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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第七章

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初めまして



私の心配とは裏腹に、みんなとの関係は今までと特に何かが変わると言う訳ではなく、今まで通り。

今回も変に身構えてたのは私だけだったらしい。


それとなくリアに確認したら、正式な肩書が称号という形でついたから安心して落ち着いてるみたい。

「私達はもう正式にアスカのなのよ?焦る必要なんてないもの。今までの関係を壊したくもないし、アスカの負担にもなりたくないの。だからのんびりいきましょう?」

そういう事らしい。ありがたいよ本当に…。


むしろ、ひと悶着あったのはうちの両親だろう。

ハーレムを羨ましがった父さんが母さんにお説教された。

それ自体は毎度の事だけど、今回は原因が私にあるから止めなきゃと思って…ほんと大変だった。

 


一番変化のあったのは奈々かもしれない。

メッセージが前より頻繁にくるし、内容も恋人っぽい…気がする。 (そう?オッサン臭いけど)

やめてあげてよ…。 (だって今日は何色かなー?とか…)

あー…うん。そこら辺は確かにそうかも。相変わらずどこかちょっとズレてるよね奈々は。


忙しくて返事が遅くなると何度もメッセージが来てたり、通話がかかってきたりと心配性になった気がする。

麻帆にまでその被害はいってて、”煩いから相手してあげて”って苦情が来たくらいに。 (メンヘラ…)

こんな性格だったかなぁ、奈々って。



「お嬢様まで陛下のようになってしまわれて…私は心配ですよ本当に」

久しぶりに顔を出したと思ったらピナさんから苦言が…。


「それよりお嬢様、ハルナ様がお時間を取ってくださるそうなので、近々ドラゴライナ王国へお越しください」

「わかったよ、ありがとう。でも、商売で忙しかったんじゃないの?」

「お嬢様が正式にお披露目されて、王族として広く認知されましたから、無碍にしたら国際問題になります」

そんな理由!?なんか申し訳なくなるな…。


「というのは建前でして…」

「えっ?」

「セイナ様にものすっごく怒られました」

あー…そう言えばお祖母ちゃん、お説教するとか言ってたっけ。 


「今から行っても大丈夫そう?」

「はい、お嬢様が戻られ次第時間を取る約束ですので…事前に確認を取る必要もありません」

じゃあ早く済ませたほうがいいかな。待たせてしまうのも申し訳ないし。


うちの子たちはどうするかと思ったらみんなお留守番するらしい。

前みたいにべったりじゃなくなったのは肩書というか称号のお陰なんだろうか…。 (ティーは向こうのと交代)

はーい。そういえばドラゴライナ王国にも実体のある分体を置いたんだね。 (アキナさんからの伝言とかあるかもだから!)

お手数かけます。 (いえいえーぃ!)



今回はピナさんも連れて一緒に転移。


ーーーーーー

ーーーー

ーー


「ママ!」

「お出迎えありがと」

ドラゴン姿のティーを抱き上げて、いつもの部屋に移動。

ピナさんは私が来た事を伝えてくれる為にでかけた。


「ティー、お祖母ちゃん達は?」

「今はねー街に食事にでかけてるよ」

「そっか。お祖父ちゃんもここでなら自由に出歩けるからいいね」

「お祖母ちゃんが常に一緒だけどねー」

それはそうだろうなぁ。

一人で出歩くのとか絶対に許さなさそうだし。



家に誰もいないならと、庭にキャンディ達を喚んで自由にさせてあげる。

「ますたぁ、あれからみんなとはどうなったのよ〜?」

「どうもしないよ?今までと特に変わらないから、ホッとしてる」

「え〜!? じゃあ私はまだ当分我慢なのね…」

「なんの話?」

「…なんでもないわ〜こうやって喚んでもらえて、くっついても嫌がられなくなっただけでも満足しなきゃ〜」

「ずっと待たせてたからごめんね」

「いいのよ〜」

キャンディもどこか落ち着いた雰囲気で大人っぽさが増したような気がするな。 (ママそろそろお客様!)

