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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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籠城戦?



お祖母ちゃんやアキナさん達にも詳細を伝えて、ハルナさんのホテルへ戻ってもらう。

うちの子達も戦闘を任せる、ユウキ、レウィ、スピネル、リアとティア以外は撤収してもらった。


ティーみんなの事任せるね。 (あい! こっちには実体のある分体出して戦うの!)

わかったよ。じゃあ本丸はティーに任せる。 (やほーい!!)


忍びの人がうちの家族の撤収を見届けて報告に行ったな。監視もつけたのね…。

巻き込みたくないってのは私と同じなのかも。


「お嬢様、私も残ります」

「ピナさん、任務です。うちの子達とアキナさんを護衛して確実にホテルへ送り届けて」

「…はっ」

気持ちは嬉しいけど、仲間と戦わせたくはないから、ごめんね。



ユウキとスピネル、レウィには三ノ丸。

つまり一番最初に接敵し、戦う場所を任せた。

一番広いエリアだし、レウィの機動力がものを言う。

上空にはチョコとクッキーも待機してもらってるし、戦況も把握できる。


二ノ丸にはリアとティア。

恐らくは三ノ丸で足止めしきれない、空を飛ぶ鳥の一族がくるだろうから飛べる二人にお願いした。


本丸にはティー。

多分ここに来るのは三ノ丸と二ノ丸で陽動する部隊から離れて、単独で戦力のある白さん達三人だろう。

白さんのご両親が来る可能性も考えたけど、ティー曰く指揮してるらしいから、除外した。


私は天守で陛下の護衛。

通常なら白さんの役目になるであろう立ち位置。

だからティーには白さんを通過させてもらえるように頼んである。


みんなに作戦を伝え、派手に戦ってほしいけど、加減しながら足止めしてっていう無茶なお願いをした。

それでも快諾してくれたから感謝しかない。


「すでに包囲されて一般の兵が無力化されていってるから、急いで配置について」

「わかった。スピネル、レウィ、行こう!」

「…アスカお姉ちゃんのお願いだから頑張る」

「わう!! 任されました!」


「行きましょう、ねえ様」

「だねー。アスカのお願いだし、ひと暴れしますかー!」


「みんな頼んだよ!」

加減をするって意味で…。 (あはは!)

ティーもお願いね。 (任されたー!)

ギリギリまで実体化しないティーは今、姿が見えないけど頼れるうちの子だから。 (〜♪)



さてと…私は天守で陛下の護衛しますか。


天守へ入り、急な階段を登っていたらクッキーから戦闘が始まったと知らせが来た。

確かに遠くで戦いの音がしてる。

急がないと。


外からの見た目は四階だけど、中は六階建ての天守を駆け上る。

五階で陛下と、護衛をお願いしていたキャンディと合流。

「ますたぁ遅いわ〜この人と二人にしないで〜」

「なにかされたの!?」

「私は平気よ〜ただ、ますたぁの事をしつこく聞いてきて鬱陶しいのよ〜」

「ごめんね、代わるよ」

キャンディに手を出してなくて良かった…。 ❲そんなのさせないわ〜私に触れていいのはますたぁだけよ〜❳

だね。 ここにはラムネもいてくれるからキャンディは自由に動いていいけどどうする? ❲大丈夫だと思うけど〜ますたぁの傍にいるわ〜❳

わかったよ。


「何が起こっとるんじゃ? お主が天守におれというから、来たのに、お主はおらんし!」

「音、聞こえませんか?」

「ん? ……騒がしいのじゃな?二次会でもしとるんか?」

平和すぎでしょ頭の中…。国が平和になったから仕方ないのかもだけど。


「戦いが起きています。この城が攻められてるんです」

「なんでじゃ? 相手はアキナか!?」

「本気でアキナさんがそんな事をすると思われますか?」

「思わんが、怒らせたのは妾じゃし…」

一応自覚はあるんだ。


「それよりじゃ! なぁ?よいじゃろ?妾はこの国の国王じゃから、不自由させんぞ」

「なんの話ですか!」

「妾と契ってくれ! 番になるんじゃ」

それまだ言ってたんだ…。 ❲ますたぁも罪よねぇ〜❳

何もしてないんだけど!?

そもそも陛下は状況を理解してる?攻められてるって私伝えたよね? ❲頭お花畑ね〜❳

否定できないね…全く。 これは白さん達も苦労するわけだ。


ちょっと抱きつかないで! 相手は国王陛下で手荒なことできないんだから。




「なぁ〜良いではないか。誰とも番ではないんじゃろ?なら妾のものになってくれてもよいじゃろー」

階段を上がってきた白さんが、あまりの光景にコケたよ!?

ほんとにこの方は…

「状況わかってます?お城が攻められてるんですよ!」

「わかっておるんじゃが…ようやっと二人きりなんじゃから…」

まだ抱きつこうとしてくるから、手荒にならないように押しのける。

白さんも呆れた表情してるし、人望失うよ!?



