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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第八章

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戦闘と事後処理



穏便に…、そう思ってた私は甘かった。 (だから言ったのに!)


レウィはフェンリルサイズになって、ユウキとスピネルを乗せて走り回り、部隊を蹴散らしながら分断してるし、リアとティアは片っ端から殴り飛ばしてる。

あーもう、めっちゃくちゃ!


近くにいるリズと未亜、シエルは私の後ろに庇い、魔法防壁で覆う。

「セア、今助けるからな!」

そう言いながら私にターゲットを絞って切り込んでくる男の人。

なんで私!? (本能的に強そうだからとか)

やめてよ…。何もしてないよ私。 (むしろ庇ってたのに! ムカァ!)


あの人の構えてる太刀って、白さんの持ってた刀の対かな?拵えが同じだ。 (ママは守るの!)

私がプレゼントした、ニ振りの刀を装備したティーが守ってくれると前へ。

加減してね! (……はーい) 


ティーは私のお願い通り、斬撃を受け止めて弾き飛ばすに留めてくれた。

相手の刀は圧し折れたけど…。 (……)

殺気は向けられたままか。

ティーはその場で刀を振り、殺気を向けてた人は遠距離から飛ばされた紫色の斬撃が当たりボロボロになって転がった…。

加減した…? (した)

そう…。怒ってる? (うん! でも抑えた)

ありがとうティー。 (フンス!)


ボロボロになった人を見て凄まじい殺気を向けられる。次は誰かと思ったら…。

今度の相手は部隊を率いてきた、恐らくは白さんのお母様。てことはまさかその人お父様? (さぁ?)


向かってくるお母様は、構えから判断するなら居合い? 

「…ラムネ任せたー」

ちょ…ティー!? 


首に巻き付いて大人しくしててくれたラムネは飛び上がると、本来の姿になって、刀を抜くか否かって体勢の相手を尻尾で後方へ叩き飛ばした。

ラムネ、助けてくれたのは嬉しいけど、加減した? 

そう…ブレスは我慢したのね。

大丈夫かな、郭の壁を突き破って吹っ飛んでったけど…。 (あれくらいなら平気)

ラムネも加減したって言ってるしね。


あー、ピンピンしてるなぁ。

突き破った穴を抜けてまた斬り込んできた。

「セアを離しやがれーーー!!」

はぁ…もう。収集つかないね。

申し訳ないけど止めさせてもらうよ。 (やっちゃえママ!)


一気に戦闘を止めるならアレしかない。

味方以外へ向けて威圧を飛ばす。 (えー…ボコさないのー?)

やんないよ! 助けに来ただけの人達なのに。 (ママは優しすぎる!)

これが私のやり方なの。 (はーい! そんなママが好きー)

ティーもラムネもありがとね。 (ふふん♪) 

ラムネは落ち着いたのか小さくなってまた首に巻き付いてくれるから撫ぜておく。 

うちの子達も少し暴れて溜飲も下がったかな。 (多少は?)

多少なんだ…。


刀を落としてガタガタと震えてるお母様にはちょっと申し訳なくなる…。

「ごめんなさい。ちょっと落ち着いてもらえますか?」

震えたまま後退るから、スリープで眠らせる。

取り敢えず戦闘は止まったのだけど、後処理のほうが大変そう…。


「アスカちゃんは交渉に参加してね。被害者だから」

夕波陛下と本丸にあるお屋敷へいってたアキナさんたちも戻ってきた。

あれだけ騒げば仕方ないか。


せめて白さん達を助けられるようにしないとな。


「ハルナお姉ちゃん、ここは任せるね」

「はいよー」

ハルナさんの指示で、倒れてる忍びの人達がみんな縛られていってるんだけど…。 (致し方〜なし!)

私は交渉に参加させてもらえるのなら、そちらからできる事をするか。



お屋敷内では、襲撃した理由等の事情を夕波陛下の口から直接聞いた。

結婚相手を見つけるためね…。それなら自分で動きなさいよ。

とは言っても国王陛下では難しいか。


アキナさんが一方的に夕波陛下に和解のための条件を提示。

当然飲むしかない訳で…。

かなりの賠償金やらで、国として痛手だろうな。

自業自得なんだろうけど。

もう少し違う手段を取れなかったんだろうか。仲間を捨て駒のように使う人は好きになれない。


「アスカちゃんも言いたい事、希望があるなら言っていいよ!」

「では…今回襲撃した人達全員の処遇を私に委ねてください」

「まさか…始末するのか!?」

取り乱すって事は大切には思ってるのかな?陛下は忍びを誤解してるのかもしれないね。


「質問じゃなくて返事! シラハにはそんな権利ないよ」

「うぅ…わかったのじゃ…」

「ありがとうございます」

よし、言質取れた!


