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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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ドラゴライナ王国のクリスマス 中編



現代で言うクリスマスイブにあたる今日は、日が沈んだら子供達を乗せてソリで飛ぶ。

今回は子供達が近くにいるから、コスプレの露出も控えめで助かる。

シエルに感謝だな…。キャンディもお揃いにしてくれたし。


ソリには護衛としてスノウベルさんが同乗してくれるし、キャンディもいる。 (ティーとリズもプリンで一緒に飛ぶの!)

許可もらえたもんね。 (ふふーん!)


初めはリズが私の傍に乗るって言って聞かなくて困ったのだけど、そこはティーが上手く説得してくれた。 (リズより小さな子がいる前で甘えてていいのー?って言っただけ)

それ、結構効いたみたいよね…。甘えてくれるのは嬉しいけど、今回私は仕事だから甘やかせないし…。助かったよ。 (ふふーん。ティー達だけの時は甘えるからいいの)

それはもちろんどんとこいだよ! (やった!)



ドラゴンの里からはルナシアさん、フィアとニレも招待されてるし、アクシリアス王国からは、アルフィー様もシルフィー様と参加してる。

護衛としてアリアさんとティア。お世話係にユリネさんも。

「アルフィーは去年のクリスマスを見せてあげられてませんから…アキナ様から正式に招待していただきました」

「おねーさま! よろしくおねがいします!」

「任されました!」


グリシア王国からは当然、ストレリチア様とモルチアナ、サラセニアも。

まさかライアン様まで来てるとは思わなくてビックリしたけど。

「アスカ様、弟共々よろしくお願いします」

「お世話になります!」

「特別なお祭りですから、楽しんでくださいね」



奈々と麻帆も許可をもらって連れてきてる。

「こっちはもうクリスマスなのね」

「ファンタジー感ずっげー!」

私達もアクシリアス王国で同じ感想だったな。 



他国のお客様は特別枠で少し早い時間にソリに乗るから、あと少ししたら飛ぶんだけど…。 (どうしたの?)

リコとツキも早く呼んであげたいなぁと…。 (あぁ!)

アキナさんから許可は貰ってるのだけど、ツキが忙しいみたいで…。

滞在時間に制限もあるし、ギリギリまで待ってってリコに言われてるんだよね。 (次期精霊女王は大忙し)

本当にね…大変な役目を押し付けちゃったかなって。 (張り切ってるから大丈夫!)

だといいけどね…。



一先ずお客様と、うちの子達を連れて一番大きなツリーを見に来た。

「わぁ〜……」

「すごい…きれー!!」

フィアとニレに好評だね。

「招待してくださった女王陛下には感謝しかありません…」

「ルナシアさん達もお祭りの功労者ですから」

うちの屋台を手伝ってもらったし! (うんうん!)


「ツリーの規模が凄まじいわね…ここへ来るまでも全てがクリスマス一色だったわ」

「まるでテーマパークのクリスマスじゃん! やっば…」

イルミネーションを見慣れてる奈々と麻帆でも、ここまでの規模は中々見ないと思う。



「アルフィー、飛んではダメです! お行儀よくする約束でしょう?」

「ううー ちかくでみたいです…」

シルフィー様がお姉ちゃんしてるなぁ。 (ママ、そろそろツキも呼んでいいって!)

わかったよ!


ツキを呼んだことがないから、ちょっと緊張するな。 (ママが会いに行ってたし)

だね…。


「リコ、ツキ、おいで!」

二つの魔法陣が現れて、ぴょこっと顔を出したのは小さなリコとツキ。

「ママ、遅くなってごめんなさい」

「ううん、いいよ。こっちこそごめんね。ツキも大丈夫?」

「うん、ママに初めて呼んでもらえた」

リコに止められてたからなぁ…。


仮の姿みたいな小さな身体だし、長時間はいられないけど、見せてあげたかったから…。

二人を肩にのせてツリーを見上げる。

「素敵ね…私のツリーハウスより大きいわ」

「お母さんの本体?」

「ええ」

リコのツリーハウスもイルミネーションつけたなぁ…。 (だいぶ前な感じ!)

