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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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日常からまた非日常へ



「ママー、早く!」

「待ってね、置き場所何処にしようかな…」

夏休みに入って日課になっているレウィの散歩から帰った私は、ティーがすくった金魚たちの水槽を置く場所で悩んでる真っ最中。 (全員救ってあげたのにー)

金魚すくいだから? (ママおやじギャグダメ)

明らかにティーから振ったのに、理不尽だよそれは…。 (ふふっ)


「水槽っていうと玄関じゃない?好きにおいていいよ」

「ほんと?ありがと母さん」

水槽を持ってウロウロしてたら見かねた母さんが使っていい場所を教えてくれて助かった。


私の部屋に置く事も考えたのだけど、みんな結構アクティブに動くから危なっかしくて…。 (リズが走り回る!)

ティーも一緒になって遊んでるよね? (そうとも言う。リアもだし)

みんな元気だからな。



母さんの許可も貰えたし、玄関の収納の上に水槽を設置。

入れた水は水質とかを金魚の入ってる水に合わせたから大丈夫。

「ティー、金魚を入れてあげて。そっとね?」

「あーい!」

昨夜はバケツで過ごしてもらってたからな。


ティーは重たいバケツも軽々と持ちあげて水槽へ移す。

「おー。よく見えるの!」

「あとはこれを入れてあげて」

「これなにー?」

「酸素を出す魔石。入れたらわかるよ」

ティーが魔石を二つ水槽へ入れると、すぐにブクブクと酸素が出だす。 

片方は水質安定の魔道具だから水が汚れたりもしないからこれでしばらく様子見。


「金魚すくいのとこにも入ってたぶくぶくしてたやつー?」

「そう、それを魔石で再現してあるの。当分は魔力の補充も必要ないけど、泡が弱くなったら魔力注いであげてね」

「あい!」

「ティー姉何してるです?」

「リズ、見て見て!」

「わぁー泳いでるのです! 可愛い…」

餌は屋台のおっちゃんがくれたのでしばらくは持つかな。

取り尽くした金魚を返したらくれたんだよね。


餌のあげ方とかも教えてあげて、ちゃんとお世話するように言っておく。

一応私も気にかけてはおくけど、基本はティーに任せる。 (〜♪異世界行くときはティーの分体がみとく)

わかったよ。



しばらく眺めてるだろうから私は今のうちに洗濯物を片付けてしまおう。

最近うちは洗濯物が増えたけど、外に長々と干したりしない。

入る分は洗濯機に入れるけど、それ以外は魔力ドーム内で洗って、そのまま乾燥までやってしまう。

洗濯機から出したのも魔力ドームで乾燥させちゃうし。


服を畳んでるとだいたい誰かが来て手伝ってくれるからあっという間に終わる。

それぞれ自分の服は自分で仕舞ってくれるし。

今日はシエルが手伝ってくれてる。


「あ、そうだシエル。少し意見を聞かせて?」

「はいなの…服のこと…?」

「うん。服というか水着。みんなで南国に行くから水着も必要かなと思って」

「それなら…」

シエルはマジックバッグから大量の水着を取り出した。


「まさか準備万端?」

「…うん!」

「ありがとシエル。見てもいい?」

「お姉様のは、これとかこれ…」

渡してくれたのはビキニに重ね着でショートパンツやTシャツを着たりと露出が少なくて助かる。

他のもワンピースタイプだったりと服感覚で着れそうなくらい露出の少ない水着ばかり。

これ、今年の流行りなのかな?


「…あまり露出のある水着は向こうだと目立つの…」

「そうなの?」

それは知らなかったな…。そこまで調べてくれたシエルに感謝しかない。

「ピナさんが教えてくれたの…」

「なるほど! 出身地だもんね」

「だからみんなのも気をつけたの…」

「ありがとね、普通に買いに行ってたら大変な事になってたかも」

制作用の生地とかも減ってきてるそうだからまた買いに行かないとな。

私の手持ちはもう革素材ばかりだし。それも欲しがったのは渡してるけど…。




シエルのおかげで水着の心配がなくなったからそっちはいいとして…。 (ママ、シルフィー様が待ちくたびれてる!)