「後はこっちでやっとくよ。この後、食事会もあるから戻ってきてね」

そう言ってくれたアキナさんに任せて、私は白さん達の元へ。



「ママこれ!」

駆け寄ってきたティーに渡されたのは、さっきティーが圧し折った太刀。

「ありがとね。随分きれいに…折ったと言うか斬ってるなこれ」

「ママの作ってくれた魔剣だし」

「相当いい刀だから、ティーの腕も良くないと無理よ?」

「ふふー褒められたー!」

取り敢えず撫ぜとこう。 (〜♪)


返すにもこのままじゃあんまりだよね…。

「リペアー…」

「くっついた!」

「元に戻しただけだからね」

いい刀ではあるけど、白さんが扱うには重いんだろうなぁ…。

重ねが厚いから通常の刀より重いし。

私が振ってもバランスが悪くて扱いにくい。

いくら切れ味が良くても扱いにくかったら意味ないよね。

人によってはこれが扱いやすいって事もあるんだろうか…。


折ったお詫びに細工しとくか…。 (何するの!?)

持ち主の手に馴染むように重さとかのバランスを整える魔道具をつけるだけ。 (だけ…)

扱う人が変わっても、その人に最適になるように。ピナさん曰く、刀ってのは引き継いでいくものらしいから。



「お嬢様、こちらも…」

「ありがとうピナさん」

私に気がついて、こちらへ来てくれたピナさんが渡してくれたのは、取り上げられてた白さん達の装備。 (取り上げたのピナさんだけど)

まぁね…。ひん剥くかと思う勢いだったからなぁ。 (ピナさんもママが狙われて苛ついてた)

そっか…。

「処遇はお嬢様に一任されたと伺いました」

「うん。後は任せて」

「はっ…」

「ピナさんはアキナさんのところへ行ってあげて」

「しかし…」

「奥様でしょう?今はピナさんしかいないんだから護衛しないとダメだよ」

「…わかりました」

ごめんね。ピナさんの様子から、白さん達を助けるって言ったら反対されそうだから。



「ママ、これなに?」

ティーが忍び装備をあれこれ見て、気になるものを見つけたらしい。

「それは手甲だね。手首を保護する物だよ。 棒手裏剣も入ってるな…さすが忍び装備」

「へぇー! かっくいい!」

そうだ! 戦闘時に常に装備するであろう手甲に魔道具を仕込めば、身体強化の反動も肩代わりできる!


白さんの付けてた手甲に似せてもう一つ作り、棒手裏剣が入れられてるスリットの一つに棒状にした透明の魔石で作った魔道具を入れる。

これが反動の肩代りをしてくれるから、もう痛みに苦しまなくて良くなる。

「何でそんな場所に手裏剣?」

「緊急時に武器として使えるってのもあるけど、防御効果も期待できるからって何かの本で見たよ」

「ほぇー…」

「ティーも欲しかったら作ってあげるよ」

「欲しい! ママみたいに投げ短剣上手くなりたい!」

「ティーならきっとなれるよ」

ティーの細腕に合わせて作った手甲も渡してあげる。


「ありがとうママ!」

「ん。じゃあ私は白さん達のところへ行ってくるよ」

「ティーはリズ達のとこー」

「この後はみんなで食事会らしいからね」

ハルナさんが手配してくれてるみたいだから豪華になるはず。資金は夕波王国持ちだし…。

バーベキューは戦闘が起こったせいでめちゃくちゃになったから仕方ないね。



本丸の大きな木に縛られてる白さん達のところへ近づいたらとんでもない事になってた…。

ハルナさんか、ピナさんか知らないけど、これは酷いよ! (そっちはハルナさん)

怪我してたり、気を失ってる白さんのご両親を木に吊るすなんて!

しかも白さん達が縛られてる真上にとか…。 


先ずは根本に縛られてる白さん達を開放して、それからだな。








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