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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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衣装でのインパクトも大事



今日は朝からピナさんが来てくれてて、ドラゴライナ王国の狩猟大会に関する情報をもらった。

「五日後から一週間、狩猟大会が開催されます」

「一週間?結構長いね?」

前半は三日とかだった気がするし。 (うん。ティーたちは二日参加したよー)

だよね。


「建国記念のお祭りという事もあり、今年はギルド試験が開催されません。その代わりに期限が迫っている人はこの狩猟大会で成果を上げることで試験が免除されますから」

「みんな張り切ってるのね」

「はい。ですがそれも側面の一つです」

「他にも理由が?」

「陛下が大規模な拡張工事を計画されているからです」

ステッキの試合エリアを作るために、既にかなり拡張工事してなかったっけ…。 (うん。ちょっとした街レベル)


「新しいエリアは子供たちのためのエリアになります」

「子供たち?」

「お嬢様が留学された魔法学園、ゲームやステッキによる子共たちの魔力操作の飛躍的な向上。それらを鑑みて、遊んで学べる学校を作ると仰られて」

「そうなんだ。じゃあゲームやステッキの追加が必要なら教えてね。作り足すから」

「畏まりました。ですが、まだ計画段階ですからしばらくは大丈夫です」

「わかったよ。私達は狩猟大会の準備を始めようか」

「はい。 それに伴い陛下からお嬢様のご両親へ帰還命令が出ております」

「あー…忙しくなるからだね。じゃあ先にそちらへ送り届けるよ」

「こちらがその書状になります」

「確かに預かりました」

今日は父さんも家にいるしちょうど良かった。



話をしたら両親はものすごく渋ってはいたけど、書状を読んだらため息をついてようやく行く決心をしてくれた。

「何が書いてあったの?」

「今はまだ内緒!」

「悪巧みとかしてるわけではないからな?」

そうですか…。父さんのその言い方は逆に怪しいんだけどね。 (一番問題起こす人!)

否定できないのが娘として悲しいよそれ…。


ピナさんも一度帰ると言うから一緒に送り届けた。


ーーーーーー

ーーーー

ーー


ーーーーーー

ーーーー

ーー




私は一度みんなと相談しなきゃ。

みんな地下かな。 (遊んでるーというか訓練?)

了解。


地下ではユウキとスピネルも一緒になってサバゲーの真っ最中。

二回ほど挑まれたけど、返り討ちにしたから…。 (高い壁は燃える!)

壁扱いなんだ私。 (もののたとえ!)

知ってる。 (むー!)

ふふっ、キリがついたら集まってね。 (はーい!)


シエルは相変わらずマネージャーみたいにタオルや飲み物を用意してるから手伝う。

「お姉様ありがとうなの…」

「シエルもいつもご苦労さま」

スポーツドリンクを用意し終わる頃にはみんな集まってきた。


「姉ちゃん、次は負けねぇから!」

「はいはい。それはまた今度ね。 今は狩猟大会について相談したいから聞いて」

まずは日時や、母さん達は帰還命令がでて、先に行ってる事を伝える。


「後、これは相談なんだけど、みんなは当然ついてきてくれると思うんだけど、他の人達はどうしようかなぁと思って…戦闘に慣れてない人や、王族もいるでしょ?でも声をかけないのは違うと思うし…」

「お姉ちゃん、それって奈々先輩たちもだよね?」  

「うん、後はグリシア王国の三人と、シルフィー様たちかな」

「ママ、師匠達は?」

「そちらも話には行くけど、まず無理だと思う。国を空けられない立場の人だからね」

今は問題もあるし…。


「それって、シャーラも来れるなら呼んでいいのかな?」

「大丈夫だと思うよ。仮のギルドカードはユウキが申請できるし、戦闘力も問題ないでしょ?」

「わかった。そっちは、僕が確認しとく」

「そうしてあげて」


「奈々達はアスカが聞くしかないでしょう。他も直接本人に確認するしかないと思うわ」

「そうなんだけど、みんなに相談せずに決めたくなかったから」

「アスカが成長してるわ!」

ちょっとリア? (ぷふっ)