だねぇ。


「お嬢様、そろそろお時間です」

「わかったよ、ありがとうピナさん」

「いえ、お客様もご一緒にご案内致します」

「お願い。  ユウキ、スピネル、こっちは任せるからね」

「大丈夫だって。未亜姉ちゃんも、シエルもルナリアも子供じゃないんだし。レウィもいるんだから」

「わうっ!」

「任せて…」

「そうよ?ソリに乗れないのは仕方ないから我慢するわ。でも後で時間作ってくれる約束は忘れたら嫌よ?」

「うん、仕事が済んだら、ここで待ち合わせだよ」

「待ってるからね、お姉ちゃん!」

「雪が降ると寒くなるから、暖かくしてるんだよ」

「お姉様、お仕事頑張ってなの…」

「うん! じゃあ行ってくる!」




ピナさんに案内されて、ソリを待機させてある広場へ。

召喚獣の子達もここで待機してくれてる。


親衛隊の見張りもついてて、一般人は立ち入れない。

入り口で敬礼されてるのはもう諦めた…。 (仕方ないの)


全員ソリに乗ってもらい、安全ベルトや、注意事項の説明の後、遊覧飛行と降雪の一回目に出発する。

「チョコ、安全運転でお願いね」

「大丈夫よ〜みんなとシミュレートは完璧なんだから〜」

街へついてこなかったキャンディはそんなことしてくれてたのね。

「ありがとう、じゃあ行くよ!!」



私の声と共にチョコが飛び上がる。

あっという間に試練の塔と同じくらいの高さまで上昇。


後ろからはみんなの楽しそうな声が聞こえる。

そろそろ降雪始めるか。 (高さ的にも充分!)

了解、ありがとう。

「キャンディ、お願いね」

「ええ〜!」

私は魔道具をオンにして、クッキーとラムネにもサポートを頼む。


アクシリアス王国より遥かに広いドラゴライナ王国は、魔道具だけではキツかっただろうから本当に助かる。 (すっごい牡丹雪なの!!)

リズは平気? (はしゃいでる!)

雪はリズも初めてだもんね。 (うん!)



王国をぐるっと回るように飛んだ遊覧飛行は、乗ってくれたお客様に満足してもらえるものになった。

着陸した時に言ってもらったお礼がその証だろう。


リコとツキとはここでお別れ。

そろそろ時間的に限界らしい。

「二人とも来てくれてありがとうね」

「ママに呼んでもらえて嬉しいもの、それに素敵なものを見せてもらえたわ」

「ありがとうママ。また頑張るから会いに来て」

「うん、必ず行くよ」

二人には一足先にプレゼントも渡した。

魔法陣が展開され、帰っていく二人。 (少し寂しい…)

うん、また会いに行こう! (あい!)



降りたお客様と入れ替わるように、ドラゴライナ王国の子供たちが乗り込む。

キャッキャと大騒ぎしてて、スノウベルさんが大忙しだったから、手伝ってベルトをつけさせた。

「危ないからいい子にしてるんだよ」

「はい! 王女様!」

「本物…?」

「偽物なんていないんだよー」

「映像で見たから知ってるの! でも本物のがキレイ!」

「ありがとう。直ぐに飛ぶからねー」

子供達にもしっかり周知されてるなぁ…。 (むしろ子供人気が凄い)

アキナさんも言ってたね…。なんか直接体感すると恥ずかしいけど、ちょっと嬉しいかも。



子供達を乗せ換えては飛ぶ、それを五回繰り返して。

街も程よく雪景色に染まってるね。 (十センチくらい積もったの)

そんなに?これはキャンディ達のおかげだなぁ。


多少ムラはあるし、王族エリアや、商業地区は控えめにはしてあるけど、それでも上空から見た限り王国は雪景色に染まってた。


さてと…私は待ち合わせの場所に行かなきゃだね。 (みんな待ってる!)

わかったよ。 (リズが眠そうだし、ティー達は帰るの)

ありがとう。お風呂入って温まりなさいね。 (あーい!)












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