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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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立場や種族もこえて



「やー! ママのお説教やー!!」

「待ちなさいティー!」

全くもう! あの子は何処で、何処で…あんな知識を! (一般常識なのに!)

…嘘でしょ? (知らないママがおかしいの!!)

そん…な…。 (今のうちだー)

あっ、こら! もぅ!


みんなは、そんなになの…?そういう知識豊富なの?

確認しようにも下手に誰かに聞くこともできないし…。

ま、まぁいいや。知らないからって困ったりはしない。今のところは…。


メリアさんはこちらが片付くまで時間がかかるから、指輪を渡すのは最後にしてほしいと言われた。

念の為聖女様の指輪も作成してある。お世話になった方だからね。

なので、次はシルフィー様のところだな。 (いってらっしゃーい!)

はいはい…。


ーーーーーー

ーーーー

ーー



アクシリアス王国の客間へ転移。

とりあえずベッドにいるティーを捕まえる! (ズルい!)

どさくさで逃げたよね…? (ひっ…)

はぁ…ティーはまだ子供なんだから、程々にね? 

リズに教えたらだめよ? (…あい)


ティーを抱いたまま別棟を出て本城へ向かう。

シルフィー様がどこにいるか知ってる? (今は王妃様とアルフィー様と庭園にいるの)

アリアさんとユリネさんは? (一緒!)

じゃあそっちへ向かうか…。


廊下を歩いてたらルニアさんが声をかけてくれて、庭園まで案内してくれた。

「ありがとうございました」

「いえ! では私はこれで」

敬礼するとルニアさんは巡回に戻っていった。私に敬礼はいらないのに…。 (シルフィー様の恋人なのに?)

うぐっ…。 (ぐぅの音も出ない人ほど声がでる)

うちの子が反抗期だわ…。 (ないない)


はぁ…。



庭園で何をしてるのかと思ったら、魔法の訓練かぁ…。

的に向かって魔法が放たれてる。

邪魔もできないし待とうと思ったのだけど、アルフィー様が気がついて走ってきてしまった。

「あすかおねーさま! いらっしゃいませ」

「お邪魔してますアルフィー様」


「アスカ様!! 酷いです…後回しなんて」

そんなつもりはないのだけど…待たされた方はそう思わないよね。

「遅くなってすみません」

「はいっ!」

「私達は少し席を外すわねー。アルフィーいらっしゃい」

「むーわかりました…」

気を使わせてしまって申し訳ありません…。


「シルフィー様…」

「シルフィーです。もう呼び捨てにして頂いてもよろしいのではないですか?」

「でも…」

「お願いします」

「善処します…」

指輪を渡して、みんなと同じように誓う。今の私にできる精一杯を伝えて…。


「ありがとうございます! 素敵です…」

抱きついてきたシルフィー様に唇を塞がれて…一瞬、頭が真っ白に。

なんでみんな不意打ちするかなぁ…。 (前置きしたら台無し)

そうなの? (ママもしてみたら?)

無理無理無理。 (知ってる)

意地悪…。



「これで私もアスカ様のものだと大手を振って宣言できますね」

「本当に大丈夫なのですか…?次期国王陛下ですのに」

「実は…巷では既に私達は恋人と認識されていまして」

てへっと舌を出して笑うシルフィー様。 えっ!? (ママ、新年の挨拶思い出して)

ドラゴンの編隊飛行? (じゃなくて! ずっと腕を組まれてたのが国中に巨大スクリーンで流れた)

……もしかしてさ? (すでに外堀は埋められてた)

そういう重大な事は早く言って!? とはいえ、もう今更か。 (うむ)


アリアさんとユリネさんにも渡したのだけど、最初は遠慮されてしまって…。

「二人とも、受け取らないのは失礼ですよ?アスカ様の想いを無碍にするのですか!」

「決してそんなつもりは!」

「私はあくまでも使用人ですのに…」

「アスカ様の前では、私達の立場とかそういうのを気にする必要はないと伝えたはずですよ?」

「はい…」

「ありがとうございます」

シルフィー様のおかげでなんとか受け取ってもらえて。

迷惑だったのかと心配したけど、嬉しそうにはしてくれてるから大丈夫だよね。 (立場的に遠慮してただけだし)



「いいわね〜。素敵だわー」

王妃様を見たら、まさかのカメプロ! (撮影されたー!)

なんてこと…。


「アスカちゃん、国のことはこちらでなんとかするから。貴女達は気にせずにしっかり恋人として思い出を作りなさい」

「ありがとうございますお母様!」

「私が出来なかった事をしてほしいだけよ。陛下もまだまだ現役なんだから! 貴女達は今この時を存分に楽しみなさい」

国や立場の問題を気にしなくていいのは助かるけど、私にできる事はしないとな。

もう本当に無関係ではないのだから…。




別棟に戻り、庭にキャンディ達も喚びだす。

チョコたちには見守っててもらおう。

「ますたぁ?」

「キャンディ、順番がめちゃくちゃになってごめんね。ずっと我慢させて、待たせてたのもごめんね。遅くなったけど、私の気持ちを形にしたから受け取ってもらえる?」

「…ますたぁ…」

抱きついてきたキャンディを受け止める。今は本当に抵抗もない。

「あの…いい?ますたぁ…」

「いいよ」

何を言いたいのかわかるし、目を閉じる。

予想と違い、唇と唇が触れるような優しいものだった。

「ますたぁには刺激強いとだめでしょ〜?」

「ありがとね…」

抱きしめるくらいは私からしなきゃね。ずっと、ずっと待たせてたんだから。

「ふわぁ〜……幸せすぎるわ…満たされるのよ〜」

ふふっ、それは良かった。



チョコ達からも祝福の感情がたくさん伝わってきて胸がいっぱいだよ。

「みんなもありがとう。これからもずっと家族だからね」

キャンディが召喚獣だからとか、サキュバスだからとかそんなのは今更だし、関係ない。

今までは家族、これからは恋人で家族。大切にしたい気持ちは変わらない。







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