白さんと目があったから頷いておく。それで伝わるはず。


「義理あって、夕波陛下に助太刀致します」

ストレージから出したのは聖剣。やっぱり扱いやすいから。

全力の白さんを止めるのなら、数打ちやなまくらでは無理。


「私達にも譲れない理由がありますから…御覚悟を!」

スキル使ったね。戦闘力が跳ね上がった。

多少イライラしてるのは陛下のせいだろうなぁ多分。


私が白さんの重い一撃を受け止めたから、その衝撃が伝わったのか、すがりついていた陛下も流石に焦った様子。


「しろ…?どうしたのじゃ? 何でこんな事をするんじゃ…」

「………」

「白!! 妾を裏切るのか?!」

「………」

「白…」

返事をしないまま、絶え間なく続く斬撃。

それを受け止めながら陛下の様子を伺うと、ションボリと落ち込んでる様子。


今なら話をしっかりと聞いてくれるかな?

「陛下は白さん達忍びがどうしてお城に攻めてきたと思いますか?」

まずはこれが大事。白さんが本気で攻撃してきたのを目の当たりにして、攻めてきたのが忍びだとは理解したはず。


「…わからんのじゃ。給金が足りぬのか?」

そう受け取るか…。やっぱり説明しなきゃダメだな。

「質問を変えましょうか。陛下は忍びってなんだと思いますか?」

白さんを指差す陛下。

うん、そのとおりなんだけどね?

私が聞いてるのはそういうことじゃないんだよ…。



「今日は私の家族が協力してくれて、各郭の守備をしてくれました。本来ならそこに兵や風を配置して、戦況は月の部隊が集めて、その情報は鳥の部隊により陛下の元へすべて集まるのです」

「戦いの最中でもか?」

「そうですよ。それができるのが忍びです。 集まったその情報を上手く活かすか、無駄にして陛下御自身の命まで危険にさらすかは、陛下次第なんです」

「……」 



現に今も私はチョコやクッキーから情報が来てるし。


ティーが鍛えてあげる体で遊んでる事も。 (バレたっ)

ユウキの所は乱戦がひどいみたいだね…スピネルが大きな精霊魔法使った!?

真っ黒で見えない…って。大丈夫かな。加減はしてくれてるはずだけど…。


リアとティアは飛行してた鳥一族を無力化ね…。そのまま狐獣人と戦闘か。

まぁ、任せるといったし、見守ってあげて。お願いね。


みんなも頑張ってくれてるし、私はこっちをなんとかしなきゃな。


「そもそも、本来なら攻め込まれるずっと前に花が兆しとなる情報を掴んで、月が探りをいれていれば、攻め込まれることすら防ぐ事ができるかもしれないんですよ?」

大きな戦いの前は必ず人とお金、物資が動くから。


「妾は今回、騒ぎが起きるまで何も知らなかったのじゃ…」

騒ぎが起きても気にしてなかったじゃない…。


仕方ない、少し言い方はきつくなるけどちゃんと伝えなきゃ。

「今の陛下では、ハッキリ言ってしまうと、攻め込まれたら確実に命を落とします。そうなった時、この国はどうなると思いますか?」

「国が、街の者達が…」

「そうですね。陛下の守るべき大切な国、そこに生きる人すべてを失うかもしれませんね」

「だめじゃだめじゃ! そんな事…。父上が築いてきたこの国を妾の代で潰してしまうなど、決してあってはならないのじゃ!」

自分より、国やそこに住む人を大切には思ってるんだ。ちょっと見直したよ。


「でしたら、よーく考えてください。これから陛下がすべき事は何かを」

「わかったのじゃ…。それができたらまた口説いてもよいか?」

冷たくしたつもりなのに、諦めないのはすごいわ。

ここで否定してやる気を削いでもよくない…か。


「…そうですね。お話を聞くくらいなら…」

「約束じゃぞ!」

相手は国王陛下だし、話くらいは聞きますよ。受けるとは言わないけどね。 ❲また、ますたぁは〜…❳

これは仕方なくない!? ❲まぁ〜そうね〜やれやれだわ〜❳

呆れられたよ…。陛下のせいだからね!!

 

「白、もうよい。すまなかったのじゃ…。花鳥風月すべての忍びを本丸に集めてくれるか?」

「御意」

刀を収めた白さんは袂から出した笛を吹いた。

多分戦闘終了の合図だろう。



さてと…私はみんなを迎えに行きますか。

「私は家族と合流して、帰りますね」

「ありがとうございました」

白さんもついてくるの?

陛下はほっといていいのかな!? あー…月がいるか。


流石に陛下も落ち込んでるし、今はそっとしておこう。



キャンディ達にはお礼を言って送還。

海で遊ぶときには喚んであげよう。ハルナさんから許可もらえるといいな…。









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