狩猟大会の終了 そして…
あとがきに少しお知らせがありますので読んで頂けると嬉しいです。
狩猟大会中に遺跡調査を進めて数日。
資料とかも随分と集まった。本や日記、雑貨や貴金属類も。
元々ダンジョンに設置されていたであろう宝物類もいくつか。
アキナさんの奥様に混ざって、麻帆が資料整理をしてくれてる。
「まず一番古い資料から順番にまとめましょう。見やすくなりますから」
「そうね…その方が順を追って調べれるわね」
イキイキしてるな麻帆。
資料整理に専念するからと、麻帆はダンジョンには潜らなくなった。
それでも楽しそうにしてるからいいんだよね。 (奥様にも頼られてる!)
すごいな…。
「私達ドラゴンからすると一昔前〜くらいの感覚だけど、人にとっては違うんだねー」
「そうだね。人は百年も生きたら長寿だから」
何千年なんて想像もできない。 (ママは魔王だから…)
わかってる…。魔力の増えたみんなも同じでしょ。 (うん! 正式に契約ってなったらママと同等になるよ)
それは、いい事なのかな…。 (うん?)
アルディエル母様の所で聞いた話し…。長く生きるとそれも苦痛になるって。 (ママと一緒なら大丈夫)
そうだといいけどね。 (アキナさんの奥様達を見てたら)
うん…みんな楽しそうだし、活き活きしてるよね。
まぁ今からそんな先の心配しても仕方ないか。 (だよー)
みんなには、その時また最終確認をしなきゃだけど…。それもまだ先の話。
狩猟大会の終了後、私達は撤収するけど、奥様達の実働部隊がダンジョン攻略を続け、事務方が資料をまとめたりと、大忙しみたい。
作った拠点が役に立つのなら作ったかいもある。
麻帆が伝えた資料整理の方法がわかりやすかったみたいで、ここはそれで統一されたそう。
帰る時に麻帆は残念そうにしてたけど、ずっと滞在するわけにもいかないから仕方ない。
地球へ戻るとスキル等が無くなるから、持ち出したとしても読めないし…。
なんだけど…、あまりに麻帆が悲しそうにするから、二人にもマジックバッグを持ってもらって、何冊か許可をもらって本を持ち出した。
案の定、地球では取り出す事すら出来なくて、麻帆が落ち込んでる。
私としてはある意味ホッとしたけど…。
「アスカにもらったステッキも出せなくなった!」
「それはいいのよ。どのみち、こちらで使わない約束でしょう?」
「そうだけど…」
「本くらい読みたかったわ」
翻訳スキルもないからこちらでは読めないよ、って言ったら凹むかな。 (たぶん?)
魔法も二人は帰ってくると一切使えないからなぁ…。
「アスカちゃん、私も将来そっちへ行くわ! 夢ができたの!」
「本気!?」
「うん。それに、アスカちゃんもそちらにいる様になるのなら嫁の私が行かないのはおかしいでしょう?」
この目は本気だなぁ…。 あと、みんなもう嫁認識なのね。 (称号がそうなってるし)
奈々も麻帆も、ご両親になんて説明するのやら…。
私も他人事ではないから、実際そうなった時には説得するなりしなきゃだね。
ま、それもまだ先の話。
私達はまだこちらでは学生だし。
二人を送り届けてから、またドラゴライナ王国へとんぼ帰り。
というのも、狩猟大会の終わった後に、夕波王国へ行く時間をアキナさんがとってくれてるから。
うちの家族は当然行くのだけど、奈々は家族旅行で海外に行くし、麻帆はお母様のご実家に帰省するらしくて、同行できないって言われた。
二人は残念がってたけど、仕方ないね。
一度行けばまた私が転移で連れて行くことは出来るから、また後日遊びに行ってもいい。
初めて行く国には、当然不安要素もあるし…。
今回の夕波王国への訪問は、私もある意味仕事の一環になる。
