね。リズも見ててあげて。 (うん!)



バスへ一度戻ると、父さんが母さんの膝枕で仮眠してたから、もう少し時間を潰そうと思い、コンビニを覗いたり、レウィを連れて散歩もして、再度バスに戻ったのは一時間程たってからだった。



「思ったよりも寝ちまったな、スッキリしたし行くか!」

「一人で運転なんだし、しっかり休憩してほしいから気にしなくていいよ」

「…なんかアスカが優しいな?どうした?」

失礼な…。


「アスカはいつも優しいわよ!」

「父さんはバカなことをして、姉ちゃんを怒らせるからだろ?」

「うっ…ま、まぁ出発するから、おとなしく座ってろよ」

言われなくてもみんな既に席についてるけどね…。



サービスエリアからまたしばらく高速を走り、水族館のある近くで高速を降りた。

宿が水族館に近いのは本当にありがたい。



バスを宿に停めてチェックイン。

部屋割りをしようとしたのだけど、離れたがらないから已む無く部屋に布団を大量に敷く事になってしまった。

まるで修学旅行だなぁ…。

宿の人は快く請け負ってくれたからありがたい。



案内された部屋にダミーの荷物を置いて、宿周辺の観光に繰り出す。

少し移動すればお城もあるから見せてあげたいし。 (こっちのお城?)

うん。大きなお城だよ。 (おー! 楽しみ)












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