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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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前哨基地



クッキーの帰還を察知したから、ドラツーの滑走路へあがる。

「ありがとうクッキー」

アキナさんからの手紙を受け取る。


明日にはこちらへ来れるから、遺跡の近くにベースの設営をして、転移に備えてドラツーも出しておく…か。

奥様達も同行するみたいだから、ベースは結構広めに確保しないとだな。 (周り全部森なのに?)

切り開いていいって書いてあるよ。 (なるほどー)


ドラツー内に戻ってみんなにも報告。

ベースの設営をしに行こうかと思ったのだけど、みんな協力してくれるって。

「ありがとね。じゃあ先ずはドラツーを降ろせる範囲だけ切り開くから、そうしたらティー?」

「はーい! ドラツー着陸させます」

「お願いね。 その後は皆にも協力してもらうね」



ドラツーから飛び降りて、直径十メートル程の範囲を切り開く。

風魔法で樹を切り倒し、土の魔法で根やらを砕き均す。 (はっや!!)

降ろしていいよ。 (らじゃー!)


ふわーっと降りてきたドラツーは、音もなく着地。

魔法防壁を織り込んだ魔力ドームで広範囲を覆う。


ティー、扉開けていいよ。 (あいあいさー!)

ドラツーから降りてきたみんなは呆れ顔!? なんで…


「お母様凄いのです!」

「アスカのこんなの見せられたら、私達何したらいいかわからないわよ!」

「まだやるべき事はあるよ?」

「お嬢様、我々にも役目を残してください…」

だって、先ずはドラツーを降ろさなきゃ話にならないのに!



「みんなにもお願いしたいことがあるから聞いてね」


まずはドラツーから遺跡まで森を切り開く。

これはリアとティア、チョコたちにお願いした。

「わかったわ! ねえ様行くわよ」

「おー! 任された!」

「キャンディ、周囲に何かあったら報告お願い」

「わかったわ〜!」



「残りのみんなで、ここにアキナさん達が滞在できる拠点を作るから、どういうものがいいかとか、作る手伝いをお願いするね」

みんなの意見を聞きながら前哨基地を作る。

「アスカ様が居られないと魔法防壁は機能しませんよね?でしたら、強固な守りが必要になりませんか?」

「そうですね…周りを壁で覆い、魔道具を設置して防御させます。シルフィー様、ありがとうございます」

「はいっ! あと、シルフィーです! 敬語も禁止です!」

「ありがとうシルフィー」

ご自身は敬語のままなのに…。 (そこはまぁ…多目に)



「お姉ちゃん、どれくらいの人が滞在するの?」

「正確な人数まではわからないけど、奥様達も同行するみたいだからある程度の広さは必要だと思う」

「じゃあ、ちゃんとした住む場所がいるね」

「そうなるね…材料は木材がさっき大量に手に入ったからそれを使おうか」


「差し出がましいとは思いますが、メイドとしてもよろしいですか?」

「ユリネさん、意見はどんどん言ってほしいから気にしないで教えて。大切なみんなの意見なんだから」

「はいっ! やはり、王族の方が滞在されるのであれば使用人の方も同行されたりするかもしれません、簡易でも食事等、出せる設備があると喜ばれるかと思います」

「キッチンは必要だね。ありがとう」


「お嬢様、私からもよろしいですか?」

「もちろんだよ。ピナさんはアキナさんの奥様の一人なんだから、何かあれば教えて」

「では…。陛下は間違いなくご自分でダンジョンに潜られます。そして、全身汚れてお帰りになりますから…」

「お風呂とか必要って事だね?」

「はい…このような場所に、と思いますがお嬢様なら容易いですよね?」

「そうだね、魔道具を置けば問題ないから」


「アスカ様、一近衛兵として一つよろしいですか?」

「お願い、アリアさん」

「やはり、危険な森ですから、周囲の警戒ができるような、見渡せる場所は必要かと思います」

「確かにそうだね…櫓…塔みたいなのが必要だね」

この森は樹が大きいから、かなりの高さがいるな…。



砦みたいなのを予想してたけど…。 (強化版ツリーハウス?)

そうなりそう。


「お姉様、やっぱり個室も沢山必要だと思うの…」

「だよね…ある程度の数は必要になるか」

アキナさんの私室や執務室も必要だし、使用人の人たちも来るのなら数がいるな。


戻ってきたリア達からも意見をもらい、地面に図面を書いていく。

「ねえアスカ! 温泉! 露天風呂がほしわ!」

「ここに!?」

「いいじゃんー疲れた時には癒やしが必要だよー」

「いいわね〜。裸の付き合いは大切よ〜」

癒やしか…うん。それは言えてる。 キャンディのは意味が違いそうだけど…。


完成した図面に合わせて覆ってる魔力ドーム内へ素材を入れて組み立てていく。

「ねぇ、奈々…私達の惚れた人が何してるかわかる?」

「わかんない。わかんないけどすっげーのはわかる」

「危ないから、ドラツーの側にいてね」

「「はーい」」

二人とも少し落ち着いたかな。 (魔力も安定してるし、ママの魔力ドーム内だから)

そんな効果ないよ? (ママの魔力に覆われてるだけで安心感すごいよ?)

嬉しいこと言ってくれるね。


…………

………

……



こんなものかな。 (森の中にできた巨大な温泉旅館! 煙突のような塔付き!)

言われたら確かに…。


「みんなで中の確認をしてもらえる?改善点とかあれば教えて」

楽しそうに駆け込んでいったなぁー。


「お嬢様…流石にここまでは予想しませんでしたよ」

「まずかった?」

「いえ、とんでもありません…。まだまだ私はお嬢様のお力を甘く見ていたと考えを改めました」

「みんながいてくれるおかげだよ。私だけじゃ作れなかった」

「そうですね…。 ところでこの壁はただの木材ではないですね?」

「よくわかったね。ドラゴンたちに沢山貰った鱗を混ぜ込んであるから、壊せるのはアキナさんみたいな強いドラゴンだけだよ」

「王国の壁より強固なのでは…」

それは知らないなぁ。壁に鑑定なんてしたことないし。 (こっちのがつよつよ)

ティーはよく知ってるね。 (工事とか見てたから)

そっか。大丈夫だとは思うけど危ないことはダメだよ。 (あい!)


「ピナさん、私達も中に行こう?」

「はい!」

アキナさんに喜んでもらえるといいけど…。



内部を一通り見てもらったみんなから意見を聞きながら手直し。

今夜はここで泊まりたいというから、丁度いいか。

「色々使ってみて、また意見を聞かせてね」


急かすみんなに連れられて、どこに行くのかと思ったら…

露天風呂かー。



ピナさんは遠慮して待機。これは仕方ないというか、当然だね。 (アキナさんの奥様だし) 

後で交代しよう。

他のみんなは一緒に。



うん、贅沢だわ…。

夜空はきれいだし、森の魔力も心地良い。露天風呂最高…。

「アスカ、なんか色々と怖がってたのが吹っ飛んだよー」

「そう?」

「それはそうよ。私達にはアスカちゃんがついてるって思ったら、昼間の怖さなんて些細なことに思えたわ」

二人が落ち着いたなら私はそれでいいよ。


「お母様はリズのお母様なのです!」 

甘えてくるリズがかわいい。


「私もお母様だぞー?」

「…えー」

「まぁ、奈々にはまだ母性はないわね」

「そういう麻帆もでしょ!」

「私はまだ女子高生してたいわ」

それだと、まるで私が女子高生では無い様に聞こえるのだけど? (魔王になった女子高生は美女を侍らし高笑う)

ハーッハッハ! って?やらないからね? (あはっ)


 







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