うん? あ、ティアには指輪渡したから? (そう、気がついてから騒いでるの)

あー…どうしようかな。 師匠の方は? (色々と調べてる最中)

しばらく無理そう? (でも聖女様はいないから渡すなら今かも?)

うーん…それでいいのだろうか。

一度行って確認するか。 (うん!)



ーーーーーー

ーーーー

ーー



客間からメリアさんの私室へ移動中にばったりとメリアさんと遭遇。

「アスカ様! いらしてたんですね。でもすみません…まだ進展はなくて…」

「いえ、私が少しご相談したいことがありまして…」

「わかりました、では私の部屋へ」

部屋に入ると人払いをしてくれて、話しやすくなった。


「改まって、という事は大切なお話ですよね?」

「はい…」

指輪を作ってそれを渡しにきた旨を伝え、聖女様のこともあるしで、今渡していいものか、そのあたりの相談をした。


「そうでしたか…私個人としては早く受け取りたいです。しかし、それをつけていたら、また聖女様が癇癪起こしそうですし…」

癇癪て…。

「今は解決方法が何もない状態でして、聖女様は職務をボイコットしていますから、ちょっとした騒ぎになってるんです」

聖女様何してるの!? (見てこよ…)


「アリッサが説得に行ってるのですが、おそらく進展はないかと…」

「問題が解決しないと無理という事ですね…」

「ええ…教会側からもなんとかして欲しいとこちらに連絡がありましたから」


「いい方法あるわよー!」

バーンっと扉を開けて入って来られたのは皇太后様。

「お母様! せめてノックくらいしてください!」

「もう二人とも私の娘なんだからいいじゃない」

「そういう問題では…」

「それより! アスカちゃんは聖魔法も使えるのよね?」

「は、はい。一通りは…」

対アンデット系の攻撃魔法から、浄化や祝福なんてもの。 (祝福?)

一時的なバフ効果のかかる魔法なんだけど、聖魔法の場合、効果が高くて病気とか状態異常も治せるよ。 (聖女チート)

そう言えなくもないかな…。



「お母様、いい方法とはなんですか?一応聞いておきます」

「言い方ひどいわー。 えっとね、勇者でもあるアスカちゃんがみんなの前で聖魔法を見せて聖女だって証明しちゃえばいいのよ!」

「それでどうなるのですか…」

「聖女様同士の愛なんて盛り上がるわよ!」

「それが許されないといってるのですが…」

「頭が硬いのよー。貴女達、称号でステータス跳ね上がったのよね?」

「ええ、文字通り桁違いになりました」

「それが聖女様にも反映されるのよ?」

「!! 聖魔法の効果も!」

「跳ね上がるでしょうねー。もちろん純潔は守らないとうるさいだろうけど、女の子同士なんだし平気でしょ?」

「その方向で話を勧めてみます! お母様、ありがとうございます!」

メリアさんはそのまま部屋を出ていってしまった。


え…。皇太后様と二人にしないでほしい…。 

この方、話が通じないから苦手なの…。 (聖女様、私室に籠もって出てこないから師匠が困り果ててる)

ボイコットってそういうものだからね?



「アスカちゃん?」

「は、はい!」

何!?何を言われるの…?

「早く孫の顔をみたいから頑張ってね?メリアは男の子で、アリッサは女の子!」

いつかの妄想がまだ続いてたー! (ぷふっ!)


「楽しみだわー。 あ、聖女様だから、アスカちゃんも純潔守らなきゃだめよ?」

「…?」

「受け身になったらだめってことよー。聖魔法使えなくなるかもしれないわよー」

ちょっと何を言ってるのか…。魔法が使えなくなる…? (そう言われてるみたい)


ティー、どういう事? (えっとねーママがピーーしてピーじゃなくなったら聖魔法使えなくなるかも?って話)

…………。 (ママには刺激が強かったの…真っ赤! 因みに別に使えなくなったりはしない!)

………………。 (次回までにはママが再起動すると思うからまたねーノシ)









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