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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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ドラゴライナ王国のクリスマス 後編



少し早足で人混みを抜けて、街で一番大きなツリーの元へ。


待っててくれるのは私の大切な人達。

師匠達は当然来れないから、此処にはいないけど…そちらは後日、プレゼントを持ってお邪魔する予定。

気軽に接してるけど、国のトップを担う人達だし、やっぱり気を使う。




「ごめんね、お待たせ」

「アスカお疲れー! すごかったよー。呼んでくれてありがと!」

「そうよね、こんな経験、まず出来ないもの。クリスマスに遊覧飛行なんて、どんなセレブよ」

麻帆はヘリのチャーターとかの話をしてるのかな? (ヘリより優雅だし安全!)

当然だよ。人の命を預かるんだからね。



序列なのか、並んだみんなから順番にプレゼントを受け取った。

もちろん私も準備してるから交換する形で手渡す。



「ありがとう。私だけたくさん貰ってるね…」

「そんなことないわよ?」

「私達もそれぞれ交換してるからねー」

あ、そうなんだ? 言い出したのはリアかな? (当たり!)

そういう所に気がつくのってだいたいリアだからね。 (ティー達も貰ったの)

良かったねー。 (ふふーん)



「お姉ちゃんが中心ではあるけど、私達も家族だもん!」

「それなー?未亜ちゃんいいこと言うね!」

奈々は相変わらず軽いな。 (ママにはめっちゃ重いのに…)

…それに関してはコメント控えてもいい? (許可します)

ありがと。



特に何をするでもないけど、大切な人達と見て回るクリスマスの街。

それだけの事なのに、こんなに幸せなんだ…。

両手は代わる代わる繋がれては離されてって(せわ)しないけど、それはもう、ね?

私の責任だし。受け入れると決めた以上、私にできるのは大切に想い、守る事。

それだけは絶対に揺るがない。



いくつかお店も入ったりとしていたら日付を越えてしまった。

名残惜しいけど、立場のある人もいるからあまり連れ回すわけにもいかない。

みんなも同じ気持ちなのが伝わってきて嬉しいけど…

「夜が明けたらまた街に来ませんか? 昼間の街も素敵だと思いますから」

そう言って説得。


お屋敷に帰った私は、まだ起きてたユウキとスピネルにもプレゼントを渡した。

二人とも当たり前にお返しを用意してくれてるのよね…。

「ありがとう…二人とも」

「こっちこそだよ。最高のクリスマスだったし」

「うん…素敵な思い出ができた…。アスカお姉ちゃんありがとう」

良かった…。弟カップルにも喜んでもらえたみたい。


両親や、ルナシアさんたちの部屋、お祖母ちゃんたちの部屋…お世話になってるけど直接手渡せなかったみんなの部屋の前にもプレゼントを置いて回った。

アキナさんのお屋敷へはピナさんにお願いして届けてもらった。当然ピナさんの分も。


最後に…寝ているティー、リズ、レウィの枕元にもプレゼントを置いた。

いつもありがとうっていう感謝の気持ちと共に…。




翌朝、師匠の所へプレゼントを渡しに行こうとしたらリアに止められた。

「…これ持っていって。私達から」

リアが代表で預かってるらしい。

「ありがとう…。一緒には行かない?」

「なんか照れくさいからいいわ」

ふふっ、そっか。

「ママ、これも!」

「うん?魔石…」

「カメプロで撮っといたの」

「なるほど、ありがとうティー」



ーーーーーー

ーーーー

ーー



師匠と、メリアさん、それにイアリスさんへまずは皆からのプレゼントを渡した。

当然のように師匠達も用意してるのはなんで!? (シラナイノ)

うん、ティーだね? (ふひひ)


「クリスマスとはどのようなイベントなのですか?」

「ちびっ子から話は聞いたが、いまいち想像できなくてな…」

「見てみたかったです、イルミネーション?でしたっけ…」

ここまで見越してたのかティー…恐ろしい子!! (できる子良い子です!)

本当にそのとおりだよ、ありがとう。 (ママもプレゼントありがとうなの!)

いえいえ。


ティーの撮影してくれたクリスマスの様子を見てもらいながら私からのプレゼントを手渡した。

「ありがとうございます、アスカ様。私からは此方を…」

「私からはこれだ!」

メリアさんと師匠からは綺麗にラッピングされたプレゼントを頂いた。


「…あの、私はこれを…」

イアリスさんは何を!? (うわぁ…)

「お前!! 聖女の自覚はどうした!」

「…その手がありましたか! じゃないです! イアリス、何をしてますか!」

いやいやいや…。待って、ちょっと待って!

自分をラッピングしてプレゼントって…。聖衣の下になにしてんの!? (乱れた聖女はそれでも力を失わない)

やめようよ…。不穏すぎるよそのタイトル。間違いなくR18指定だよ! (えー)


当たり前だけど、師匠とメリアさんに怒られてる。

「いいじゃないですか…」

「いいわけがあるか…全く。油断もスキもないな」

「はしたないですよイアリス」

「その手があった、とか聞こえましたが?」

「…気のせいです!」 (言ってた)

言ってたね…。


「仕方ありません、こちらを…」

「ありがとうございます」 (それ大丈夫…?)

多分…。ちゃんと包まれたプレゼントだし。


メリアさんは国の復興の参考にしたいと言うから、人に見せないことを条件に、プロジェクターと魔石の映像をコピーして置いてきた。 (機密とかは撮ってないから平気!)

うん、撮影したのがティーだからね、そこは信頼してる。 (ふっふっふ)


もう一箇所寄ったら帰るから。 (はーい! 出かける用意して待ってるの)

うん!


ーーーーーー

ーーーー

ーー


転移したのは当然アルディエル母様の所。

「アスカ! 今日はどうした?」

母様にもカメプロの映像を見せつつ、クリスマスの説明をして、プレゼントを手渡す。

「なるほどな、いいイベントじゃないか…」

「陛下、こちらでも開催してみますか?」

「そうだな、国の皆が喜ぶのならやってみる価値はある。手配を頼む」

「わかりました」

「ウェルチ姉様待ってください! これ…」

「私にもですか?」

「はい」

「ありがとうアスカ。また改めて顔を出しなさいね」

「そうだな、待っているからな?」

「はいっ!」

アルディエル母様は一度見ただけで、カメプロもイルミネーションも理解してしまっているから、すぐに再現すると思う。


此方でもきっと素敵なクリスマスが開催される、そんな気がする。



ーーーーーー

ーーーー

ーー



慌ただしかったけど、帰宅した私はみんなとまた街へ出かける。

昼間だから街に人も多い。当然護衛にピナさんもついてくれてるし、アリアさんも護衛の仕事に専念。

申し訳ないけど、シルフィー様にアルフィー様もいるから、正直助かる。


今年も異世界ですごすクリスマス。

変わったのは、私自身の意識と、傍にいてくれる人達との関係。

これからもみんなと仲良く一緒にいたいな…。そんな願いをクリスマスに…。



メリークリスマス。みんなが幸せなクリスマスでありますように…。 (メリクリーー!)


「お母様、どうしたのです?」

「なんでもないよ。 リズ、解けてるからマフラー巻き直してあげるね」

「はいなのです! お母様からのプレゼント温かくてふわふわなのです!」

「喜んでもらえて良かったよ」

「ティーとお揃いだし!」

「なのです!」

ティーも巻き直す? (やってー!)

はーい。











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