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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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海水浴



昨日はいろいろあったから、今日はのんびりしていいってアキナさんからの伝言をピナさんが届けてくれた。

ピナさん自身はアキナさんの護衛兼サポートで夕波城へ行くらしい。

「昨日の騒ぎは私としましても看過できませんから。しっかりお嬢様への保証を勝ち取ってきます」

「無茶しないようにね?」

気にしてないって私が言っても無理なのはわかるから、それだけ伝えて送り出した。




私達は自由にしてていいのなら、せっかくだしみんなと海岸へ行ってみる。

綺麗な南国の海を間近で見たい。


ここのビーチはハルナさんの経営しているユリズ・シーの利用客しか使えないプライベートビーチらしく、今回ドラゴライナ王国関係者の貸し切りになってるから、他に人もいないから落ち着く。


みんなは、早速泳ごうとか言い出してホテルから水着できてる。

私もみんなに言われて着替えたけど、こちらの水着は本当に露出が少なくて有り難い。


日焼けしないよう、全員に耐性魔法だけはかけてあげた。

未亜とシエルには浮き輪を。

リアとティーリズにはバナナボート。


召喚獣の子達も出してあげていいと許可をもらってるから、ラムネがバナナボートを引っ張ってくれてて乗ってるみんなは楽しそう。


ティアはやっぱりそれを見て怯えてる…。

「またあの子達怖いことしてるなー信じらんないよー」

「じゃあティアも浮き輪でぷかぷかしとく?」

「その方がいいかなー」

浮き輪を抱えて海に行くと未亜のマネをしてプカプカと。

何ていうか段々と見慣れた海の風景になってきた。


私はパラソル代わりに魔力ドームを展開。

日陰になるように設置して、ビーチで喜ばれそうな物を考えてみる。


プライベートビーチだから、当然海の家とかはないし、有っても雰囲気に合うのかはわからない。

ただ、一応メモに書き出しておく。

後は…さっき作った浮き輪やバナナボートか。

それと、今は魔力ドームでパラソル代わりにしてるけど、それもあるといいかも。


「ますたぁ、せっかくのビーチで何してるのよ〜」

「ごめんね、私は仕事も兼ねてるから」

「真面目ね〜みんなますたぁと遊びたがってるわ〜もちろん私も…ね?」

そんな色っぽく抱きつかれるとびっくりするよ。


「まずはみんなと遊んで、意見も聞いたほうがいいかな?」

「そうよ〜」

キャンディに腕を引かれるように海辺へ。


「お姉ちゃんー! すっごく水がきれいだよ!」

「ほんとだねー」

映像でしか見たことのないような透明度の海は、陽の光を反射してキラキラと本当に綺麗…。


「ママー!」

ティーに呼ばれて振り返ったら思いっきり水をかけられた。

「不意打ちは酷いよ!?」

「遊ばないのはもったいないの!」

こんなきれいな海だもんね。よしっ…。


「じゃあお返しだー」

「きゃーー!」

軽く手を振って飛ばした水しぶきを頭からかぶるティー。

「わほーーい!」

楽しそうで何より。


浮き輪で浮いてる子達はチョコが起こす風で波間を揺れてる。

このビーチ、三日月状の内海になってるからか大きな波が来ないんだよね。

危なくないのは有り難い。

うどんとボタンは塩水をかぶりたくないのか、私の設置した日陰でのんびりしてて可愛い。


「姉ちゃん水上バイク作ってよ。あとサーフボード」

「いいけど、危ないから泳いでる子達からは離れて乗りなさいよ」

「わかってるよ!」

安全対策はしておくけど、危険は元から断っておかないと。



私がユウキに頼まれたものを作っていたら、みんな集まってきちゃった。

「アスカはまた何を作ってるのよ?それ、ドラゴンの鱗よね?」

「サーフボードっていって、上に乗るものだよ。ドラゴンの鱗は丈夫なのにものすごく軽いでしょう?」

「それはそうだよー私達飛ぶんだから」

それを切り出してサーフボードっぽい形にして、誰でも乗れるようにバランサーの役目をする魔道具をつけただけ。


水上バイクも同じ要領だけど、船体には木材も使用しているし、水流ジェットを発生させる魔道具が取り付けてある。 (いいなぁ! 乗りたい!)

