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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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聖女と称号



その日の夜には師匠とメリアさんにも指輪を届けに行った。


指輪を渡しに来たはずだったのに、お邪魔したメリアさんの部屋にはどんよりとした重い空気が立ち込めてた。

何事!?


「酷いですわ…私だけのけ者なんて!」

「そうは言いましても聖女様ですし…」

「幼馴染だからと普段は碌に聖女として扱わないくせにこんな時だけ!」

「しかしだな…聖女なのは間違いがないんだぞ?」

「法を変えてください! すでに変えましたよね?」

「うっ…」

どういう事なの…。


「あの…」 

「アスカ! 来ていたのか。すまないな…、今はちょっと込み入っててな」

「酷いですわアスカ様! 私だけ…私だけのけ者にするなんて!」

ご立腹な聖女イアリス様。


「申し訳ありません、アスカ様…」

「メリアさん、事情を説明していただいても?」

「はい…」



話を聞くと、私とのアレコレがハッキリした時点で、メリアさんは国の法を改定したらしい…。 (前から準備はしてた)

心配になってしまうのだけど、大丈夫なの!? (相手が世界を救った勇者様だからすんなり通ったけどね)

それでいいか国の法律! (今更ー)


元々同性婚のなかった国に同性婚やら、皇帝陛下の結婚相手にも特例が設けられたんだとか。

「皇帝が、より立場の上の方に嫁ぐ場合の決め事等、色々と弄りました。これで問題なく私もアスカ様のハーレムの一員を名乗れます」

「その特例に聖女も入れてくれてもいいじゃないですか!」

私、皇帝陛下より立場が上になるの?まずそこがびっくりなんだけど! (世界を救った勇者で魔王だし?)


「イアリスは聖女という立場を理解してますか?特定の相手に嫁ぐことは不可能です。こちらは皇帝といえど曲げられません」

「じゃあ…!」

「聖女をやめるとか言うなよ?次代も見つかっていない以上、それも不可能だろう」

「そんなぁ…」

さすがの私も何で揉めてるのか察しはついたけど、口を挟める問題ではないなぁ…。


「駆け落ちしてやります! アスカ様、私を連れて逃げてくださいまし!」

「えぇ!?」

「…はぁ…気持ちは解らないでもないですから、何も言えませんね」

「そうだが…聖女だぞ?」

「誰にも言いません! こっそり、内緒に! 急いで次代を見つけて交代しますから」

「そんな簡単にいく訳がないだろう…。基本聖女は一人なんだぞ?」 

「アスカ様、なにかいい方法ありませんか?」

そこで私に振るの!?

宗教の事とか何もわからないよ私!


「そういえば…アスカ様は聖女の称号はお持ちですか?」

「……」 (あるよね?)

あるけど…。何故か男の時から聖女って称号で、意味わからなくてユウキと笑ってたんだよね。 (聖男の娘)

変な属性増やすのやめなさい。 (需要ありそうなのに)

あるかなぁ…。 (聖男の娘は世界を救う〜届かぬ漢達の想い〜)

やめなさいって。 (じゃあ、異世界転移した聖男の娘、聖なる力で無双する〜三十歳から始める聖魔法〜)

三十歳て…。魔法使えるようになるのがその年齢だっけ? (と言われてるよくわかんない設定)


話戻していいかな? (満足したのでどうぞ!)

はーい。


この聖女っていう称号に関しても、今は理由が判明したわけだけど…。 (女の子だったし)

うん。 そもそも聖女の称号がないと、それに紐付いてる聖魔法は使えないんだよ。 (ティーはつかえるよ?)

それは私とティーがつながってるからだね。 (ふっふーん♪)


「アスカどうなんだ?嫁に隠し事や嘘はつかないよな?」

その言い方は…。

「…持ってます。聖魔法も扱えますから」 (ママは一人でパーティー分の役割こなせる)

まぁね。 でもそれ、すっごい寂しい冒険者になるよね…。 (ボッチを極めし魔王の世界征服)

ボッチでもないし、世界征服もしないから!


「でしたら! 陛下達も聖女様を娶ったことになりますよね?」

「ですが私はどこかに所属はしてませんから…」

「アスカ様は少し黙っていてください!」

「…はい」

怒られた…。 (聖女様必死!)




「アスカは聖女の称号をどうやって手に入れたんだ?」

どうだったっけ…。聖女様の魔法を見てたら聖魔法は覚えてて、扱えるようになったのはもっと後で…。

人に教わったのなら覚えてるはずだし。 (うっかり?)

うっかりで称号をもらったらやだよ。 (最近もらったよ?)

あれはうっかりではないでしょう! (うっかり者って称号あるのに)

言わないで…。



「すみません、送還される時に時間を戻されて、記憶にも補正がかかるので、細かい事があやふやになるんです」

「そうか…。 じゃあ私達の事も忘れていたのか?」

「いえ! 忘れるのは建物や土地、風習だったり、その世界の常識などですから。人の記憶はしっかりしてます。師匠の教えも忘れずに記憶していましたから」 

「ならいいんだ。 しかし…そうなると聖女の称号を手に入れたのはその世界の常識とかに絡むという事か」

「それはそうでしょう。その世界に根付く宗教と切っても切り離せないのですよ?聖女という存在は」

「確かにな」


とてもじゃないけど師匠たちに指輪を渡すなんて雰囲気ではなく…。

師匠に、こちらの事はまかせておけと言われて、そのまま転移して帰宅した。


聖女様かぁ…すっごくお世話になったからなぁ。

せめて指輪くらい渡しても…いや。ダメだ。

あれは誓いの指輪だから、何も決まってない状態で渡すようなものじゃない。 (どーするの?)

今は師匠達に任せるしかないね。私にできる事があるならその時は…だね。



師匠達に渡せなかったから、次へ…という訳にもいかず、指輪を渡すのは先送りになってしまった。 (異世界編はまた後日)

しばらく私の緊張はとけないらしい。 (師匠のとこ落ち着いたら教えるの)

いつもありがとね。







「ティーちゃんの考えたタイトルのお話、需要ありそうだよね!」

「美亜、本気で言ってる?」

「お姉ちゃんの男の娘とか見てみたい!」

「やめてよ…」 (需要ありそうなのにー)

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