わかったよ、ありがと。


初対面だし、しっかりとお出迎えしないとな。

キャンディ達には庭で遊んでてもらって、私は玄関ホールまでお出迎えに行く。

メイドさん達も察してくれたのか色々と準備に動いてくれた。

この家にも一応客間があるし、そこに案内しよう。


「お邪魔するよー。 全くお姉ちゃんは懲りないよねー」

「これがアタシの仕事なんやから仕方ないやろ。お邪魔するでー」

えーっと…また濃ゆい人が。 見た目は確かに母さんやアキナさんにそっくり。

長い髪をしっかりとアップに纒めて、着物姿。柄がトロピカルなのは南国だからなんだろうか。



「いらっしゃいませ。お呼び立てして申し訳ありません」

「気にしなくていいよ。お姉ちゃんはただの商人だし、アスカちゃんはこの国の王族なんだから」

「そうやね。なんや聞きたいことあるて聞いてるけど、なんやった?」

「ここではなんですので、こちらへ」

客間へ案内したら直ぐにメイドさん達がお茶やお菓子を出してくれた。



「ここもいい家やね。 ほな話聞こか?」

「はい。 私の子孫…というか、魔族の人たちがお世話になっていると祖母から聞いたのでその確認と、今どうしてるのかを知りたくて…」

「あぁ、あの子らかぁ。みんなうちで働いてくれてんで。魔道具作れる子もおるから、助かってるわ」

「そうでしたか…本当にありがとうございます」

ハルナさんから一通り聞いたけど、やっぱり私が知ってるような人はいないっぽい。

ファリスなら或いはって所か。

名簿もくれたから、次にファリスが会いにきたら確認してもらおう。


「それよりや! なんやのんあれ!」

「えっと…?」

「魔道具や! タダみたいな値段であないなもんばら撒かれたら、こっちは太刀打ちできへんよ!」

「あれは子供達用の景品だって言ったでしょ! あのゲームや景品でどれだけの子供達が魔力の扱いに慣れる事ができたと思うの?国のためにものすごくプラスなんだから」

そっか、子供達が…。それは嬉しいな。


「アスカちゃん、うちの会社に入らへん?うちのナンバー2にでもなってもろて…」

「こら、いくらお姉ちゃんでもうちの王女を引き抜くのはだめだからね」

姉妹二人で話がどんどん進んでて、口を挟む余地もない。 (商売人は勢いが大事って言ってた)

左様ですか…。


「せやったら、一つ! なにか一つでええから、うちの会社に権利持たせてもらえへんやろか…売上から都度報酬も出すよって」

「お姉ちゃん!!」

「すぐにとは言わんし、内容は任せる。な?…それくらいええやろ?なぁ?」

「…こうやって時間も割いていただきましたし、なにかご希望があれば…」

「ほんまか! せやな…じゃあ通信のやつや!」

「ダメだよお姉ちゃん!」

「なんでやの…じゃあ転移!」

「もっとダメ!!」

「アキナはケチやなぁ」

「私にはアスカちゃんを守る責任があるからね」

お手数おかけします…。



「何かこういうのがあったら便利だなぁってものとかありますか?」

「希望聞いてくれるゆうんか!?」

「出来る物に限りますが…」

「アスカちゃん、相手しなくていいんだよ?こっちは王族なんだから」

「身内やろ?ケチケチしぃなや!」

方言がこてこてでしっかり聞いてないとわからなくなりそう…。 (せやな!)

うちの子にうつっちゃったし! 



悩みに悩んだハルナさんは、南国のリゾート地でウケの良さそうなものがいいと。

「どんな所かわからないので、判断に困りますね…」

「せやったら、遊びに来たらええよ。宿はうちの使こたらええし、そのまま居着いてもろても…」

「お姉ちゃん! はぁ…もう。その時は私も行くからね!」

「わざわざトップが来んでもええのに」

「見張りだよ! 何するかわからないからね。お母さんも呼ぶから」

「いぃっ!?それはないわ…」


結局近いうちにお邪魔する方向で話が進んでしまった…。

アキナさんが予定の調整が必要になるから、また後日。


二人仲良く?帰るのを見送った。 (やかましかった)

母さんやアキナさんと雰囲気が違いすぎて、びっくりしたけどね。

ただ、聞いていたとおりの人ではあったね。 (商売人でお金が大好き)

…う、うん。


南国かぁ…海に行けるのならみんなと行こうか。絶対こっちのが海はきれいだからね。 (わーい!)

アクシリアス王国の港で見た海もきれいだったから、期待しちゃうな。


しばらくして帰ってきたお祖母ちゃん達とも会えて、話もできた。

ハルナさんの事で心配してたから、かいつまんで説明。

夕波王国へ行く時はついて来てくれるって。

「無茶言うようなら私が張り倒してやるわ」

「加減しなよセイナ、娘なんだから」

「貴方も一緒に行くのだから大丈夫よ」

「南国へかい?それは楽しみだね」

「そうと決まれば仕度しなくちゃ」

迷惑かなって思ったけど、お祖母ちゃん達も楽しそうだから大丈夫かな。



キャンディ達を送還した後、自宅へ帰って南国の話をみんなにしたらついて来てくれるって言うから、その時はみんなで旅行だな。 (浮き輪ほしい!)

向こうって海で泳いだりするの?いつだったかシエルが泳ぐなんてありえない、みたいな反応してたけど。 (どうなんだろ。シエルは森から出てないし)

それもそうね…。

まぁ行けばわかるか。そこから魔道具のヒントも得られるかもしれないしね。 (うん!)

 

水着買いに行かなきゃな。 (〜〜♪)






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