いくつか作っておくよ。 (やほーい!)



「お姉様、じゃあこれは何でできているの…?」

「浮き輪? それは水棲の魔獣素材だよ。浮き袋っていう部位があってそれを利用してるの」

「海魔獣素材…」

「そうね」

とはいえ、魚でも浮き袋は持ってるのもいるしなぁ。 (そうなのー?ぷかぷか?)

ううん。浮き輪みたいに浮いてしまう訳ではなく、泳ぎたい深さを維持するための器官だね。 (ふむー?)

水族館に行った時にゆっくり見てみようね。 (あい!)




みんなに見守られながら作ったのは、水上バイク三台に、サーフボードは十枚ほど。

知らない子達のために、ユウキがスピネルと実演して見せてくれた。


スピネルの乗る水上バイクにロープをつないで、それに捕まってユウキはサーフボードに乗る。

ユウキは水上バイクが起こす波に上手く乗ってトリックをしてみせた。


「すっげー!!」

「リズもやってみたいのです!」

「いいよー。水上バイクは、マジックボードと同じような操作方法で乗れるから。ただ、水の上は陸とは感覚が違うから気をつけてね」

「わかったわ! じゃあまずは私が運転してあげる! ティーはそっちに乗ってみなさい!」

「おー!」

「リズは私とこっちに乗るわよ!」

「はいなのです! リア母様!」

リアならマジックボードを乗りこなしてたから大丈夫かな。

二人乗りで走り出した水上バイクのロープに捕まり、ティーは華麗にサーフボードに乗る。


「泳いでたりする子もいるから離れて乗ってねー!」

「わかってるわ!」

ほんと、うちの子達は器用だわ。

あっという間に乗りこなしてる。



「アスカー…なんかこうもっと安全でホッとできるものないのー?」

うーん…。

ビーチボールは違うし、ビーチチェア?


取り敢えず作って設置はしてみたけど、遊ぶっていうよりは休憩よねこれ。

「私は好きよ〜これ」

キャンディはよく似合うな。もう海辺のギャルじゃん…。サングラス渡しとこう。


ティアには、悩んだ末にサンドキャッスルを作れる様にバケツやスコップやらの道具を渡してあげた。

使い方も教えてあげて、簡単なオブジェを作って見せたら意図がわかったらしく、作り始めた。


「砂でこんな風に遊べるんだねー」

「のんびり遊ぶならいいでしょ?」

「うん! 未亜、シエルも手伝ってー!」

浮き輪でプカプカと浮いてた二人も巻き込んで何を作るのやら。


しばらくしたら魔法を使いだしたものだから、道具を渡した意味が無い。

規模のでかい砂のお城が作られていく。

自由に飛んでいたクッキーとプリンも気になったのか降りてきた。


波打ち際を走り回ってたレウィも合流。

すごい勢いで穴を掘って、砂集めてるんだけど…。 (なんかそっちも楽しそうなことしてる!)

砂遊びしてるだけだよー。 (おー!)

私が思ってた砂遊びなんてレベルじゃなくなったけど、みんなが楽しそうならいいか。



「なんやのあれ!! ちょっとアスカちゃん!?」

大きな声にびっくりして振り返ったら、ハルナさんと、アキナさん、護衛のピナさんが海岸に来てた。

夕波王国とのあれこれも済んだのかな。 (お祖母ちゃん達は?)

ホテルにいるね。貸し切りだから建物の中で自由にしてるって言ってたよ。

温泉とかもあるし。 (ティーたちも行きたい)

後で行こうね。 その前にこっちで砂を落とさなきゃだな…。

いっそシャワールームがいるか?



「ハルナお姉ちゃん落ち着きなって。みんな遊んでるだけなんだから邪魔しないであげてよ」

「そんなん言うてる場合ちゃうで! 絶対売れるやつやん!」

みんなの希望を聞いて作ってたら、目的を達成できたのかも? (一石二鳥)

楽しんでるみんなを見れたから、私には一石五鳥くらいかな! (ふふ〜♪)













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