みんなも誘うのはいいと思うって同意してくれたから、リズとティーを連れてまずは師匠のところへ。


ーーーーーー

ーーーー

ーー



前回、きちんと紹介できなかったリズを紹介し、聖女様関連の現状を聞かせてもらった。

「ほう…赤い髪か。私と同じだな?」

「…お母様この人怖いのです!」

「師匠、私の子を泣かせないでくださいね」

「アスカの子なら私の子みたいなものだろう?鍛えてやろうか?」

「…やだぁ…怖いのです…」

「いや、えっと…その、スマン…」

あたふたする師匠っていう珍しいものを見れたけど、今はリズをあやしてあげないと。


「ママの師匠悪い子ー! 子供泣かせたー!」

「うっ…」

「アリッサは子供との接し方を学ぶべきですね」

「そうだな…」



狩猟大会に関しては当たり前だけど来ることは出来ないと言われた。

国のトップ二人ってのもあるけど、世界の違う国へいきなり行くのは無理だからなぁ。

わかってはいたけど、そうだからと言って声をかけなかったらそれも失礼だろう。

魔力の無い地球へ呼ぶのとは違うから、ほんの少しだけ期待はしてたけど…。やっぱり無理だよね…


「お気持ちは嬉しいのですが…そういった催しに関しましてはお声がけも不要です。アスカ様の手間を増やしてしまいますし…」

「手間とかでは無いですが…。でもわかりました」

私よりメリアさん達にご迷惑なんだろうな。ごめんなさい…


「アスカ、気にするな。それより顔を出してくれるだけでいい」

「はいっ」

私顔に出てたかな。 (うん)



「アスカ様は今お時間は大丈夫ですか?」

「はい。進展がありましたか?」

「ええ。ちょうど準備も整いましたし、教会側へ根回しもしてあります」 

「アスカは教会に集まった者達へ祝福をしてやればいい」

「わかりました」

「詳しいお話は道中にアリッサから聞いてください。 任せましたよアリッサ」

「任された」

ティーとリズも連れて行っていいと言われたから同行する。 (わーい!)


メリアさんは魔剣士団の人達に計画を始めるって指示を出した。

何が起こるの…。



「まずは着替えるぞ」

「えっ?」

「聖女に相応しい格好が必要だろう?」

確かに…私めっちゃ地球の私服だし。 


師匠に連れられて入った部屋にはそれはもう豪華な服というか聖衣が…。

「いいか?着替えさせるだけだぞ?余計なことをしたらわかってるな?」

「「は、はいっ…!」」

師匠はなんでメイドさんを脅すかな…。 (オレの女に手を出すな的な?)

それはなんか嬉しいかも。 (チョロ)

うっさい…。 


師匠は外で待つと言って部屋を出ていった。

「すみません、よろしくお願いします」

「はい! おまかせを」

「腕がなりますね!」

このお二人、ウエディングドレスも着付けてくれた人達だな。


「勇者様で聖女様とは…陛下はとんでもない方を射止められたものです」

「本当に…。アリッサ様も少しは落ち着いてくださるといいのですが…」

師匠言われてます。


………

……


「少々重いかもしれませんが…」

「大丈夫です。お手数おかけしました」

「とんでもないです。 ではアリッサ様をお呼びしますね」

「お願いします」

服が服だから着せてもらうのに結構な時間がかかった。

バッチリお化粧もしてもらえたから、また指輪に記憶させておこう。崩れたら大変だ…。



師匠と一緒に待っててくれたティーとリズも入室。

「お母様きれーなのです!」

「すっげー…ママかっこいい!」

「ありがとう二人とも。さすがに抱きあげられなくなるから、ちゃんとついてきてね」

「はいなのです!」

「任せてー」


「アスカ……。これは…本物の聖女様はこっちだったか…」

師匠、それはイアリスさんに失礼だから! (あははっ)


「では聖女様、お手を…」

いや、誰ですか!? (ママの聖なる力にアテられてる!)

ひどい言われ方してない? (褒めてるのにー)


師匠に差し出された手を取る。

そのまま案内されるように馬車までエスコートしてもらい、移動する車内で細かい打ち合わせ。



まずは私が集まっている人の一人に祝福の魔法をかける。 

それにより聖女であることが証明されるから、そのままの流れで勇者だというのも伝えると…。

「でも師匠、どうやって勇者だと証明するんですか?」

「相変わらずお前は…。聖剣を持ってるだろう! アレ本来の力を引き出せるの勇者だけだ。以前私に見せてくれた力を見せればいい」

「騒ぎになりません?」

「それが狙いだ。インパクトがなければ何も始まらん」

「はぁ…わかりました」

「リズ、ママの本気が見れるよ!」

「本当ですか! 楽しみなのです!」

子供たちからのプレッシャーよ…。


「そのままの流れでイアリスがお前に告白するから受けろ。それで称号がイアリスにもつくはずだ」

「はい」

「その後はイアリスが祝福を行う。跳ね上がった効果でみんな驚くはずだ。そこからは二人に任せる」

えぇー…。一番大事なところを丸投げされてない? (オチはアドリブでお願いねー)

笑いを取りたいわけじゃないからね?


仕方ない、これは本物の聖女様と相談しよう。










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