通信魔道具へ波長の登録やら、南国で役立ちそうな魔道具の開発等、やらなければならない事もある。
アキナさん達も正式な国交の話し合いかあるから、当然グリシア王国の三人も連れてはいけない。
一人は王女様だし…。
アキナさんの話だと、アチラの国王様はクセのある人みたいだからなぁ。
「シルフィーもお留守番だからね」
「お祖母様!?どうしてですか! うちは国交の話し合いが進んでますよ!」
「だからだよー。正式に国交が結ばれていない国の王族、しかも継承権一位のシルフィーを公式な訪問に同行させるのは無理だよ」
「はい…」
「お忍びなら構わないから、後でアスカちゃんと遊びに行けばいいよ。今回は公式な訪問だからごめんね」
「理解致しました」
さすが王族。しっかりと理解してるのか、素直に引き下がってくれた。
私も初めて行く国に、シルフィー様を連れて行くのは心配だったから助かります。
同行するのは、ハルナさん、アキナさん、お祖母ちゃん、お祖父ちゃん。
うちからはティー、リズ、未亜、リア、シエル、レウィ。
ティアは一度アクシリアス王国に帰るけど、好きなときに転移して来れるから、また来てくれそうな気がする。
ユウキとスピネルは確認してないけど、多分来てくれると思う。
シャーラは狩猟大会が終わった時点で帰還してる。
デートで狩りってどうなの?って思ったけど、うちも似たようなものだった…。 (うむ…デートでダンジョンツアー)
夕波王国では、用事が済めばバカンスを楽しんでいいってハルナさんに言われてるし、それで埋め合わせしよう…。
「明日、一日は休息に当てるから、明後日に夕波王国へ出発するよ。移動は転移するから」
「みんなも連れて行くんやったら、ついでなんやしタダにしてくれてもいいやないの…」
「それなら私達の宿泊費全額タダにしてくれる?」
「うっ…わかった! 半額! それでどないや?」
「…みんなは必要なものとかあったら明日のうちに買い物に行ってもいいからね」
「六割引や! な?」
「明後日の朝イチに迎えに来るからね」
「あ、ありがとうございます」
ハルナさんはどうしてもタダは嫌らしい。 (けっちーの!)
商売人だねぇ…。
転移で国を跨いで飛べるというのは、旅費を考えたら相当な額になるらしく、宿泊費と比べてもタダで転移させるのは割に合わないってアキナさんも譲らず…。
平行線のまま、言い合いをしながら帰っていった。
ティアやシルフィー様達も一度アクシリアスへ送り届けたりと、にぎやかだった狩猟大会から随分と人が減ってしまった…。 (寂しい?)
それはね。人が増えたことに慣れちゃったし。
狩猟大会の嬉しい成果としては、みんなが正式なギルドカード、しかも倒した魔獣のレベルに比例してランカーになったことかな。
今回の狩猟大会が試験も兼ねていたから余計にしっかりと評価してもらえた。
うちは私と、いつのまにやらティーまでカメプロをまわしてたのもあって、誰が何を倒したのかしっかり記録されてたし。 (ドラツーにカメラついてるし)
また高額の報酬を貰ったのは、以前と同じ様にギルドに預けてある。
みんなかなりのお金持ちになってしまって…まるでいつぞやのボードゲームが再現されたみたいになった。 (みんなママの嫁だし)
ま、まぁ…いずれは…ね?
みんな現状維持を望んでるし、焦るつもりもないよ。
次話から夕波王国編に入ります。
それにあたり、別視点のお話も挟んでいきます。
別シリーズ扱いにすることも考えましたが、同じシリーズなので纏めることにしました。
外伝扱いで本編と交互くらいに上げていきますのでよろしくお願いします。
タイトルに別視点と分かるように表記します。
本編だけでも話は分かるように書いたつもりですが、読んで頂けると嬉しいです。




